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158 生贄

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細かい事はシルフにお任せ。


ユーリ»「領地の使用人達そのまま使う?いきなり解雇は可哀想じゃない?」

シルフ»「そうですね、前領主の犬は排除しますが、他は雇用したいと思います、ガイツの使用人と私の専属は連れて行きますし。」

ユーリ»「ガイツさん使用人いたの?」

シルフ»「王都のビルセイド邸に残してあります、今は王都ロズ邸と兼用雇用になってますが、希望する者はビルセイド領へ招きます。」

ユーリ»「あ、王都の屋敷に人が居たのガイツさんの使用人だったんだね。」

シルフ»「はい、王都で家庭のある者も居りますので、そのままロズ邸に置いておいて欲しいのです、お願いします。」

ユーリ»「いぃよ、ずっとガイツさんを支えた使用人達なんだし。」

シルフ»「有難うございます陛下。」

ユーリ»「陛下って、なんか痒いな、それよか次の宰相どうすんの?」

シルフ»「宰相の候補は現在、脅迫中ですので、暫くお待ち下さい。」

ユーリ»「ちょっと?なぜ脅迫する?」

シルフ»「自分に宰相は務まらないと断られまして、今ガイツがシメてる所です。」

ユーリ»「それ大丈夫なの?私が見に行っても平気?」

シルフ»「問題ありませんが、見ます?」

ユーリ»「見ますよ、ボロボロだったら可哀想じゃない。」


シルフに案内され、入った部屋には…。

ウサギが縄をぐるぐる巻きにされミノムシみたいに天井から吊るされていた…。

兎»「姉上ぇ~、助けて下さいよ~、天井から吊るされたまま死ぬとか嫌ですぅ~ッ!!」

ガイツ»「お前が首を縦に振ればいいだけだ、ホレ。ホレ。ホレ。」


ガイツが棒で兎をツンツンしてる。


ユーリ»「姉上?ウサギだからシルフの弟なの?」

シルフ»「はい、4番目の弟、ドルザビークの4男ですね。ゲイルといいます。」

ユーリ»「侯爵の4男にこれ大丈夫なの?」

シルフ»「ゲイルは兵士ですので問題ありません、4男で家督にも関係ありませんし。」

ゲイル»「姉上~。助けて下さいよ~、オレ死ぬぅ~、殺されるぅ~。」


ウサギがぶらんぶらんしてる。ちょっと面白くて可愛いけど、ちょっと可哀想?


ユーリ»「え~と…。ゲイルくん?宰相は嫌かな?」

ゲイル»「俺そんなのムリですよぉ~。」

シルフ»「ゲイル、私の為に生贄なれ。」

ゲイル»「ひでぇ~ッ!!  俺に幸せは無いのですかぁ~ッ!! 」

ガイツ»「俺がシルフ様と幸せになるんだからいいんだよ、お前も好きな人ぐらい居るだろ?」

ゲイル»「俺はロザリカ一筋ですぅ~ッ!! 」

ユーリ»「ロザリカって、あのロザリカ?」

シルフ»「はい、彫刻をしてるロザリカです、ゲイルはロザリカを追いかけてロズグランデまで来たそうです。」

ユーリ»「ゲイルくん、宰相になったらロザリカに会えるんだよ?」


ゲイルが騒がなくなった。


ゲイル»「ロザリカを俺に下さい。」

ユーリ»「それ本人に言いなよ、ロザリカが嫌かも知れないでしょ?」

ガイツ»「ここに居てもロザリカには会えないよなぁ、宰相になれば普通に陛下の用でロザリカに会えるんだぞぉ~?」

シルフ»「動機は不純だけど、宰相になればロザリカを口説く事も出来るかもよ?」


ゲイルめっちゃ悩んでる。


ユーリ»「また後でくるわ。」



部屋を出てロザリカの所へ。








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