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しおりを挟む人間の王が来るなら会うまで日数が掛かるだろう。
たまには娼館にも顔を出した方が良いかも知れないと思い行ってみた。
ユーリ»「ここに来るの少し憂鬱だな。」
ラナ»「女性が男性に体を売る場所だからではないですか?」
ユーリ»「そうなのよ、私は自分じゃ選ばない仕事だからね。」
ラナ»「自分から選ぶ者は多くないと思いますよ?」
奴隷»「ご主人様、いらして下さったのですね。」
ユーリ»「どうかな?問題ない?」
奴隷»「はい、今の所は問題ございませんが、客に首輪の事を聞いたら無い方が良いとの意見が多いですね、奴隷は少し抵抗を感じるらしいです。」
ユーリ»「聞いてくれたんだね、ありがとう、ラナお願いできる?
ラナ»「はい。」
ユーリ»「リーゼは首輪を外せる?」
リーゼ»「外せると思います。」
ユーリ»「私は出来ないからお願いできる?」
リーゼ»「はい。」
ユーリ»「それと、4人じゃ忙しくない?」
奴隷»「店は俺が見て、後の3人は家に色を付ける仕事をしてますので、今の所は大丈夫です。」
ユーリ»「手が足りなくなったら言ってね、人を増やすから。」
奴隷»「はい、有難うございます。」
さすが暗部、ピッキング手早いな。
有能な暗部は何でも出来るのかな?
ユーリ»「貴方達は欲しい物とかないの?」
奴隷»「欲しい物ですか?すぐには思い付かないですね。」
ユーリ»「そうなの?用意できる物なら用意するからね?嫁とか言われたら奴隷商に行くしかないけど。」
奴隷»「いえ、俺達に嫁は…。」
ユーリ»「まぁ無いなら良いよ。」
奴隷»「あ、ありました、欲しい物。」
ユーリ»「なにかな?」
奴隷»「俺達がお城へ出入りするのは見栄えが良くないと思いまして、こちらからご主人様へ連絡する手段はないですか?」
ユーリ»「見栄えって…そんなの気にしなくていいんだけど、わざわざ城まで来るのも面倒だろうし…そうだね、思い付くのは鳥の従魔かな…。」
奴隷»「ご主人様の従魔ですか?」
ユーリ»「いや、貴方達の従魔にと思って。でも奴隷商に行かないとなんだよね、ここ離れて大丈夫なの?」
奴隷»「多分、誰も逃げませんし客も夕方からです。」
ユーリ»「じゃ行ってみる?」
奴隷»「はい、宜しければお願いします。」
そして普通に奴隷商の店に入り、娼館の売り上げで連絡用に鳥の従魔を購入し奴隷に持たせた。
すぐゲートで店に戻って皆が居るか確認したら、ちゃんと居た。
ユーリ»「ほんとに逃げないんだ。」
奴隷»「逃げても行く所が無いですし、この建物の事だけしてれば良いので逆に逃げないですよ。」
ユーリ»「あ、そうか、普通は他に仕事あったりするんだ。」
奴隷»「俺達と同じですよ、ご主人様は奴隷の扱いはしないので、誰も逃げようと思いません。」
ユーリ»「逆に奴隷の扱いを知らないって言うか、そもそも奴隷だから過酷な労働をさせないと損って思ってる人は好きじゃないな。」
ラナ»「そもそもそんな仕事ここに無いですしね。」
リーゼ»「過酷な仕事と言えばドワーフぐらいでしょうか?」
ユーリ»「そうだね、無いね。」
とか呑気に話をして城へ戻ってシルフに遅いと叱られた。
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