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しおりを挟むこちらの様子を伺うにしては王が来るのは不自然だ、なんだろう。
ユーリ▶[リーゼ、動ける?]
リーゼ▶[如何なさいました?]
ユーリ▶[この王の目的が解らないのよ、周辺の様子を見てきてくれないかな?]
リーゼ▶[承知致しました。]
リーゼ»「少し席を外します、お姉様。」
ユーリ»「わかりました。」
ユーリ▶[ラナ、リーゼに周辺の様子を見てきて貰うから気にしなくていいよ。]
ラナ▶[承知致しました。]
リンセンス»「妹なのかな?」
ユーリ»「はい、私の可愛い妹ですね。」
リンセンス»「貴女は人間に見えるのだが、魔族なのかな?」
ユーリ»「私は人間ですよ、魔族の国で生活している珍しい人間ですけどね。」
リンセンス»「ロズグランデ国には気に入らない国を滅ぼす邪神が居ると聞いたのだが、貴女の国は大丈夫なのか?」
ユーリ»「大丈夫ですよ?邪神と言われてますが、別に理由も無く暴れないので。」
リンセンス»「それなら良いのだが?」
ユーリ»「その邪神から国を守るのに同盟をと考えたのですか?」
リンセンス»「うむ、少しでも気に入らないと国を滅ぼしに来るらしいのでな。」
ユーリ»「邪神に同盟は無意味ですよ?」
リンセンス»「そちらで制御できないのか?」
ユーリ»「まさか邪神を操ってとか考えてないですよね?」
リンセンス»「それは無いな、失敗すれば国どころか世界が滅びかねん。」
ユーリ»「賢明な判断だと思いますよ、邪神は操れる存在では御座いませんので。」
リンセンス»「どんな姿なのか?会った事があるのであろう?」
ユーリ»「貴方の目の前に居ますよ?私がその邪神と呼ばれる存在ですね。」
リンセンス»「なッ!? ソナタが邪神だと!?」
ユーリ»「そうです、魔族の召喚により呼び出された者です。」
リンセンス»「では、貴女が人間の国を滅ぼしたと?」
ユーリ»「私の忠告を無視したのは人間の方です、人間を滅ぼすと言ってあったにも関わらず、私を陰で操ろうとしましたので、その国には消えて頂きました。」
リンセンス»「罪の無い民をも巻き込んでか?」
ユーリ»「王を倒した所で、その地の別の者が王になり、同じ事を繰り返さないと断言できますか?」
リンセンス»「だからと言って罪の無い者を手に掛ける事は無いだろう。」
ユーリ»「ならば忠告を無視しなければ良いのですよ、そんな王が治める国など邪魔で面倒なだけです。」
リンセンス»「なんて事を…貴女は人間では無い。」
ユーリ»「人間に見える邪神ですから。私にも守るべきモノが存在します、自国に魔族国、その守るべきモノが危険になれば私は動きますよ?たとえ世話になった魔族国ですら自国に害と判断すれば滅ぼします。」
リンセンス»「魔族の味方。と言うワケではないのですな?」
ユーリ»「私には私の守るべきモノがありますので、まぁ魔族寄りなのは間違いないですよ?」
人間の王が微妙な顔をしている、自分なりの判断が難しいのだろう。
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