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しおりを挟む城に戻ってから、ロズ商会の店を見て来れば良かったと思ったのだが、帰ってきてしまったから、今度でいいかな?と思ってスルーした。
そこで思い出した、医者です。
ユーリ»「薬師のアテ無いから、王宮の薬師に相談してみようかな…?」
ラナ»「いつもの突然発言ですが、悪くないと思いますよ。」
ユーリ»「じゃ、ちょっと襲撃してみようか。」
などと言いながら王城の薬師を訪ねた。
ユーリ»「ごめんください、薬師様は居ますか?」
薬師»「おや、これはロズグランテ国王陛下、急病人ですかな?」
ユーリ»「いえ、貧しい国でも来てくれそうな薬師を知らないかな?と都合の良い事を考えて訪ねてみたのです。」
薬師»「そう仰られてもね…個人で薬屋を経営するにも資金が必要ですし…。」
ユーリ»「それは私が用意しようと思っています。」
薬師»「宮廷薬師ですか?」
ユーリ»「いえ、街の薬師です。街の皆と暮らす薬師です。」
薬師»「初期投資を国が援助する形ですかな?」
ユーリ»「そうですね、出来れば薬の値段を引くしたいんです。皆が買えるぐらいの値段に。」
薬師»「薬師に条件は御座いますかな?」
ユーリ»「妙な薬を作って人体実験しなければ、とりあえずは。」
薬師»「では彼を連れて行きますかな?」
ユーリ»「え。薬師様の助手的な人なのではないので?」
薬師»「彼は私の弟子みたいな感じでして、店の借金返済に全てを売られた者で、偶然たまたま私が見つけて買った借金奴隷です。貴女に高額でお譲りしますよ?」
ユーリ»「いま平然と高額って言いましたね…。」
薬師»「はっはっは。私は特にカネに困っておりませんが、売った金額をそのまま彼に持たせようと思いまして。」
ユーリ»「独立祝いみたいな?」
薬師»「まぁ、そんな感じと解釈して頂ければ幸いです。」
ユーリ»「店の準備もありますので、あまり高額だと払えないのですが…。」
薬師»「そうですな、当面は地域住民に馴染まなければなりませんので、薬が売れなくても飢え死にしない額をと思っております。」
ユーリ»「1日1食は必ず食べられますよ?夜に街ぐるみで無料提供しております。」
薬師»「ほう?どんな物が提供されておるのでしょう?」
ユーリ»「近隣の森で狩ってきた魔獣の肉です、街の中心で毎日ドワーフさん達がパーティーしてますよ?」
薬師»「それは誰でも食べる事ができるのでしょうか?」
ユーリ»「はい、旅の人でも食べてますよ?お肉しか無いんですけどね。」
薬師»「ほう、1日に1回は必ず食べられる。その無料提供は無くならないのですかな?」
ユーリ»「私は余程の事が無い限り禁止にしませんので、無くなるとしたら皆が飽きた時でしょうか?」
薬師»「いつ頃から始めたのですかな?」
ユーリ»「1年ぐらい前ですかね?地名がロズグランデになる少し前からです。」
薬師様が何か考えている。
安くなったらイィな。
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