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297 マイズトーレ抜き打ち調査④

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紙の作り方は、なんとなく分かる、子供の頃に作った事があるのだ。


ユーリ»「魔領の紙の値段って知らないわ。ルーネス達は普通に使ってるし高い物じゃないのかな?」

リーゼ»「ルーネス達が紙を使うのは、木の板が上から落ちてきては危険なので、あえて紙を使っているのです。」


それは分かるのだが…専用の投函ポストとか作れば良いのでは?
あれだけ屋根裏を改造しときながら、投函したら滑り台みたいな感じに届くポストとか作れなかったのか?


シルフ»「木材の紙の値段は帳簿を見る限り皮紙より安いですね。」

ユーリ»「この紙はマイズトーレで作ってるの?」

カルズ»「これはギーバレフ帝国から取り寄せております。」

ユーリ»「ギーバレフ?しか紙を作ってはいけないの?」

カルズ»「製造方法は帝国が秘匿しておりますので我々では作れないのです。」

ユーリ»「製造方法が解れば帝国を気にせず作れるって事だね?」

カルズ»「はい、製造を禁止しているワケではないので方法さえ解れば…多分。」


製造方法がバレてないから他の国では作れないと思っているのか、それとも帝国のガードが固いのか…?


ユーリ»「ここで紙を作ったら帝国が攻めてきたりしないかな?」

カルズ»「紙の収益が下がれば攻めて来るかも知れません…。」

ラナ»「マイズトーレで紙を作ろうとか思ってるんですか?」

ユーリ»「紙を作るのはマイズトーレでなくても出来るんだよ。ただ単純に紙を作ったからって、魔族が作った紙が確実に他国へ売れるとは限らない。」

シルフ»「まぁ、そうでしょうね。同じ物で同じ値段なら魔族の作った物より人間の作った物を使うでしょうね。」

ユーリ»「かと言って値段を下げたら帝国はマイズトーレを潰しに来るかもだし…。」

カルズ»「帝国は魔族領を挟んで西側にありますが、大軍でサウザンスとビルセイドを真っ直ぐ来られるかもです。」

ユーリ»「え?サウザンスとビルセイド横切るの?」

シルフ»「カルズの言うサウザンスとビルセイドは元人間の国ですよ、国王陛下が何も考えずに2国を破壊したので素通り出来るようになってます。」


おぉ。シルフの攻撃が直撃ではなく間接的に飛んでくる気がする…。

そろ~り目を反らして窓の景色でも見ましょうかね。とか考えず無意識に窓の外を見た。
なんの気なしに何か考えてます的な空気を醸し出し裏庭っぽい場所を眺めてたら、なんか落ちてる。

なんだろ?と見ていたら誰か歩いて来て、落ちてるのを拾いに来たみたいだ。

ボーッとその光景を眺めていて、ん?あの落ちてたのって人間?

見ているとズルズル引きづられて連れて行かれているようだ。


ユーリ»「カルズ、あれは?」

カルズ»「あれは…。」

リゼル»「獣人奴隷でしょうか?引きづられているように見えました。」


連れて行った人に比べて引きづられてる人は小さくなかった?

子供!?











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