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そこまでロズを恐れなくても良いのでは?


ユーリ»「ロズの街へ入った所から陛下の御一行を見張らせて頂きましたが、特に問題なく城まで到着なされたので、悪い印象は御座いませんでしたよ。」

ジルベスト»「貴女は民を大切にしていると聞く、あそこまで睨みを効かせられては騎士達も怯えてしまって何も出来んよ。実際、私も城に到着するまで非常に恐ろしかったしの。」

ユーリ»「兵達にはステリアラの者がロズグランデの民に何かしたら即座に殺せと言ってありましたので、そのせいでしょうね。」

ジルベスト»「…そうなのか…。聞き及ぶ街の雰囲気とは違ったので、かなりの危険を感じだが…そんな指示を出しておったのか。」

ユーリ»「よくある話で、馬車の進路を妨害したとかで斬り殺されでもしたら容赦なく皆殺しでしたね。住民は家から出なかったみたいですが。」

ジルベスト»「…。誰も居なくて助かったのか…。それで、全ての者を捕えてあるのだが、その者達を引渡す事で今回の謝罪としたいのだが。」

ユーリ»「ロズに被害があったワケではないですし、個人的に恩もあります、私は良いのですが他の者が納得しないと思うのですよ。」

ジルベスト»「なにか考えがお有りか?」


なにかと聞かれてもな…。
何も考えて無かったわ。


ゲイル»「発言をお許し願えないでしょうか?」


うわぁゲイルくん、あんま酷い事しないでね?


ユーリ»「許します。」

ゲイル»「有難うございます、今回は未然に防いだ事により被害は御座いませんでしたが、ロズグランデ国へ移籍予定の者も同時に捕えておられるのは意図した事でしょう。理由をお聞かせ願えませんか?」

ジルベスト»「すまぬ、我々では見分けが付かないので全員を拘束させてもらったのだ。」

ゲイル»「エリチャーセ伯爵が軍を起こしているとの情報を得て、その中に我が国の工作員が潜んでいる事はカルバス公爵閣下よりの知らせでご存知だったはず、見分けが付かないからと全員を拘束するのは苦しい言い訳なのでは?」


ちょっと…ゲイルくん?
あんま王様をイジメないであげてくれるかな?


ジルベスト»「申し訳ない、ステリアラにはロズグランデ王の傍に居るような頼れる者が正直に言って居ないのだ、事前に調査が出来ずに出兵が始まってしまって止めるだけで精一杯だったのだ。」


ジルベスト王には信頼できる暗部は居ないのだろうか…。
自分の護衛をしてくれている者の前で頼れる者が居ないと発言するのは良くないのでは?


ゲイル»「ステリアラにはヴァルキュリス隊も居たはずです、なぜ彼等に協力を求めなかったのです?」

ジルベスト»「彼等は既に軍を退役しておって消息が掴めなかったらしい、さらにその者達は自分の将と認めた者の指示しか聞かぬらしく、こちらとの協力は出来ないと判断したのだ。」


違う。彼等は将が居なくても独自で動ける能力が有る。
良くは知らないが、彼等は同朋が誤って拘束されるのを見て見ぬふりはしないだろう。
今回は国軍が相手だったので迂闊に手を出さずロズに任せて黙って見てたんだろうが、彼等を自分の目で良く見てあげて欲しかった。
この人は誰かに頼る事が出来ない人なんじゃないのかな?








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