届かない想い

真條 沙織

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3 裏工作

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セイリッド»「叔父上、ご無理をお願いして申し訳ございません。」

セイビス»「なに、可愛い姪の為だ、無理などではないよ。」

セイリッド»「有難うございます、助かります。」

セイビス»「しかし兄上はミリアが男爵家のリュークへのアプローチを了承したのか?」

セイリッド»「はい、父上はミリアには自由にさせると仰っておりました。」

セイビス»「それなら良いのだが、お前達はそれで良いのか?」

セイリッド»「私とセリアが侯爵家の指示通りに婚姻する代わりに、ミリアだけは自由に選ばせてあげて欲しいとお願いしましたので。我々がお願いする前から自由にさせる気だったようですが。」

セイビス»「そうか、お前達は昔からミリアにはアマいな。では1ヶ月後にパーティーを企画してガルフィードの子倅を呼んでおこう。他の人選はセイリッドとセリアリールで手配するで良いのだな?」

セイリッド»「はい。リューク殿のみ強引にでも招待して頂ければ後は我々で手配します、パーティーの件、よろしくお願いいたします叔父上。」


ミリアネールの知らない所で兄セイリッドが末妹の為に動いている。

姉セリアリールもまた妹の為に動いていた。


貴族令嬢①»「事情は分かりましたわセリアリール様、私達はミリアネール様が失敗しそうになったらフォローすると言う形で宜しいのですね?」

セリアリール»「えぇ、よろしくお願いします。」

貴族令嬢②»「頭を上げて下さいまし、私達に出来る事であればご協力いたしますわ。」

セリアリール»「有難うございます。」

貴族令嬢②»「もしフォローが間に合いそうになかった場合は強硬手段を取りますので、アドマイズ侯爵様に取り成して下さいね?」

セリアリール»「何をする気なのかしら?あまり酷いと私は役に立ちませんよ?(^^;)」

貴族令嬢②»「ドレスを飲み物で汚して連れ去ります。」

セリアリール»「…。それは最終手段でお願いします…。(ーωー)」


などと偽のパーティーを企画し、ミリアネールにリュークと会って話す機会を作ろうとしていた。


セイリッド»「セリア、そっちは大丈夫か?」

セリアリール»「えぇ、招待客には事前に話しを通してあります。お兄様の方は男性客を揃えるのに苦労なさったのでは?」

セイリッド»「友人には弟達も居るからな、そうでも無かったよ。」

セリアリール»「それは良かったですね、男性陣には釘を刺しておいて頂けました?」

セイリッド»「あぁ、ミリアの大事な偽パーティーだと言ったら男共は膝から崩れ落ちていたよ。」

セリアリール»「大丈夫なんですの?」

セイリッド»「ミリアの邪魔はしないさ。」

セリアリール»「そうでしょうね、ミリアをアドマイズ領から出すのはお父様的に気に入らないのでしょうが。」

セイリッド»「父上もミリアの幸せは願っていると思うよ、アドマイズの領民がガルフィード領に移住しない事を願おう。」

セリアリール»「さすがに移住まではしないでしょう。」

セイリッド»「どうだろうな、ミリアの良く分からない自信ありげな提案で仕方なく試してみたら作物が育ったんだからな。」

セリアリール»「5歳で力説してたわね、今すぐ始めないと土地が死んで手遅れになるって。お父様も渋々ミリアの言う事を試したぐらいだし。」

セイリッド»「連作障害とか言ってたか?いろんな作物を順番に植えていく方法、あんなの何処で知ったんだか。」

セリアリール»「ミリアはノーフォーク農法と言っていましたが、そんな人物も地名も存在しませんでしたし、夢で神のお告げが有ったとか言ってましたよね。」

セイリッド»「夢で見ただけで力説するか?5歳で収穫量が少しづつ減っているのを散歩してて解ったんだぞ?領地を救う領主の娘だ、どの領主も欲しがるのは当然の事だが、本人はまったく我関せずで男爵家だとか。」

セリアリール»「ガルフィード家のリューク様がミリアを娶れば陞爵は確実でしょうね。」

セイリッド»「ミリアがガルフィード領内をウロウロしたらだがな。」

セリアリール»「あの領地にリリスを知る者は居ませんので、散歩と称して視察に出ると思いますよ。」

セイリッド»「領民が余計な事を言わなければ、もっと良くなっていただろうな、ウチがミリアの功績で侯爵になったぐらいだからな。」

セリアリール»「さすがに6歳で叙爵は無いですからね。」


ミリアの知らない所でコソコソしている兄と姉。











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