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4 ドレス選び
しおりを挟む姉からドレスを借りたのは良いが、派手すぎない?
あえて明るい色をチョイスしたな?
「リリス…こんな真っ赤なドレス私には合わないよ…。」
「そうですか?素敵だと思うのですけれど?」
「それはドレスの事で私じゃないよね?」
「ミリア様ですよ?赤い生地に金の装飾とかどうです?」
「ゴテゴテしてて嫌だ…。」
「ミリア様はいつも控えめですよね?侯爵家の令嬢なのですから、それなりに品位は必要かと思いますよ?」
「私はお兄様やお姉様とは違うのよ、着飾ったって笑われるだけよ。」
「そんな事ありませんよ、それに、リューク様に見て頂くんでしょ?そんなウジウジしてたら見て頂けませんよ?」
「ぅぅ…。」
「セリアリール様とご自身を比較なさっておいでなのは存じておりますが、ミリア様はミリア様です、そこまで自信を無くされる出来事なんて無かったはずですが。」
「日頃からの積み重ね?」
「何を積み重ねたのか存じませんが、ご自身を蔑むのは私も切なくなりますのでご勘弁ください。」
「ゴメンなさい、イヤになったかな…鬱陶しいよね…。」
「ε- (´ー`*) 私はミリア様以外の方にお仕えする事は絶対に御座いません。」
「まぁ子供の時から一緒に居るし、他へ行ってまた最初からってのも面倒だしね。」
「違いますッッ ε٩(๑>ω<)۶з 私はミリア様がいぃんですッ 他の方だとダメなんですッ 」
「それ私がリリスを連れて帰ったからでしょ?」
「それも有りますが、私はミリア様が好きなんですよ。」
「恋人にはならんぞ?」
「そっちじゃないですってばッッ٩(๑`^´๑)۶」
などと騒ぎながらパーティー用のドレスとアクセサリーを選んでいった。
「ではこのドレスにしましょう。」
「光沢のある橙色って派手じゃない?」
「では黒にします?」
「そんな色のドレスは無いッ」
「ではアクセサリーは赤系と金色で行きましょう、目立ちすぎない飾りつけで。」
「これにするの?」
「全裸で行くのですか?ハレンチな(¬_¬) 」
「行かんわッッ 裸でパーティー行く人どこに居るのよッ (#`Д´)」
「って事でこのドレスにします。」
「あんた私で遊んでるでしょ( ⩌⤚⩌)」
「専属侍女の特権ですね♪」
「そんな特権いらないわよ( ¯-¯ )」
ワイワイ言いながら衣装と装飾品を決めて準備をするミリアとリリス。
実の所ここ数年間、屋敷の敷地から出ていないのでアクセサリーなんて持っていないのだ。
「セリアリール様にアクセサリーもお借りします?」
「それはちょっと…。」
「遠慮してる場合では無いと思うのですが?」
「…手持ちで…なんとか…。」
「髪飾り2点、首飾り1点、指輪2点、(¬_¬)なんとかなります?指輪のサイズ合わないですよね?10歳の時のですし。」
「着飾ればいいってもんじゃないんだよッ( *˙ω˙*)و グッ!」
「今度のパーティーはミリア様にとって大事な催しではないのですか?」
「うッ 借りに行かなきゃダメなのかしら…。」
などとウダウダやっていると、部屋の扉をノックする音がした。
「どうぞ。」
「セリアリール様からこれを届けるように仰せつかりました。」
「有難うございます。」
渡された物は少し大きめな綺麗な箱だった。
「セリアリール様もミリア様がアクセサリーを持っていない事は存じていたようですね。」
「…。そりゃ知ってるでしょ…初めてパーティーに出たのは10歳で、それ以来まったく出てないんだから…。」
姉から宝石箱が届き、また自分との差を見せつけられた気分になった。
実際は妹の事が心配で、遠慮してアクセサリーを借りに来ないだろうと先手を打っただけなのだが、ひねくれミリアには逆に写ってしまっている哀れな姉。
「ミリア様、こんなの有りますよ?」
「なにそれ…?」
「ドレスにアクセントを加える飾り紐ですよ。」
「そんなん付けたらゴテゴテしない?」
「使い方で変わるんじゃないでしょうか?」
「使い方がワカラン。」
あーでもないこーでもないと悪戦苦闘していたら、かなり時間が経っていた。
ミリアはドレスやアクセサリーに興味は無く、リリスもまた侍女1人でのパーティー準備の経験は無い。
困ったリリスはセリアリールのお世話を良く行っている先輩侍女に相談した所、侍女1人で重要なパーティーの準備など無謀だとの答えが返ってきた。
皆が寝静まった頃、先輩侍女達にトルソーを使ってドレスにアクセサリーを施す術を学び、パーティー会場での侍女の役割等を教わった。
アドマイズ家の侍女達はリリスを可愛がっており、自分1人でパーティーの準備をしようとしていた事を侍女長が優しい言葉で諌め、皆を頼れと言ってくれた。
侍女達の協力によりパーティーの準備は進み、リリスもミリアの侍女としての役割を叩き込まれていた。
アドマイズ侯爵家に仕える使用人の中で決まった主が居るのはリリスだけであり、セイリッドやセリアリールどころか父親や母親にも専属の使用人は居ない。
侍女達もパーティー内で主の専属侍女と、そうでない侍女の違いが分からないらしく、とりあえず侍女としてミリアの恥にならないような役割を教える事にした。
そして全ての準備は整った。
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