15 / 21
15 若奥様
しおりを挟むそれから半年、リリスはグロスにイビられ?立派な貴族令嬢?に成長し、セリアリールが結婚、ミリアより先に結婚すると意味不明な発言をしてサクサクと嫁に行ってしまった。
セイリッドも釣られたように結婚し、妻となる人が屋敷にやって来た。
公爵家の令嬢で現王家の血筋、父親は王様の同腹の実兄だとの話しだが、なぜ弟が王様で自分が公爵なのかは知らない。
アンネローザ»「貴女、私にこんな物を付けろと仰るの?」
グロス»「セイリッド様からの贈り物で御座います、身に付けられるのかはアンネローザ様がお決め下さいませ。」
アンネローザ»「受け取っておくわ。」
グロス»「承知致しました。」
セイリッドからの贈り物と聞いて眉がピクリと動いた、ヤバいとでも思ったか?センスねぇなとか思った?
ちょっと、いやソコソコ?いや、割と性格に難ありな人っぽい。
これが押し付け輿入れなのか。
( ・ω・)フムフム。
ミリア»「グロス、ゴメンなさい、皆も不快にさせてしまってゴメンなさい。」
グロス»「ミリアネール様が謝罪する事では御座いませんよ。」
ミリア»「ですが…さすがに先程のは…。」
グロス»「旦那様には報告して御座いますし、使用人達も若奥様が慣れない環境で気が立っているのかも知れませんので気をつけております。」
ミリア»「はい。」
グロス»「ミリアネール様もリリス様もガルフィード家へ参られてもシリカやマイヤに相談し、アンネローザ様の様に周囲に当たったりしないであげて下さいませ。」
ミリア»「はい。」
押し付け輿入れではないのか?
ただ環境に慣れてないだけなのか?
リリス»「お義姉様、私達が出来る事は御座いません。」
ミリア»「うん…。」
それから徐々に侍女達が輿入れや退職で人数が少なくなってきた。
ミリア»「シリカ、侍女達が屋敷を出て行くって、やっぱり…。」
シリカ»「ミリアネール様はお気になさらず。」
ミリア»「でも…。」
マイヤ»「これは雇用主と使用人の戦いですので。」
そんな凄い事になってんの!?
それから数日して、リリスがアンネローザ様に廊下で文句を言われたらしく、マイヤがブチ切れていた。
マイヤ»「あの女ッッ!! 許すまじッッ」
リリス»「あの、マイヤさん、私は大丈夫なので…。」
マイヤ»「主人をバカにされたんですよ!?大丈夫なワケないですッ!!」
リリス»「私に言った言葉でお義父様の事では…。」
マイヤ»「私の主人はリリス様ですッ!!」
リリス»「え、ええええええッ!?」
ミリア»「何を言われたの?」
マイヤ»「薄汚い平民風情が誇り高い貴族に拾われて調子に乗るなと。」
はいキレました。
皆が止める間もなく即座にアンネローザの部屋へ行き、ノックもせずに扉に勢い良く飛び蹴りして開いた。
ミリア»「あんたリリスをイジメたらしいじゃない、この家が気に入らないなら今すぐ帰れッッ!! 」
アンネローザ»「なんですの?」
ミリア»「お前が居るから使用人が辞めて減ってんだよ気付けよ、どうしてくれんだ、あ!?」
アンネローザ»「私が?」
ミリア»「お前は家から厄介払いされてウチが仕方なく拾ってやったんだから静かにしてろや、あんまナメた事してっと売り飛ばすぞクソがッッ!!」
テーブルを蹴りアンネローザにぶつけ、部屋を荒らし回って衣装もビリビリに破いた。
そしてトドメの威嚇台詞。
ミリア»「次なんかやったら屋敷の全員で笑いながらお前を生きたままジワジワと時間たっぷり掛けて庭に埋めてやる、それが嫌なら領民の前に裸で出して遊ばせてから売り飛ばしてやるよ、お前はこの家に邪魔なだけで必要ないッ! もっと日当たりの悪い部屋あるだろ、地下室にでも転がしとけ目障りだ。グロス、この部屋はアンネローザ1人に片付けさせろ、こいつに侍女は必要ない、誰も何もするな、そこのアンネローザに付いてきた侍女は送り返すか解雇しろ。」
グロス»「承知致しましたミリアネール様。」
最後にビリビリの服を引き裂いてアンネローザに投げつけ部屋に戻った。
その場に居た全員、ミリアがキレたらヤバすぎると思った。
それからアンネローザの侍女は返され、本人は部屋から出て来なくなり、公爵が来た。
そして呼ばれた…鬼ヤバス死んだ(滝汗)
公爵»「アーネスト・フォン・バルファスと申す、娘が大変な失礼をしたと聞いた、誠に申し訳ない。」
ミリア»「あ、頭をお上げ下さいませ、ミリアネール・フォン・アドマイズと申します。えと…。」
リリス»「リリス・アドマイズと申します。」
アーネスト»「ミリアネール嬢、リリス嬢、本当に申し訳ない、私が甘やかして育てたのが原因だ、娘を許してやって欲しい。」
おぉ、怒られるんじゃないのか、めっちゃビビってたのに。
ミリア»「私は大切な妹を侮辱されて頭に血が登っただけです、今後この様な事が無ければ私は別に構いません。」
リリス»「私も…です。」
アーネスト»「すまない、寛大な心に感謝する。出来れは生き埋めと売り飛ばすのは勘弁してやって欲しい。」
完全に情報が持ってかれてますょ!?スパイ誰やねん!?あ、返した侍女?潰す。
ミリア»「領主嫡男の正妻として全うして頂ければ何も言いません。」
アーネスト»「しかと言い聞かせる、申し訳なかった。」
公爵が帰った後、ちょっと叱られました。
その後、温厚な怒った事の無いミリアをアンネローザが本気で怒らせたとして屋敷での立場が極限まで弱くなり、侍女もロクに相手にしない状況になった。
ミリア»「お兄様、宜しいのですか?部屋からまったく出て来ないとの事ですが。」
セイリッド»「お前がしたんだろ(笑)かなり怯えていたぞ、もう少し様子を見てみるよ、幸い使用人達も戻って来てくれる者も居たしな。」
ミリア»「そうですか、私が気に入らなければ攻め込みますよ?」
セイリッド»「戦争じゃないんだからね(^^;)」
0
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
【完結】二十五の誓い ― 傷物令嬢の私と銀の騎士 ―
朝日みらい
恋愛
侯爵令嬢リリアナと、執事の息子アレン。
身分違いながら、無邪気に未来を語るふたり。
丘で摘んだ25本の白薔薇を並べ、指切りを交わす。
「25歳になったら、迎えに行く。君を僕の花嫁にする。」
「わたし、そのときまでここで待ってる。薔薇を25本咲かせてね。」
それは、幼い二人の25の誓い、その最初の試練が静かに始まろうとしていたのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる