届かない想い

真條 沙織

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17 続

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結婚式から1ヶ月、ミリアとリリスはガルフィード家で大切に扱われている。


ミリア»「なんか…逆に居心地が良くないというか…腫れ物扱いされてるみたいで…。」

リリス»「…至れり尽くせりが逆に辛いと感じます…。」

マイヤ»「そろそろ普通に接して頂けるように話しておきます。」

ミリア»「この扱い、まさか2人の陰謀じゃないでしょうね?」

シリカ»「陰謀って何ですか(笑)皆さんは侯爵家から嫁いでこられたお2人に、どう接して良いのか解らないだけですよ。」

マイヤ»「珍しい輿入れですからね、ムリもないです。」

シリカ»「侍女さん達はミリアネール様の服を見て泣いていましたよ?気を使わせすぎて申し訳ないとか言って。」

ミリア»「え、そうなの?昔からだって言っといてよ。」

シリカ»「言ってありますよ、リリス様の服の事も。」


第1夫人のミリアより、第2夫人のリリスの方が良い服を着ているので屋敷の者は困惑しているが、元侯爵令嬢が怖くて何も言えないで居るのだ。


マイヤ»「そこは気にしなくて良いのではないでしょうか?その内これが普通なんだと分かってくれますよ。」

リリス»「私もお義姉様と同じ服を着れば良いのではないですか?」

ミリア»「え…。」

マイヤ»「それは逆効果だと思いますよ?更に気を使わせていると思われます。」

シリカ»「ミリアネール様が普通の服の下に超過激なドエロい下着をつけてれば帳尻は合いますよ?」

ミリア»「そんなの持ってませんッ!」

シリカ»「じゃノーブラノーパンで( *˙ω˙*)و グッ!」

ミリア»「ただの変態じゃない…。」

マイヤ»「リリス様には赤い皮の下着をご用意して御座いますよ?」

リリス»「∑(O▽O;)えッ!?」

マイヤ»「第1夫人なんぞに負けない為にリリス様の艶かしいエロ可愛さを爆発させて下さいね♪」

ミリア»「なんぞにって…私達を競わせて遊ぼうとしてない?」

リリス»「艶かしいエロ可愛さ?」

マイヤ»「リリス様は可愛いですので、甘えながら腰を降って下さいね?」

ミリア»「こらぁッ リリスに変な事を教えないでよッ」

シリカ»「あらミリアネール様、ミリアネール様は綺麗系ですので、大人の色気で悩殺してみては?」


などと侍女に遊ばれている2人。


ミリア»「そんな変な話しより、リューク様のお手伝いです。」

マイヤ»「リリス様は書類の整理が早いですが、お2人とも同じ事してもね?」

ミリア»「役立たずサーセン…。」

シリカ»「街でも見に行ってみますか?領民の暮らしぶりを知っておくのも何かの役に立つかもですよ?」

ミリア»「…。」

シリカ»「ムリにとは申しません。ただ、お2方の旦那様の為になる事が有るかも知れないと思っただけです。」

マイヤ»「ミリアネール様。」


マイヤが真剣な顔で見ている。


ミリア»「はい。」

マイヤ»「私は、ミリアネール様は街に出るべきだと思います。」

ミリア»「…。」

マイヤ»「アドマイズ領を散歩していた時のミリアネール様は、とても素敵な笑顔でした、ある事があってから街に出掛けるのがお辛いのでしょうが、私はミリアネール様が領地を散歩している姿が好きでした、店で買い物をしたり、住民と触れ合ったり、道端の草花を鑑賞したりされる姿が好きでした、また行きませんか?」


小さい頃に街を散歩する時、侍女が交代で付き添ってくれていた。
思い返してみると、マイヤの付き添いが多かったような気がする。
あれはマイヤがアドマイズ家へ来て日が浅く、屋敷内の事が出来ないから外に出されてたんだと思っていた。


ミリア»「…えぇ、そのうちに…。」

マイヤ»「はぃ…。」

リリス»「では明日に行きましょう。」

ミリア»「えッ!?」

リリス»「お義姉様は私の事があってお屋敷から出なくなりました、お義姉様の楽しみを奪ってしまって申し訳ございません。」

ミリア»「リリス…。いえ、リリスの事があったからではないのよ?」

リリス»「お屋敷の皆様から伺いました、お義姉様は私の為に皆へ謝罪をしたと。その時に私の事を言われて外出されなくなったと。」

ミリア»「…確かに…その事が切っ掛けであるのは否定しないわ、でもね、リリスの事を言われたからってだけで街に出なくなったんじゃないのよ。」

シリカ»「他に何か御座いましたか?」

ミリア»「私の心の狭さが原因なのよ。」

マイヤ»「どういう事でしょう?」

ミリア»「あの時、領民の皆にいろいろ言われた私は、全ての領民を切り捨てたのよ、気持ちが伝わらないなら、もぅいいって。1人の子供に手も差し伸べられない冷たい人達には、もう関わらないって。」

リリス»「気になっていて、ずっと聞いてみたかった事があるのですが、なぜお義姉様は、そこまでして私を庇ったのですか?」

ミリア»「子供が1人で生きていくって、想像より遥かに過酷だと思うのよ、働くにも当時6歳で仕事なんて見つからないかも知れない、頼る人も居ない、アドマイズ領に孤児院的な施設は無い、親の居ない子が居なかったのかも知れないけど、6歳の私には作れなかった。
リリスが1人で居る事を知っていて尚、誰も何もしなかった、そんな人達に私は何も思わなくなったの、自分勝手な考えだけど、私は領民を見限ったのよ。」

マイヤ»「そうだったのですか…そんな事を考えてらっしゃったのですね…。」

ミリア»「私もリリスが居る事は知ってたけど、堅苦しい領主の屋敷に連れて行くより、出来れば街で居させたかったの。
リリスを連れて帰ると問題もあったしね。」

リリス»「問題とは?」

ミリア»「リリスと同じ状況の子が居た場合、他の子は屋敷に連れて帰らないのか?ってなるよね。」

シリカ»「さすがにムリですね。」

マイヤ»「6歳でそこまで考えてたのですね。」

ミリア»「だからリリスがどうとかじゃないのよ、私が嫌になっただけなの。ゴメンね。」

シリカ»「ではエロい下着を街に買いにいきましょう。」

ミリア»「なんでそうなる~ッッ!!そんなん買ったらリューク様が変態みたいに見えるでしょうがッ!」

シリカ»「変態なのは嫁って事にしておきましょうか♪」

ミリア»「なんで嬉しそうなのよ?しないからね。」








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