届かない想い

真條 沙織

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18 街へお出かけとクッキング

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妙な話しから次の日。
ミリアがリリス達に羽交い締めされて街へ出掛けた。


ミリア»「なんで手を繋いでんのよ?逃げないから…。」

リリス»「私が繋ぎたいのですよ、お義姉様。」


これ違うな、リリスが不安なんだ。
リリスも私の側に居て屋敷から出なかったから、街に出るのが不安なんだ。


ミリア»「この街に昔の私達を知る人は居ないわよ。」

リリス»「はい。」

マイヤ»「街と言うより、大きめな村って感じですね。」


街の人と話しをしたり、店に入って品物をみたりした。


シリカ»「お二方の事は街の皆が知ってますので、身構えてるのか固い感じがありますね。」

マイヤ»「ムリも無いです、ヘタな発言をしたら不敬罪で処分なんて事を考えてるのでしょう。」

ミリア»「そんな頭の悪いのが嫁いで来たと思われてるの?」

マイヤ»「ご実家は侯爵家ですからね、普通は街にフラフラ出歩きません。」

ミリア»「じゃ連れ出すな(笑)」

マイヤ»「これもお仕事です。」

ミリア»「私に何させたいのよ?」

マイヤ»「街の様子を見て感じたまま行動して下さいませ。」

リリス»「あれは何ですかね?」

ミリア»「あれは畑と違った育て方をする農地だよ。」

リリス»「水の中に草?」

ミリア»「あれは米だよ。」

リリス»「あまり食べませんね。」

ミリア»「調理法は食べやすくリゾット系しか無いからね。」

マイヤ»「他に食べ方が有るのですか?」

ミリア»「この米だとリゾット系にしないと固くて食べられないかも?洗ってスグ使ってるだろうからね。」

マイヤ»「洗ってスグ使わないと何か変わるのですか?」

ミリア»「しばらく水に漬けとくと、炊いた時に少し柔らかくなるはずなんだよ。」


この米は多分、品種改良された日本の米じゃないから、普通に炊いて食べたらタイ米より固くて美味しくないはず。

それと川に近い場所を選んでるのだろうけど、水路が細くて農地を広げられないのでは?

いろいろ改良点は有るけど、お金と時間と人が必要だ。

街を見て回り、店のオバサンと話しをしたり、そこそこ楽しい時間を過ごした。


ミリア»「そろそろ戻ろうか。」

シリカ»「何か美味しい物でも作っていただけるのですか?」

ミリア»「え?屋敷に料理人さん居るじゃない、変な事して嫌われたくないわよ。」

シリカ»「残念です(・д・)チッ」

リリス»「露骨ですね(笑)」

シリカ»「米の使った料理を期待したんですけどね。」

ミリア»「お腹すいたの?」

マイヤ»「腹ペコです。」

リリス»「マイヤさん(^^;)」

ミリア»「少し厨房を借りてみる?」

マイヤ»「早く帰りましょう。」

ミリア»「マイヤ達が連れ出したんじゃないの(笑)」


屋敷に戻り、米を使った料理をと言われたが、簡単で見た事の無い物と言えばチャーハン?
固い米でも食べられるんじゃないだろうか?

厨房へ行き、料理長さんにお願いし、夕食後に厨房を使わせてもらう事になった。


シリカ»「すぐ作るんじゃないんですね?」

ミリア»「すぐ作ったらリゾットだよ?米を水に浸しとかなきゃだから。」


リリスが厨房に置いてある肉の塊を見てる。何?


リリス»「お肉って、骨ごと買うんですね?」

マイヤ»「ガルフィード領では、その様です。」

ミリア»「料理長さん、クズ肉があったら置いといてもらえますか?」

料理長»「クズ肉ですか?こんなのです?」

ミリア»「はい、骨に残ってるのも置いといて下さい、削ぎ落として使いますので。」

料理長»「わかりました。」


あまり多くないかもだがチャーハンの具に使えるだろう。


で。夕食後になりました。


ミリア»「厨房をお借りしますね?」

料理長»「どうぞ、クズ肉は取ってありますので。」

ミリア»「骨の肉を削ぎ落として下さったんですね、有難うございます。」

料理長»「見てて良いでしょうか?」

ミリア»「はい、それは構いませんが、別に厨房を破壊したり危険な事はしませんよ?」

料理長»「いえいえ、上級貴族様が料理を作るって、どんななのかと思いまして。」

ミリア»「皆さんは、私達が侯爵家から来た者だから気を使っているのだと思いますが、私もリリスも皆さんと変わりませんよ?」


料理長さんと話しをしながらクズ肉で小さいミートボールを作る。
ハンバーグでも良いのだが、クズ肉が少ないので、小さいハンバーグになってしまうのだ。
侍女さん達が交代で食事を取りに来て、厨房に私達が居るのを見て固まってる(笑)


ミリア»「気にせず食事を取って下さいね?」

料理長»「侯爵令嬢様が同時にお2人もリューク様に嫁いで来られたので、どんな方なのかと思ってましたが、お話の出来る方で安心しました。」

ミリア»「私は普通の貴族令嬢とは違うと思いますよ、あんな堅苦しいの好きじゃないですし。」

シリカ»「確かに変な人ですね。」

ミリア»「ちょっと(^^;)」

マイヤ»「実家から厄介払いで来たと思われてるでしょうね。」

ミリア»「実際ちょっと気にしてるから言わないで?(╥﹏╥)」

マイヤ»「ミリアネール様とリリス様は違いますよ?特にミリアネール様は好きな人に嫁げたのですから。」

ミリア»「‎( ⊙⊙)ちょッ!!(焦)」


で。話しをしてたら出来た。

夕食のスープの残りを貰って、少し味を足してミートボールを入れた物と、チャーハンっぽい物。


ミリア»「美味しいか分からないよ?料理長さんも食べてみます?」

料理長»「頂いて宜しいので?」

ミリア»「素人の作った物ですので、期待はナシでお願いします┏○ペコッ」


チャーハンっぽい物は多めに作ったので侍女さん達も少しずつだが食べられるだろう。

みんな無言で食べてる…。
料理長さん、なんか止まったよ?


ミリア»「あ…あの、ムリして食べないでね?(^^;)」

マイヤ»「焼いた米って美味しいですね。」

シリカ»「この肉の塊、美味しいですよ?」

料理長»「クズ肉を使った料理は良いですね、いつも捨ててたんで。スープの味も変わってて美味しいです。米も焼いたら美味しいんですね?」

ミリア»「スープは少しだけ辛味を入れただけですよ。焼いた米は、もう少し調味料の種類が有れば、また違った味になると思います。」


で、自分も食べてみた。

あんまり美味しくない(笑)







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