届かない想い

真條 沙織

文字の大きさ
19 / 21

19 資金調達?

しおりを挟む

ガルフィード領の地図を広げて睨み倒している。
広い領地では無いので睨む程の事でもないのだが。


シリカ»「ずっと朝から地図を見てますが、何をお考えなのです?」

ミリア»「水路が狭いと感じたのよ、あれは土地の関係で仕方なくなのか、それとも当時の急拵えを今も変わらず使ってるのか…とか考えてるのよ。」

シリカ»「あれは急拵えの水路なのですか?」

ミリア»「多分、人が生活するのに急いで作った水の流れる溝なんじゃないかな?あの水路じゃ旱(ひでり)の時に農地は全滅する。川が生命線の農地で、川に異変が有れば農地だけじゃなく領民にも影響が出る。」

シリカ»「川に異変ですか?」

ミリア»「極端な話、川に水が流れなくなったら作物は枯れるし、領民は生活が出来なくなる。」

マイヤ»「なんか壮大な事を考えてますね。」

リリス»「ちょっと街に行っただけなのに…。」

ミリア»「あんな狭い水路で農地全体に水を送ってるのに、違和感は無かったの?」

リリス»「まったく分かりませんでした。」

シリカ»「何をするのですか?」

ミリア»「水路を太くして、街に堀を作って水を溜める。」

マイヤ»「そんな資金、ガルフィード家に有るんですか?」

ミリア»「無い(キッパリ)」

マイヤ»「では領民を使って作らせるのですか?自分達の為とか言って。」

ミリア»「それ、私スゴく嫌われるのでは?」

マイヤ»「多分。」

ミリア»「資金調達からだね…。」

シリカ»「アドマイズ家から援助してもらいます?」

ミリア»「いえ、まず自分で出来るか試してからで。」

シリカ»「ミリアネール様が掘るのですか?」

ミリア»「死ぬわ(笑)何十年かかるのよ(笑)完成する前に私が老死するわ(笑)小麦粉あったよね、あれで何か作って売る?」

シリカ»「食べ物を売るのですか?」

ミリア»「他に思い付かない、何かある?」

リリス»「まったく分かりません。」

マイヤ»「小麦粉で何を作るのです?」

ミリア»「ちょっと厨房を襲撃しようか?(ᯣᴗᯣ)」


そして厨房を乗っ取り小麦粉でウドンを作ってみた。


マイヤ»「何ですかコレ?」

ミリア»「食べ物?」

マイヤ»「小麦粉ですから食べられるでしょうけど(笑)」


うどんスープを作るのが難しいのですよ…。
試行錯誤の上、完成したのは焼うどん(笑)


ミリア»「なんか、みんなビビってない?大丈夫だよ?食べれるから(笑)」

シリカ»「ミリアネール様は食べないのですか?」

ミリア»「私は味見で食べたじゃない?」

シリカ»「…食べてましたね…。」


みんな顔が暗いが、リリスが最初に食べて、何も言わずにムグムグ食べてる。


マイヤ»「リリス様、大丈夫ですか?」

リリス»「お義姉様、これ美味しいですね、売れるかも知れませんね?」


シリカとマイヤがリリスを見て生ツバ呑み込んだぞ(笑)


ミリア»「料理長さんも食べてみます?」

料理長»「では…。」


侍女さん達も来て、皆で焼うどん試食会になった。


シリカ»「お店を出すにも資金が無いですし、1品だけってのもね…。」


確かに…。
厨房を見回して卵を見つけた。


ミリア»「卵…卵麺?ラーメン?いや、この土地では採算が取り辛い?」

マイヤ»「らめん?」

ミリア»「いえ、砂糖は有りますか?」

料理長»「はい。」

ミリア»「砂糖って高いのでは?」

料理長»「そうですね、びっくりする値段では無いですが、街の人でも買えなくは無いですかね?」


砂糖は買えないほどに高くはないのか?砂糖が有ればドーナツ作れるんじゃない?

で、作ってみましたドーナツ。
また皆さん見た事ない食べ物にビビってます(笑)
最初に食べてみました。


ミリア»「あ、イケる♡リリス食べてみて?さっきと違って甘いからね?」


リリスがドーナツを食べて、両手でドーナツ掴んだ(笑)


ミリア»「気に入った?(笑)」


リリスが無言でハムスターみたいになってドーナツ食べてます(笑)


シリカ»「私も食べて良いですか?」

ミリア»「リリスに食べ尽くされる前に、みんなで食べてみて(笑)」


試しに作っただけなので、そんなに数は無い。


マイヤ»「ちょッ リリス様、食べ過ぎですよッ」

シリカ»「(# ー̀дー́ )ガルルッ!」

マイヤ»「イヌかアンタはッッ」


押し合いで食べてますよ?
追加で作っとかないと戦争になりそう(笑)


マイヤ»「リリス様とシリカに殆ど食べられた…‎( ꒪⌓꒪)チーン」

ミリア»「(笑)マイヤのそんな顔、初めて見たわ。」

マイヤ»「(╥﹏╥)」


甘い菓子は普通に有るが、高級品だし甘すぎてハムスターみたいに頬を膨らませて食べられないのだ。


ミリア»「美味しかったかな?」

シリカ»「おかわり♡」

マイヤ»「あんた食べすぎ٩(๑`^´๑)۶」

シリカ»「戦場では強い者が勝ち残る(  ー̀֊ー́)و」

ミリア»「また作ってるから、マイヤ食べて(笑)」

リリス»「∑(O_O;)マイヤさんだけですか!?」

ミリア»「リリスとシリカは食べすぎ、侍女さん達にも食べてほしいんだけど?」


そして侍女さん達を呼んで試食会。
かなり好評でした(*^^*)


料理長»「作り方は見てたので俺も作れると思うぞ?」


そんな事を言ってしまったら、侍女さん達にドーナツ作らされますよ?


侍女達»「( ☆∀☆)♡」


ほら囲まれた(笑)


マイヤ»「これを売るのですか?」

ミリア»「かなり売らないと纏まった資金にはならないでしょうね。」

料理長»「資金調達ですか?」

ミリア»「はい、領地に堀を作ろうと思っているのですが、資金が無くて。」

料理長»「なるほど、そうなると、かなりの資金が必要ですね。」

ミリア»「こんなコストの高い菓子では堀を作る資金は厳しいですね。」

料理長»「菓子工房にレシピを売ってみるって、どうです?」

ミリア»「チマチマ稼ぐより纏まった金額が入る。って事ですね。」

シリカ»「売ってしまったら、もう作れないのでは?」

ミリア»「レシピを売るだけだから普通に作っても大丈夫のハズよ?」


侍女さん全員ホッとした顔ですよ(笑)


リリス»「いろんな物を作ってレシピを売りまくる作戦ですか?」

ミリア»「そんなボコボコ作れないよ(笑)」

侍女①»「とりあえずクラップさんはコレ毎日100個作ってね。」

料理長»「Σ(゚д゚;)ぇッ!?」


料理長さん、クラップって名前なのか、初めて知りました(笑)


侍女②»「作れるんでしょ?」

料理長»「いや俺は食事の支度しなきゃだから、そんなに作れないよ。」

侍女③»「私の為に作りなさいよ。」

料理長»「なんで仁王立ちなんだ(笑)お前は俺の嫁か(笑)」

侍女③»「なに?嫁になって欲しいの?」

料理長»「俺もっと優しくて綺麗なナイスバデーの女性がいぃです┏○ペコッ」

侍女③»「張っ倒す(ꐦ°д°)‪و‬」


話し合いの結果、侍女さんが料理長さんに作り方を教わり、交代でドーナツを作る事になった。

ドーナツ係、サボったら命に関わる重要な任務である。

通常業務をサボってでもドーナツ作りそうだな(笑)








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

記憶を無くした、悪役令嬢マリーの奇跡の愛

三色団子
恋愛
豪奢な天蓋付きベッドの中だった。薬品の匂いと、微かに薔薇の香りが混ざり合う、慣れない空間。 ​「……ここは?」 ​か細く漏れた声は、まるで他人のもののようだった。喉が渇いてたまらない。 ​顔を上げようとすると、ずきりとした痛みが後頭部を襲い、思わず呻く。その拍子に、自分の指先に視線が落ちた。驚くほどきめ細やかで、手入れの行き届いた指。まるで象牙細工のように完璧だが、酷く見覚えがない。 ​私は一体、誰なのだろう?

なくなって気付く愛

戒月冷音
恋愛
生まれて死ぬまで…意味があるのかしら?

【完結】二十五の誓い ― 傷物令嬢の私と銀の騎士 ―

朝日みらい
恋愛
侯爵令嬢リリアナと、執事の息子アレン。 身分違いながら、無邪気に未来を語るふたり。 丘で摘んだ25本の白薔薇を並べ、指切りを交わす。 「25歳になったら、迎えに行く。君を僕の花嫁にする。」 「わたし、そのときまでここで待ってる。薔薇を25本咲かせてね。」 それは、幼い二人の25の誓い、その最初の試練が静かに始まろうとしていたのです。

悪役令嬢短編集

由香
恋愛
更新週3投稿の午後10時。(月・水・金) 12/24 一時更新停止 悪役令嬢をテーマにした短編集です。 それぞれ一話完結。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

処理中です...