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19 資金調達?
しおりを挟むガルフィード領の地図を広げて睨み倒している。
広い領地では無いので睨む程の事でもないのだが。
シリカ»「ずっと朝から地図を見てますが、何をお考えなのです?」
ミリア»「水路が狭いと感じたのよ、あれは土地の関係で仕方なくなのか、それとも当時の急拵えを今も変わらず使ってるのか…とか考えてるのよ。」
シリカ»「あれは急拵えの水路なのですか?」
ミリア»「多分、人が生活するのに急いで作った水の流れる溝なんじゃないかな?あの水路じゃ旱(ひでり)の時に農地は全滅する。川が生命線の農地で、川に異変が有れば農地だけじゃなく領民にも影響が出る。」
シリカ»「川に異変ですか?」
ミリア»「極端な話、川に水が流れなくなったら作物は枯れるし、領民は生活が出来なくなる。」
マイヤ»「なんか壮大な事を考えてますね。」
リリス»「ちょっと街に行っただけなのに…。」
ミリア»「あんな狭い水路で農地全体に水を送ってるのに、違和感は無かったの?」
リリス»「まったく分かりませんでした。」
シリカ»「何をするのですか?」
ミリア»「水路を太くして、街に堀を作って水を溜める。」
マイヤ»「そんな資金、ガルフィード家に有るんですか?」
ミリア»「無い(キッパリ)」
マイヤ»「では領民を使って作らせるのですか?自分達の為とか言って。」
ミリア»「それ、私スゴく嫌われるのでは?」
マイヤ»「多分。」
ミリア»「資金調達からだね…。」
シリカ»「アドマイズ家から援助してもらいます?」
ミリア»「いえ、まず自分で出来るか試してからで。」
シリカ»「ミリアネール様が掘るのですか?」
ミリア»「死ぬわ(笑)何十年かかるのよ(笑)完成する前に私が老死するわ(笑)小麦粉あったよね、あれで何か作って売る?」
シリカ»「食べ物を売るのですか?」
ミリア»「他に思い付かない、何かある?」
リリス»「まったく分かりません。」
マイヤ»「小麦粉で何を作るのです?」
ミリア»「ちょっと厨房を襲撃しようか?(ᯣᴗᯣ)」
そして厨房を乗っ取り小麦粉でウドンを作ってみた。
マイヤ»「何ですかコレ?」
ミリア»「食べ物?」
マイヤ»「小麦粉ですから食べられるでしょうけど(笑)」
うどんスープを作るのが難しいのですよ…。
試行錯誤の上、完成したのは焼うどん(笑)
ミリア»「なんか、みんなビビってない?大丈夫だよ?食べれるから(笑)」
シリカ»「ミリアネール様は食べないのですか?」
ミリア»「私は味見で食べたじゃない?」
シリカ»「…食べてましたね…。」
みんな顔が暗いが、リリスが最初に食べて、何も言わずにムグムグ食べてる。
マイヤ»「リリス様、大丈夫ですか?」
リリス»「お義姉様、これ美味しいですね、売れるかも知れませんね?」
シリカとマイヤがリリスを見て生ツバ呑み込んだぞ(笑)
ミリア»「料理長さんも食べてみます?」
料理長»「では…。」
侍女さん達も来て、皆で焼うどん試食会になった。
シリカ»「お店を出すにも資金が無いですし、1品だけってのもね…。」
確かに…。
厨房を見回して卵を見つけた。
ミリア»「卵…卵麺?ラーメン?いや、この土地では採算が取り辛い?」
マイヤ»「らめん?」
ミリア»「いえ、砂糖は有りますか?」
料理長»「はい。」
ミリア»「砂糖って高いのでは?」
料理長»「そうですね、びっくりする値段では無いですが、街の人でも買えなくは無いですかね?」
砂糖は買えないほどに高くはないのか?砂糖が有ればドーナツ作れるんじゃない?
で、作ってみましたドーナツ。
また皆さん見た事ない食べ物にビビってます(笑)
最初に食べてみました。
ミリア»「あ、イケる♡リリス食べてみて?さっきと違って甘いからね?」
リリスがドーナツを食べて、両手でドーナツ掴んだ(笑)
ミリア»「気に入った?(笑)」
リリスが無言でハムスターみたいになってドーナツ食べてます(笑)
シリカ»「私も食べて良いですか?」
ミリア»「リリスに食べ尽くされる前に、みんなで食べてみて(笑)」
試しに作っただけなので、そんなに数は無い。
マイヤ»「ちょッ リリス様、食べ過ぎですよッ」
シリカ»「(# ー̀дー́ )ガルルッ!」
マイヤ»「イヌかアンタはッッ」
押し合いで食べてますよ?
追加で作っとかないと戦争になりそう(笑)
マイヤ»「リリス様とシリカに殆ど食べられた…( ꒪⌓꒪)チーン」
ミリア»「(笑)マイヤのそんな顔、初めて見たわ。」
マイヤ»「(╥﹏╥)」
甘い菓子は普通に有るが、高級品だし甘すぎてハムスターみたいに頬を膨らませて食べられないのだ。
ミリア»「美味しかったかな?」
シリカ»「おかわり♡」
マイヤ»「あんた食べすぎ٩(๑`^´๑)۶」
シリカ»「戦場では強い者が勝ち残る( ー̀֊ー́)و」
ミリア»「また作ってるから、マイヤ食べて(笑)」
リリス»「∑(O_O;)マイヤさんだけですか!?」
ミリア»「リリスとシリカは食べすぎ、侍女さん達にも食べてほしいんだけど?」
そして侍女さん達を呼んで試食会。
かなり好評でした(*^^*)
料理長»「作り方は見てたので俺も作れると思うぞ?」
そんな事を言ってしまったら、侍女さん達にドーナツ作らされますよ?
侍女達»「( ☆∀☆)♡」
ほら囲まれた(笑)
マイヤ»「これを売るのですか?」
ミリア»「かなり売らないと纏まった資金にはならないでしょうね。」
料理長»「資金調達ですか?」
ミリア»「はい、領地に堀を作ろうと思っているのですが、資金が無くて。」
料理長»「なるほど、そうなると、かなりの資金が必要ですね。」
ミリア»「こんなコストの高い菓子では堀を作る資金は厳しいですね。」
料理長»「菓子工房にレシピを売ってみるって、どうです?」
ミリア»「チマチマ稼ぐより纏まった金額が入る。って事ですね。」
シリカ»「売ってしまったら、もう作れないのでは?」
ミリア»「レシピを売るだけだから普通に作っても大丈夫のハズよ?」
侍女さん全員ホッとした顔ですよ(笑)
リリス»「いろんな物を作ってレシピを売りまくる作戦ですか?」
ミリア»「そんなボコボコ作れないよ(笑)」
侍女①»「とりあえずクラップさんはコレ毎日100個作ってね。」
料理長»「Σ(゚д゚;)ぇッ!?」
料理長さん、クラップって名前なのか、初めて知りました(笑)
侍女②»「作れるんでしょ?」
料理長»「いや俺は食事の支度しなきゃだから、そんなに作れないよ。」
侍女③»「私の為に作りなさいよ。」
料理長»「なんで仁王立ちなんだ(笑)お前は俺の嫁か(笑)」
侍女③»「なに?嫁になって欲しいの?」
料理長»「俺もっと優しくて綺麗なナイスバデーの女性がいぃです┏○ペコッ」
侍女③»「張っ倒す(ꐦ°д°)و」
話し合いの結果、侍女さんが料理長さんに作り方を教わり、交代でドーナツを作る事になった。
ドーナツ係、サボったら命に関わる重要な任務である。
通常業務をサボってでもドーナツ作りそうだな(笑)
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