届かない想い

真條 沙織

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21 視察

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護衛が6人で多いと思ったのに20人て…。


ミリア»「護衛を有難うございます、街の中では皆さん物々しく感じるかも知れませんので、街を出てからでお願い出来ますか?」

兵士»「街の中で護衛は必要ないのですか?」

ミリア»「街の皆さん、危険な方達なのでしょうか?」

兵士»「いえ、そんな事は御座いません。」

ミリア»「では申し訳ないのですが、街の外で待機していてもらって良いでしょうか?」

兵士»「了解しました。」


兵士達が街の外へ向かうのを見て、少し溜め息が出てしまった。


リリス»「街の皆さんを怖がらせない為ですか?」

ミリア»「それもあるけど、ただでさえ会話だけで身構えてるのに、兵士ゾロゾロ連れてたら完全に悪い印象を与えるでしょ?」

リリス»「そうですね、お義姉様いろいろ考えてて凄いです。」

ミリア»「夫を第1に考えていれば良いのよ。」

リリス»「リューク様ですか?」

ミリア»「次期領主の妻が領民を威圧してたら、どうなの?」

シリカ»「そこまで気にするんですか?」

ミリア»「リューク様が領主になって、領民と何か始めようとした時、私が壁になりたくないのよ、私のせいで領民の協力が少ないのは申し訳ないもの。」

シリカ»「どんだけ旦那様の事が好きなんですか、寒いわぁ~。」

ミリア»「寒いって何よッ(笑)」

マイヤ»「そろそろ出発しましょう。」

ミリア»「マイヤって、ちょいちょい冷静よね?」

マイヤ»「私は常にクールビューティです。」

リリス»「( °-°)え?」


数秒、妙な間があったのだが、いつもの事なので気にする事なく馬車に乗り未開拓地の視察へ向かった。


シリカ»「馬車が珍しいワケではないはずなのですが、凄い見て来ますね…。」

ミリア»「今は私達を警戒してるでしょうから、出来るだけ領民への配慮に気を使ってね?」

シリカ»「気にしすぎなのでは?」

ミリア»「アンネローザが屋敷の中と同じ態度を街でしてたら?」

マイヤ»「袋叩きにしてやります。」

ミリア»「嫌ってるなぁ( ̄▽ ̄;)極端な例だけど、領主の妻があの状態で、領民は領主に心良く協力なんてしないよね?」

マイヤ»「まぁ、はい。」

シリカ»「ミリアネール様、ほんとに14歳なんですか?( ㅍ_ㅍ)30歳ぐらいサバよんでません?」

ミリア»「私は34歳か?シリカとマイヤは私が小さい時から居たでしょ。」

シリカ»「計算が間違ってます。30+14=420です」

マイヤ»「掛算で寒いボケしないの、420歳って長生きレベル超えてるじゃない。44です(   ¯-¯ )」

ミリア»「予想通りの返しありがとう(´▽`)」

リリス»「レベルが高いのか低いのか分からない会話です…。」

マイヤ»「私達はミリアネール様が5歳の時に来ましたね、シリカのが少し早かったですが。」

シリカ»「先輩と呼びなさい。」

マイヤ»「はい大先輩。」

シリカ»「(  ¯﹀¯  )ムフ~」

ミリア»「大先輩って、グロス級の人の事なんじゃない?」

シリカ»「‎( ⊙⊙)!! クソババァだとぉッ!?」

ミリア»「誰もそんなの言ってない(笑)」

リリス»「メイド長に正座させられますよ?私はシリカさんとマイヤさんに正座させられましたが。2時間ほど(ーωー)」


とかやってたら未開拓地に着いた。

まさに森。
どこまでがガルフィードの領地なのか分からない。


ミリア»「どこまでが領地なのか分かります?」

護衛»「ここから1000mほど行ったあたりに領地の境界線を示す杭が打ち込まれてあります。」

ミリア»「杭を打っていると言う事は、以前に隣接領とモメたのですか?」

護衛»「いえ、隣はバスロー子爵様の管理する、アズラード伯爵様の領地ですので、モメ事の無いようにと。」


アズラード?バスロー?知らん(笑)

隣は子爵が管理してる伯爵領なのか。

ガルフィード家は男爵ながらも国から領地を賜っている。
男爵は独自で領地を持っている者が少ないので、他の貴族に疎まれるのだろうか?

法衣貴族の方が楽なんじゃないか?と思ってしまうが、それは言わない方がいぃだろう。

しかし1000mか…。
切り拓くには時間がかかるし、隣と共同するのも面倒だろう。
場所が使えそうになったら難癖つけて権利を主張して来そうな気がする。


ミリア»「森に入る事は可能ですか?」

護衛»「入る事は可能ですが、道が無いので歩くのは皆様には厳しいのでは?」

ミリア»「ちょっと行ってくるから、ここで待ってて。」

リリス»「お1人で行くのですか?」

ミリア»「皆で行くと移動に時間がかかるし、怪我するかもでしょ?」

シリカ»「それはミリアネール様も同じです。」

ミリア»「道が無いって事は、誰も森に入ってないって事、足場が悪い可能性が有る、待ってなさい。」


護衛を1人だけ連れて森へ入って境界線まで行ってみた。


ミリア»「この境界線から斜面の勾配が少しずつキツくなるんですね。」

護衛»「はい、ここまでは緩い登り坂ですが、ここからは本格的な山になりますね。」


人の手が入ってない山…。
もし自領の木を全て切り倒してしまったら、大きな土砂崩れ等の自然災害が有った場合に障害物が無くて大変な事になるのでは?

この柔らかい地面や緩い斜面は、何度もの土砂崩れの後なのかも知れない。

打ち込んでいる杭が短すぎる?
これは土砂で埋まったのではないのかな?
本来なら、見てスグに分かるように杭を打つと思う。
地面から約20cm程度しか無い。


ミリア»「戻ります。」


馬車に戻って地図を見たが、地図だけでは山の状態は解らない。








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