7 / 94
7話
しおりを挟む
向こうの時間に合わせ夜の8時に起きる。
前回よりも大量の荷物があるが、今回は教えてもらったマジックバッグを持って来ていたため
かなり運ぶことができた
(これ重さなしで持てるんだ、現代で運送業やればかなり儲かるんじゃないかな、3万円程度でトラック1台と考えたらかなりいいな)
現代の道具を向こうに持ち込んで販売するだけではいずれ日本円が底をつく、向こうの商品でこちらで利益を上げられるものも探していかないと
倉庫の中から向こうに行くのだが、暗い中歩いて行くため、足をぶつけながら進んでいく
(一度ここ整理しないと体が傷だらけになるな、ポーションでも使えれば問題ないのだろうがまだどうやって手に入れるか知らない)
夜から朝にいきなり変わり、眩しさの余り目が眩む、時差ぼけも辛い
いちいち寝るためだけに帰るの面倒だ。こちらで生活基盤を作らねば
(やっと異世界探索だ)
決意を新たにお店から外に飛び出した、まあ普通にドアから歩いて出て行っただけだが
探索と言っても散歩に毛が生えた程度のことしかできない、何しろ現地通貨がないのだから
(買取できるお店でも探してまずは通貨獲得だな)
今回用意した商品と前回持ってきた商品、砂糖と塩も含めてだが全部バッグに入れた
町中をふらふらと歩いていると声を掛けられた、薄汚れた皮の服を着た中年男性だ
「兄ちゃん、ずいぶんと変わった格好しているが、どこから来たんだ?ここら辺じゃ見ない服だな」
お店から外を見ている時に服装に関しては確かに違和感があった、こちらでは全体的に生地は
皮か麻とかで、一言で表すと”茶色”だ、俺が身に着けているのは上下黒のジャージ、つまり綿だ
「祖母の遺品整理でちょっと遠くから来たんだ、もうお店は閉めてるが、あそこにあるお店やってた人知ってるか?」
歩いて来た方を見て、祖母の店を指差した。
「ああおばあさんがやってた”こんびに”か俺も何度か行ったことがあるけど、毎日やってなかったみたいで開いてる時はラッキーって思って買ったけど、ここ数年開いてるのは見たことなかったな、知らなかったが亡くなってたんだな、お気の毒様」
こちらとあちらとの二重生活じゃ毎日お店開くのには無理があったのだろう、こんびにって名前の割に不定期でやってたらしい、身内にばれてないってことは慎重にしてたのだろな
「わざわざ済まない、亡くなったのは3年も前だ、気にする必要はない、今度は俺が店を引き継ごうと今準備しているところだ、こんな時に相談に乗れるような場所ってあるかな?」
「それは楽しみだ、開店したら絶対に行くぜ、おばあさんのポーションは物が良くて安かったからな、もちろんポーションも売るんだろ?早く開けるといいなだったら商人ギルドに行けばいいさ、経営の相談とか従業員の雇用、税金の相談も乗ってくれるぜ、この先を200メートルぐらい歩いて、焼き肉のミックの店を右に曲がって3軒先だ」
(ポーションの目処が立ってないことは内緒にしておいた、わざわざネガティブキャンペーンを行う必要はない)
「ありがとう、助かった、お店で待ってるよ」
お礼を言うとバッグからスルメを出し、男性に渡した、遠慮はされたが最後には受け取ってもらえた
(このバッグたくさん入って便利だけど、探すのが逆に大変なんだよな)
とりあえず言われた通り商人ギルド行ってみるか、教えてもらったミックのお店はすぐ見つかった
良い匂いが辺りに漂う、屋台ではなくちゃんとしたお店なのだが焼いてる所は外だ、匂いで客を釣っているのだろう、焚き火の上に鉄板を敷いてその上で肉を焼いている
もちろん俺も通貨さえあればその客の1人になっていたことだろう、しかし
(あれでは火が不均等になり、肉がうまく焼けないだろうな、もったいない、炭を使えばいいのに
こちらではやはり炭は一般的ではないらしい、黒い薪の正体がわかった、炭は正解だな)
持ってきた商品のヒットを確信した瞬間であった。道に迷うことなく商人ギルドと思われるお店
に着いた、看板には文字でなく、ロゴが標記されたいた、人が両手を前に組み笑顔?の絵だ
(微妙なロゴだな、デザイナーってこちらでは居ないのだろうか)
迷わずウエスタン風の扉を開け店内に入るとカウンターに1人の女性が立っていた
「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょう」
銀髪の身長160センチほどの おそらく年齢は30にはいってないであろう、ほっそりとしていた綺麗な女だ
(よしっ交渉ごとは得意だ、余り無知がばれないようにうまくもっていこう)
「私の名前はナオトです、店を再開するために手続きに来ました、店名は”こんびに”です、ご存知でしょうかしばらく訳あって休業しておりました、この町では繁盛していたと思います」
あくまでも手続き、相談なんて言ったらいくら取られるかわかったものじゃない
「こんびにですね、当然知っておりますよ、お待ちしてました、最近人の気配がなくてこちらとしても
心配していたのですよ」
「そうですか、前の経営者は祖母でして、今回私がお店を相続していこうと思っております」
「とても良い話ですね、前はとても繁盛してまして、ギルドとしても喜ばしいことでした、えっと、、相続するってことで宜しいのですね?」
「はい、相続でいいです、祖母の地盤を引き継ぐ所存です」
(二世政治家のセリフかよ)
「それでは早速お手続きに入っていきます、申し送れました副ギルド長のヒルダです、今回私が手続きを承りますので、宜しくお願いします、さあ中の応接室へどうぞ」
後ろにある3つの扉の1つへと誘導した、流石に商人ギルドだすぐに商談に入れるように
入り口からすぐの所に何個かの応接室の準備がある。
「ヒルダさん、受付の人居なくて大丈夫なんですか?」
「はい、商人は朝の内は仕入や開店準備でまずこちらに来ることはないです、商談は夕方から夜っていうのがこの世界では常識なんですよ、午前にいらっしゃる方は素人の方ばかりです」
(既に素人ってばれてるじゃん、しかも今言ったのって俺に対しての牽制?交渉も思いやられる)
最初の勢いはなりをひそめ、ドキドキとしながら応接室に入って行った。
前回よりも大量の荷物があるが、今回は教えてもらったマジックバッグを持って来ていたため
かなり運ぶことができた
(これ重さなしで持てるんだ、現代で運送業やればかなり儲かるんじゃないかな、3万円程度でトラック1台と考えたらかなりいいな)
現代の道具を向こうに持ち込んで販売するだけではいずれ日本円が底をつく、向こうの商品でこちらで利益を上げられるものも探していかないと
倉庫の中から向こうに行くのだが、暗い中歩いて行くため、足をぶつけながら進んでいく
(一度ここ整理しないと体が傷だらけになるな、ポーションでも使えれば問題ないのだろうがまだどうやって手に入れるか知らない)
夜から朝にいきなり変わり、眩しさの余り目が眩む、時差ぼけも辛い
いちいち寝るためだけに帰るの面倒だ。こちらで生活基盤を作らねば
(やっと異世界探索だ)
決意を新たにお店から外に飛び出した、まあ普通にドアから歩いて出て行っただけだが
探索と言っても散歩に毛が生えた程度のことしかできない、何しろ現地通貨がないのだから
(買取できるお店でも探してまずは通貨獲得だな)
今回用意した商品と前回持ってきた商品、砂糖と塩も含めてだが全部バッグに入れた
町中をふらふらと歩いていると声を掛けられた、薄汚れた皮の服を着た中年男性だ
「兄ちゃん、ずいぶんと変わった格好しているが、どこから来たんだ?ここら辺じゃ見ない服だな」
お店から外を見ている時に服装に関しては確かに違和感があった、こちらでは全体的に生地は
皮か麻とかで、一言で表すと”茶色”だ、俺が身に着けているのは上下黒のジャージ、つまり綿だ
「祖母の遺品整理でちょっと遠くから来たんだ、もうお店は閉めてるが、あそこにあるお店やってた人知ってるか?」
歩いて来た方を見て、祖母の店を指差した。
「ああおばあさんがやってた”こんびに”か俺も何度か行ったことがあるけど、毎日やってなかったみたいで開いてる時はラッキーって思って買ったけど、ここ数年開いてるのは見たことなかったな、知らなかったが亡くなってたんだな、お気の毒様」
こちらとあちらとの二重生活じゃ毎日お店開くのには無理があったのだろう、こんびにって名前の割に不定期でやってたらしい、身内にばれてないってことは慎重にしてたのだろな
「わざわざ済まない、亡くなったのは3年も前だ、気にする必要はない、今度は俺が店を引き継ごうと今準備しているところだ、こんな時に相談に乗れるような場所ってあるかな?」
「それは楽しみだ、開店したら絶対に行くぜ、おばあさんのポーションは物が良くて安かったからな、もちろんポーションも売るんだろ?早く開けるといいなだったら商人ギルドに行けばいいさ、経営の相談とか従業員の雇用、税金の相談も乗ってくれるぜ、この先を200メートルぐらい歩いて、焼き肉のミックの店を右に曲がって3軒先だ」
(ポーションの目処が立ってないことは内緒にしておいた、わざわざネガティブキャンペーンを行う必要はない)
「ありがとう、助かった、お店で待ってるよ」
お礼を言うとバッグからスルメを出し、男性に渡した、遠慮はされたが最後には受け取ってもらえた
(このバッグたくさん入って便利だけど、探すのが逆に大変なんだよな)
とりあえず言われた通り商人ギルド行ってみるか、教えてもらったミックのお店はすぐ見つかった
良い匂いが辺りに漂う、屋台ではなくちゃんとしたお店なのだが焼いてる所は外だ、匂いで客を釣っているのだろう、焚き火の上に鉄板を敷いてその上で肉を焼いている
もちろん俺も通貨さえあればその客の1人になっていたことだろう、しかし
(あれでは火が不均等になり、肉がうまく焼けないだろうな、もったいない、炭を使えばいいのに
こちらではやはり炭は一般的ではないらしい、黒い薪の正体がわかった、炭は正解だな)
持ってきた商品のヒットを確信した瞬間であった。道に迷うことなく商人ギルドと思われるお店
に着いた、看板には文字でなく、ロゴが標記されたいた、人が両手を前に組み笑顔?の絵だ
(微妙なロゴだな、デザイナーってこちらでは居ないのだろうか)
迷わずウエスタン風の扉を開け店内に入るとカウンターに1人の女性が立っていた
「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょう」
銀髪の身長160センチほどの おそらく年齢は30にはいってないであろう、ほっそりとしていた綺麗な女だ
(よしっ交渉ごとは得意だ、余り無知がばれないようにうまくもっていこう)
「私の名前はナオトです、店を再開するために手続きに来ました、店名は”こんびに”です、ご存知でしょうかしばらく訳あって休業しておりました、この町では繁盛していたと思います」
あくまでも手続き、相談なんて言ったらいくら取られるかわかったものじゃない
「こんびにですね、当然知っておりますよ、お待ちしてました、最近人の気配がなくてこちらとしても
心配していたのですよ」
「そうですか、前の経営者は祖母でして、今回私がお店を相続していこうと思っております」
「とても良い話ですね、前はとても繁盛してまして、ギルドとしても喜ばしいことでした、えっと、、相続するってことで宜しいのですね?」
「はい、相続でいいです、祖母の地盤を引き継ぐ所存です」
(二世政治家のセリフかよ)
「それでは早速お手続きに入っていきます、申し送れました副ギルド長のヒルダです、今回私が手続きを承りますので、宜しくお願いします、さあ中の応接室へどうぞ」
後ろにある3つの扉の1つへと誘導した、流石に商人ギルドだすぐに商談に入れるように
入り口からすぐの所に何個かの応接室の準備がある。
「ヒルダさん、受付の人居なくて大丈夫なんですか?」
「はい、商人は朝の内は仕入や開店準備でまずこちらに来ることはないです、商談は夕方から夜っていうのがこの世界では常識なんですよ、午前にいらっしゃる方は素人の方ばかりです」
(既に素人ってばれてるじゃん、しかも今言ったのって俺に対しての牽制?交渉も思いやられる)
最初の勢いはなりをひそめ、ドキドキとしながら応接室に入って行った。
166
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
社畜生活に疲れた俺が転生先で拾ったのは喋る古代ゴーレムだった。のんびり修理屋を開店したら、なぜか伝説の職人だと勘違いされている件
☆ほしい
ファンタジー
過労の末に命を落とした俺、相田巧(アイダタクミ)が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界だった。神様から授かったスキルは「分解」と「再構築」という、戦闘には向かない地味なもの。
もうあくせく働くのはごめんだと、静かな生活を求めて森を彷徨っていると、一体の小さなゴーレムを発見する。古代文明の遺物らしいそのゴーレムは、俺のスキルで修理すると「マスター」と喋りだした。
俺はタマと名付けたゴーレムと一緒に、街で小さな修理屋を開業する。壊れた農具から始まり、動かなくなった魔道具まで、スキルを駆使して直していく日々。ただのんびり暮らしたいだけなのに、俺の仕事が完璧すぎるせいで、いつの間にか「どんなものでも蘇らせる伝説の職人」だと噂が広まってしまい……。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる