8 / 94
8話
しおりを挟む
「色々とお話をお伺いさせていただいていいですか?」
ソファに座るとヒルダさんが問いかけた
「はい、なんでも聞いてください、この為に準備をしてきましたから」
ただ売れそうな商品を持ってきただけが、しかも大半がピント外れ、不安しかない
「お店の場所は同じですか?従業員は何人ですか?商品は前と同じですか?」
基本的な情報から聞かれた
「前と同じ場所で運営していきます、しばらくは私1人です、店頭に立ち、お客の要望に沿った商品を提供することを把握するために、商品は多少変更します」
バッグから扱う商品を見せていく、まずは前にも扱ったことのある缶ビール、つまみ、そして炭にグラス、鏡と並べていく、それをヒルダさんが手に取り凝視する、しまいには虫眼鏡のような物で前後左右や離して見たり近づけたりとしている。
「ポーションは置かないのですか?かなりの売れ筋と聞いておりますが」
「祖母から何も話を聞いておらず、仕入れる伝手がないのでそのうち業者を開拓していきます」
「何も聞いていない、、、その割には右手に付けている指輪はなんなんですか?それでおばあ様はいつもポーションを作っていたようですがご存じないのですか?お孫さんって本当ですか?」
(うん、完全になめられてるね、こちらが優位に立つことなんてもう無理だよね)
こうなったらある程度事情を説明しよう、この人言ってることはイヤミ交じりだが、なによりも笑顔が素敵だ、笑顔が似合う人に悪い人は居ない、居ないで欲しい
「実は祖母の遺産相続で見つけた物でして、この補聴器もメガネも指輪もだいたいの効能しかわかってないのですよ」
ニヤリと微笑むヒルダ
「最初に話しかけた時から虚勢を張っていることはわかっていましたが、面白そうだったので振りに乗ってみたのですが、素直が一番ですよ、素直がね、これからは2人は”ヒルダ様”と呼ぶことを特別に許しますよ」
(うわっ本物の女王様だ、かなりのSだ)
どうもこちらの世界に来てから知り合う女性はきつい人ばかりだ、男の人は口は悪いが優しい人ばかりだったので余計に目立つ
「ポーションの作り方なら簡単です、銀貨3枚と言いたい処ですが、特別に無料で教えてあげますよ、”ヒルダ様”がね」
ただより高い物はない、ただ無一文の身の上では縋るしかないだろう
「お願いします、ヒルダ様」
「わかりました、薬草を3束用意します、そして魔力で作った水をその指輪で合成します以上です」
「え?それだけですか?簡単すぎません?説明が、もっと詳しく教えてください、薬草と魔力水?ってはどこで手に入れればいいのですか?」
「薬草は薬師ギルド、魔力水は魔道師ギルドですね、薬草3束銅貨3枚、魔力水は1リットルで普通魔力水が銅貨2枚、上級魔力水で銅貨3枚ですね、普通のポーションでしたら、原価にして銅貨5枚、それで売値は銅貨15枚ですね、おばあ様は毎日800個ぐらい売ってましたよ」
えっと計算すると1つの利益が1000円で800個だから1日8万円、30日だと240万夢があるな、ただ問題はこちらの通貨で稼げてもあちらでは無価値、課題は多いな
「ゴートの指輪は物質変換の効果、素材さえ揃っていたら合成もできますからね」
「合成してポーションができたとして、入れ物はどうすればいいのですか?」
こちらにはガラスがない、できた瞬間に地面に落ちて使い物にならなくなってしまっては折角作ったものが無駄になる
「ポーション見たこともないですか?スライム状の物なのでそのままマジックバッグに入れておけば劣化もしませんし、永久に保存できますよ、取り出して必要な分だけちぎって怪我した患部に塗るだけですからね、怪我が絶えない一般的な冒険者で常備しておくのが大体皆様100ぐらいは入れてあります」
なるほど、ガラスの小瓶の先を折って飲み込んで体が光って癒されるってゲームとは違うのかポーションも作る目処は経った、後は他の商品の価値も査定してもらおう。
メガネで鑑定はできるのだが、価値としてわかるのはあくまでもこちらの物だけで、現代の物はうまくできない
「他の商品の価格も教えてもらえるだろうか」
「その前に重要な話が、私共がナオト様がいらっしゃったのを心待ちにしていた理由がありますおばあ様が休業している間の税金と商会費が未納となっております、そちらの清算をお願いしたいのですが」
まさかの延滞税、そう話はうまくいかないか、店の賃貸料とかもあれば経費はまた嵩む
「そ、そうですか、全部でいくらぐらいになるのでしょうか」
「はい、税金が3年分で金貨3枚、そこに延滞税として金貨1枚、商会費は1年で銀貨30枚、3年分ですと、金貨1枚半、全部合わせて金貨5枚半ですね」
えっ金貨5,5枚って550万じゃん、そんな払えるわけない
「今手元にはそこまで用意がないのですが、期限はいつまでに用意すればいいのでしょうか」
「既に支払い期限はだいぶ過ぎているので速やかにいただきたいのですが、事情をご存じない様子なので多少は待ちますが、遅くても2週間の内には清算していただかないと営業許可は」
「物納でもいいですか?商品を用意してこちらに買い取っていただくってことは可能でしょうか」
「可能ですよ、ただこれだけでは全然足りないのでもっと量を用意していただかないと、そうですね、これの5倍ぐらいは欲しい処ですね」
「わかりました、再度仕入に行ってきます」
そう言って商人ギルドを後にし、あちらの世界にまた戻ることになった。やっとスタート地点に戻ることができたと思ったが、マイナスからのスタートになった。
ソファに座るとヒルダさんが問いかけた
「はい、なんでも聞いてください、この為に準備をしてきましたから」
ただ売れそうな商品を持ってきただけが、しかも大半がピント外れ、不安しかない
「お店の場所は同じですか?従業員は何人ですか?商品は前と同じですか?」
基本的な情報から聞かれた
「前と同じ場所で運営していきます、しばらくは私1人です、店頭に立ち、お客の要望に沿った商品を提供することを把握するために、商品は多少変更します」
バッグから扱う商品を見せていく、まずは前にも扱ったことのある缶ビール、つまみ、そして炭にグラス、鏡と並べていく、それをヒルダさんが手に取り凝視する、しまいには虫眼鏡のような物で前後左右や離して見たり近づけたりとしている。
「ポーションは置かないのですか?かなりの売れ筋と聞いておりますが」
「祖母から何も話を聞いておらず、仕入れる伝手がないのでそのうち業者を開拓していきます」
「何も聞いていない、、、その割には右手に付けている指輪はなんなんですか?それでおばあ様はいつもポーションを作っていたようですがご存じないのですか?お孫さんって本当ですか?」
(うん、完全になめられてるね、こちらが優位に立つことなんてもう無理だよね)
こうなったらある程度事情を説明しよう、この人言ってることはイヤミ交じりだが、なによりも笑顔が素敵だ、笑顔が似合う人に悪い人は居ない、居ないで欲しい
「実は祖母の遺産相続で見つけた物でして、この補聴器もメガネも指輪もだいたいの効能しかわかってないのですよ」
ニヤリと微笑むヒルダ
「最初に話しかけた時から虚勢を張っていることはわかっていましたが、面白そうだったので振りに乗ってみたのですが、素直が一番ですよ、素直がね、これからは2人は”ヒルダ様”と呼ぶことを特別に許しますよ」
(うわっ本物の女王様だ、かなりのSだ)
どうもこちらの世界に来てから知り合う女性はきつい人ばかりだ、男の人は口は悪いが優しい人ばかりだったので余計に目立つ
「ポーションの作り方なら簡単です、銀貨3枚と言いたい処ですが、特別に無料で教えてあげますよ、”ヒルダ様”がね」
ただより高い物はない、ただ無一文の身の上では縋るしかないだろう
「お願いします、ヒルダ様」
「わかりました、薬草を3束用意します、そして魔力で作った水をその指輪で合成します以上です」
「え?それだけですか?簡単すぎません?説明が、もっと詳しく教えてください、薬草と魔力水?ってはどこで手に入れればいいのですか?」
「薬草は薬師ギルド、魔力水は魔道師ギルドですね、薬草3束銅貨3枚、魔力水は1リットルで普通魔力水が銅貨2枚、上級魔力水で銅貨3枚ですね、普通のポーションでしたら、原価にして銅貨5枚、それで売値は銅貨15枚ですね、おばあ様は毎日800個ぐらい売ってましたよ」
えっと計算すると1つの利益が1000円で800個だから1日8万円、30日だと240万夢があるな、ただ問題はこちらの通貨で稼げてもあちらでは無価値、課題は多いな
「ゴートの指輪は物質変換の効果、素材さえ揃っていたら合成もできますからね」
「合成してポーションができたとして、入れ物はどうすればいいのですか?」
こちらにはガラスがない、できた瞬間に地面に落ちて使い物にならなくなってしまっては折角作ったものが無駄になる
「ポーション見たこともないですか?スライム状の物なのでそのままマジックバッグに入れておけば劣化もしませんし、永久に保存できますよ、取り出して必要な分だけちぎって怪我した患部に塗るだけですからね、怪我が絶えない一般的な冒険者で常備しておくのが大体皆様100ぐらいは入れてあります」
なるほど、ガラスの小瓶の先を折って飲み込んで体が光って癒されるってゲームとは違うのかポーションも作る目処は経った、後は他の商品の価値も査定してもらおう。
メガネで鑑定はできるのだが、価値としてわかるのはあくまでもこちらの物だけで、現代の物はうまくできない
「他の商品の価格も教えてもらえるだろうか」
「その前に重要な話が、私共がナオト様がいらっしゃったのを心待ちにしていた理由がありますおばあ様が休業している間の税金と商会費が未納となっております、そちらの清算をお願いしたいのですが」
まさかの延滞税、そう話はうまくいかないか、店の賃貸料とかもあれば経費はまた嵩む
「そ、そうですか、全部でいくらぐらいになるのでしょうか」
「はい、税金が3年分で金貨3枚、そこに延滞税として金貨1枚、商会費は1年で銀貨30枚、3年分ですと、金貨1枚半、全部合わせて金貨5枚半ですね」
えっ金貨5,5枚って550万じゃん、そんな払えるわけない
「今手元にはそこまで用意がないのですが、期限はいつまでに用意すればいいのでしょうか」
「既に支払い期限はだいぶ過ぎているので速やかにいただきたいのですが、事情をご存じない様子なので多少は待ちますが、遅くても2週間の内には清算していただかないと営業許可は」
「物納でもいいですか?商品を用意してこちらに買い取っていただくってことは可能でしょうか」
「可能ですよ、ただこれだけでは全然足りないのでもっと量を用意していただかないと、そうですね、これの5倍ぐらいは欲しい処ですね」
「わかりました、再度仕入に行ってきます」
そう言って商人ギルドを後にし、あちらの世界にまた戻ることになった。やっとスタート地点に戻ることができたと思ったが、マイナスからのスタートになった。
158
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
社畜生活に疲れた俺が転生先で拾ったのは喋る古代ゴーレムだった。のんびり修理屋を開店したら、なぜか伝説の職人だと勘違いされている件
☆ほしい
ファンタジー
過労の末に命を落とした俺、相田巧(アイダタクミ)が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界だった。神様から授かったスキルは「分解」と「再構築」という、戦闘には向かない地味なもの。
もうあくせく働くのはごめんだと、静かな生活を求めて森を彷徨っていると、一体の小さなゴーレムを発見する。古代文明の遺物らしいそのゴーレムは、俺のスキルで修理すると「マスター」と喋りだした。
俺はタマと名付けたゴーレムと一緒に、街で小さな修理屋を開業する。壊れた農具から始まり、動かなくなった魔道具まで、スキルを駆使して直していく日々。ただのんびり暮らしたいだけなのに、俺の仕事が完璧すぎるせいで、いつの間にか「どんなものでも蘇らせる伝説の職人」だと噂が広まってしまい……。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる