祖母の家の倉庫が異世界に通じているので異世界間貿易を行うことにしました。

rijisei

文字の大きさ
90 / 94

90話

しおりを挟む
「それでは結婚の儀式を行う、3人とも指先に刺して」

国王の指示によって差し出された台の上に細い針が乗っている、それをナオト、ヒルダ、テレサが交代で指先に刺して小さな小さな血だまりができた、それをナオトとヒルダ、ナオトとテレサとでくっつける、こうすることでDNAをお互いに認識させるのだ

DNAだけなら唾液でも良いような気もするのだが、この世界ではこのような慣しになっている、多少の痛みが結婚の覚悟になっているのかも知れない

「それではフォーセリア国王 タカノリ・フォーセリアの名の下に3人は婚姻したものと認める」

これで結婚式は終わりだ、ものの5分くらいの出来事だった、国王の名前が日本式なのは祖母が兄の子が生まれた時の名付け親になったためだ

この次は披露パーティーが待っている、今度は長丁場のようだ、パーティーでは今まで会ったことのないハトコや伯父さんとも会うことができた、しかも伯父さんに限っては自分の結婚式の司会者であった、強烈な初対面となった

国王の名前も今日初めて知ったことだしね、でもタカノリなんて名前親近感が湧く子供たちはどんな名前なんだろう

「王太子様と内親王様の名前ってなんですか?」

パーティーまで一緒に待機していたヒルダさんに聞いてみる

「シュウ王太子様とユリア内親王様よ、でも名前を余り呼ばないでね、王族は身分名で呼ぶのが習わしなので、王太子様、内親王様って感じです」

「じゃあ俺も身分名で呼ばれたりするのですか?」

「どうなんでしょうか、特に身分名ないですものね、王位継承権があるって言っても公表はされてないですものね」

「ヒルダさんも今まで通りヒルダさんでいいんですかね?」

「いえ、第3王位夫人と呼んでください」

それだと国王の3号さんみたいだけど、本人はすごく気に入っている、指摘した方がいいのかどうか迷っていたら

「夫人だとナオト君あっての名前になってしまうのでナオト君が伯爵夫君ってことにしましょうか」

そもそも伯爵号はルードヴィヒさんの物でしょうに

「フレッチャ伯爵位を相続でもされたのですか?」

「いえまだです、フォーセリア史上初の女性貴族誕生も現実のものとなるでしょう」

弟のグルテン君勝手に居ないものとしないで欲しいな

「妄想はそれぐらいにしてそろそろ会場に行きましょう、テレサも退屈そうにしてますし」
テレサ
「私は楽しそうって見てました、ナオト様もヒルダさんもホントに仲が良さそうで」

ヒルダさんの妄言聞いてるだけでちっとも楽しくはない、全くタイプが違う2人の奥さん、1人は行動が読めない常にマウントを取ってくる、1人は従順で言ったこと以上の成果を上げる、ただテレサは少し従順過ぎるところがあって本心が読みにくい

「やあナオト君先程ぶりだな、やっと会えたよ、誰も教えてくれなくてな」

国王が一番最初に来てくれた

「私が王族なんて知ったのも3日ほど前でしたからね、ヒルダさんが教えてくれるまで全く、、」

「叔母さんが亡くなったと聞いた時もかなり経ってからだったからな、君のお父さんが挨拶に来てくれたんだよ」

「それでは私の父はこちらのことについて知っているのですね?」

「知っているも何も今日も来ているぞ、後で会えるんじゃないか?」

ここ3日ばかりは驚かされることばかりだ、親父も何も教えてくれなくて人が悪い、色々と聞きたいこともあるので丁度いい

「今別室にてフレッチャ伯爵家と挨拶しているぞ、ナオト君も行くかい?」

俺当事者なんですけど

「どうせ後で会えるのでいいですよ、それよりも陛下の家族も来ているのですか?」

「勿論だとも、紹介するぞ」

王妃、王太子、内親王と会うことが出来た

「初めまして王妃のアメリアです、お会いできて光栄です」

「王太子のシュウだ、俺の王位のライバルと聞いているぞ、宜しく頼む」

「そんな気ないですから」

「私と結婚してればお兄様を蹴落とすこともできたのに、帝国を追い払った武勲をもっと宣伝していたら」

多分金髪の偉丈夫な女性こそが内親王であろう、女性にしては175センチ以上あり、鍛え抜かれた身体をしている、王太子も180センチを超え王族なんて言ってるが将軍と聞いても納得するだろう

力尽くてこられたら間違いなく負ける自信はあるな、国王は余り体格良くなかっただけに子供だけ立派だ

「あれはヒルダさんに乗せられただけですよ、一商人が戦争に介入なんて普通に考えたらありえないですよ」

「そのヒルダなんだが、なんであの女と結婚したんだ?陛下はかなり乗り気だったと聞いたが、伯爵家に居た時の噂を聞けば貰い手はいないと思っていたが」

「私もいつの間にかここに居ることになっていたのですよ、ヒルダさんが結婚するって聞いた時も別の誰かかと」

「あの女をもらう勇気のある奴が居るかよ、もし居たとしても何も知らない奴、つまりお前ぐらいのものだ」

「お兄様まだ今日結婚したばかりでそこまで貶さなくても宜しいのでは?」

「そうだな、悪かった」

「そう思われても仕方ない部分はありそうですし、大丈夫ですよ、でも陛下は乗り気ってところだけ気になったのですが」

「それは私が説明します、ナオト君は受動的で誰かが尻を叩かないと本領を発揮しないとお父様から伺っています」

王妃が説明してくれた、確かに戦争止めたのもかなりせっつかれてしょうがなくだったからな、だったら思ったよりヒルダさんの功績は大きいのかもしれない

内親王のように野心だけあっても余り手を組もうとは思わないかも知れない、結構ヒルダさんで合ってるかもしれない

「お ナオト久しぶりだな」

親父が登場した、何から聞いていこうか
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

社畜生活に疲れた俺が転生先で拾ったのは喋る古代ゴーレムだった。のんびり修理屋を開店したら、なぜか伝説の職人だと勘違いされている件

☆ほしい
ファンタジー
過労の末に命を落とした俺、相田巧(アイダタクミ)が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界だった。神様から授かったスキルは「分解」と「再構築」という、戦闘には向かない地味なもの。 もうあくせく働くのはごめんだと、静かな生活を求めて森を彷徨っていると、一体の小さなゴーレムを発見する。古代文明の遺物らしいそのゴーレムは、俺のスキルで修理すると「マスター」と喋りだした。 俺はタマと名付けたゴーレムと一緒に、街で小さな修理屋を開業する。壊れた農具から始まり、動かなくなった魔道具まで、スキルを駆使して直していく日々。ただのんびり暮らしたいだけなのに、俺の仕事が完璧すぎるせいで、いつの間にか「どんなものでも蘇らせる伝説の職人」だと噂が広まってしまい……。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

処理中です...