異世界無知な私が転生~目指すはスローライフ~

丹葉 菟ニ

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閑話 2

嫁とお菓子作り

卵を割り手際よく砂糖を数回に分けて混ぜ、バニラビーンズと牛乳をコンロで暖めて溶き卵と混ぜて蒸し器で蒸していく。

実に簡単。子供が初めて作るお菓子作りベスト3にも入るであろうプリン作りだ。

たったこれだけの事に 何処に危険が潜んでるのか首を捻る。が、このバカ夫の目には嫁がやる事なす事 すべてが危険にみえるようだ。
実に阿呆らしい。
横からギャースカ 吠えるなら見るな。嫁も教えてくれなど 私に頼み込むな!

初めは、3獣達が自慢した玉子焼きを食べさせたのが始まり。
亀夫婦もお気に入りになり 毎日でも食べたいと申し出たが 毎日は無理だと断った。
正直、亀夫婦のおさんどんさんに成るつもりは全くないからね。

ならば私がと申し出たのが亀の嫁。
教えて欲しいと申し出たからには断る訳にもいかず教え始めたが、コレが卵1個割るのにどれだけ苦労したことか!
ベチャッ グチャ ブシャ 
卵が残念な事になる度に 卵が悪い。卵にヒビがはいってる。卵の殻が薄すぎた。など、理由の分からないことをほざいては 私の教え方悪いだの、教え方が雑などと 怒られた。

「そうですね!私の教え方が悪いのであれば先ずは卵を綺麗に割ることが出来たならもう一度来てください」

初めての玉子焼き講習は私のブチ切れで幕を閉じた。

嫁が卵を綺麗に割ることが出来てもう一度来た時の亀のテンションは ウザかった。
ドヤ顔の亀。
ワシのお嫁ちゃんは凄いじゃろ!!と、3獣達に何度も自慢しては煙たがられてた。

甘い玉子焼きの講習を初めてフライパンで卵焼きを作り始めたら、亀が騒ぎだした。

つまり!!!火傷でもしたら 一大事だと。
揚げ物をする訳でもなし、どうやって 大火傷を負うのか説明願いたい状況だ。
 大変な思いまでして作らんでもイイと 亀が騒いだので 取りやめたが、嫁が納得しないので簡単なプリンを教えてるのだが、今度は鍋で火傷するかもと騒いだのである。

だったらもう 生で食えって言いたくなるよね!この世界の生卵が食えるかは知ら無いけどね!

「火を使えば喚き、刃物を使うとなれば暴れだしそうな勢いですね。火も刃物も使えないとなれば 生で食べれば問題ないですよね。火も刃物使いませんので。では、私は失礼しますよ」

「待って ごめんなさい。旦那様には私から注意しますから 教えてください」

「嫁よ いい加減亀の性格をわかれ。出来もしない料理で少しでも怪我をすれば亀蔵が発狂するぞ」

「隣で見てないで、亀蔵が料理を教わればいいのでは?」

「マキちゃんは 不器用だね。だから、亀蔵が発狂しだすんだよ」

私は亀蔵迄 料理なんて教えたくないよユキナ。
コウキ、もうちょい言葉をオブラートに包んで物事を言ってほしい。マキが落ち込んだよ。
1番まともな意見をありがとうアオト。

「確かにコウキの言う通りだな。何もして来なかったにしても卵1つまともに割ることが出来ないマキが料理など まともに出来ないだろうな」

前言撤回!
アオトもハッキリ言う奴だったよ!

「料理はしたこと無いですが、私の作ったものを旦那様に食べて頂きたいのです」

壊れたラジカセか?
「ママママママママ マキーーーーー」
叫ぶ亀蔵はキラッキラの笑顔でマキを見つめ、マキは頬をピンクに染めた。

ウザい マジでウザいよ亀蔵。それと 周りとの温度差を感じろ亀夫婦。
冷めた目で見られてもへっちゃらな夫婦ってのも大問題だよなぁ~。

「ッで どうするの?このプリン?
後は蒸して冷やせば完成なんたけど?」

苦渋の表情を浮かべる亀蔵。
火を使うだけでそこまでになれる亀蔵に感服するよ。
きっと心中は、お嫁ちゃんの手作り食べたい!でも、火を使うのは危ない!!

「ぬぐぐぐぐぐ、ヨシ!マキはワシが守る」

はい?
守るって何から?と、思っていた亀蔵がマキの背後に張りつき 腰から腕を回し嫁の腹の前で手を組んだ亀蔵。
プリン作りに潜む危険ってなんだ???

この亀夫婦の行動を考える方が無駄。
マキはマキで 「うふふふっ ありがとうございます。心強いです旦那様」鬱陶しいなどと思うよりも心から感謝してお礼を言えてしまうのだ。気にする方が 疲れてしまうので無視が正解。

それに この頃3聖獣もおかしい?
呆れる所か 羨望の眼差しを向けるのは間違ってるぞ!!
何処に 羨望する所があるのか謎であるが 見なかった事にしよう。

蒸して冷やして出来上がったプリン。

亀蔵 全身を震わせて 1口食べては「マキー最高じゃぁ~」「美味いぞぉ マキ~」
咽び泣くか食べるかどっちかにすればいいのに 泣きながら1口食べては 感想を伝える亀蔵はかなり器用だよ。

冷めた視線は無視して2人だけの世界を作れる夫婦は凄いよ。
私としてはプリンを食べたら早々にお帰り願おう。

「キャラメルが無くてもプリンなんですね」

「このままでも 美味しいけど キャラメル欲しいよね~」

「・・黙って食べろ」

ユキナとコウキをキッと睨むとアオトが注意するが 咽び泣く亀蔵にもしっかりと聞き取れていて、亀蔵がコウキとユキナにコンコンと説教を始めてしまったが、マキがスプーンでプリンを掬い亀蔵の口の前に差し出した。

「キャラメル作りはキャラメルが跳ねて火傷をしてしまう恐れがあるからキャラメルは作ってないんです」

亀蔵がニンマリしながら差し出されたプリンをパクリと食べるのを見ながら、キャラメルがない説明をするマキ。

亀蔵を黙らせて事情を説明するマキのやり方はあざとい。

「分かりましたか?」などと 言いながら  ニコッと亀蔵に微笑む。

なんだかんだと 騒いでも亀蔵は嫁が嬉しそうに笑ってれば1番幸せなんだろうな。

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