異世界無知な私が転生～目指すはスローライフ～

遠のくスローライフ

招かざる客 2

手に持っていた白羽根の扇子を両手で持ちバキっと折ってしまった。
従女は驚きもせずに小さく溜息を付いたが居丈高な女は気がついて居ない。

「なんですの！こんな 侮辱されたのは生まれて初めてですわ、それもこんな下民に。信じられませんわ、シュバルツ様もこんな下民に邸をお貸しになるなるて、きっと 最下位貴族の身分でも捏造でもなさったのでしょうが、私には通用致しませんことよ」

「最下位貴族とは素晴らしいお言葉ですね。ルイーナ嬢は自分の主人をどの様にみますか？」 

「申し訳ございませんが、発言を控えさせて頂きます」

「構いません、言ってご覧なさい。ルイーナ・シジャンヌ伯爵令嬢」

驚いて振り向くルイーナと幼児様(だって名前知らないもん)は突然現れたロリーナー・ガァサベル婦人とテッシー・シュバルツ婦人と腕利きの漫画家さんが書く美しい美人さんがそのまんまの人が扇子で口元を隠してらっしゃる。

素早く動いたのがルイーナ嬢はスっとお辞儀をするが、幼児様は何を思ったのか更に偉ぶり出した。

「オーッホッホッホ。ロリーナー様にテッシー様 御機嫌よう。やっぱりわたくしが睨んだ通り、そこに居る者はこの邸を借りることも出来ぬ者なのですね」

あーうるさいな。
はじめてのお嬢様と目が合いました。悪そうな方では無さそうですが、挨拶は後にしましょう。

「ここにいらっしゃる、挨拶もろくに出来ない知恵遅れ幼児様は何者ですか？」

はぃ！ロリーナ、テッシー、お嬢様3人ともツボりましたね。
扇子を広げ口元を隠してますが、隠しきれてませんよ。

「ｷﾞﾁﾞｨーーーーーッ！！！なあ、な、なあんでふっってぇーーーーー！！！！だァあれがちぃ知恵遅れ幼じぃーですぅぅぅってぇぇえええ！！」

すっげぇー。そんなに顔を真っ赤にして血圧上がらないのか？

「ボリビア嬢、ご挨拶できないのですか？」

一頻り笑ったのだろう 何とか平静を保とうとしてるが若干声が震えてるテッシー。

「ええ、挨拶も無しに出て行って欲しいと言われたので 名前をうかがった所、ミホと答えられたので家名を聞きましたら家名は無いと仰られたのですが、テッシー様ロリーナ様 コチラの幼児様をご存知ですか？」

「貴方如きに挨拶は必要は無いですわ！第一にミホの名を聴いて家名を求める時点で平民。平民に頭を下げるなんて、貴族の名折れ。只の平民がロリーナ様テッシー様 の名を当然の様にお呼びするなんて恐れ多いですわ」

貴方如き・・・如きねぇ～。下民から平民に格上げされちゃたわ。
下民でも平民でもどちらでもかまわないけど、貴方に如きとは言われなくないわね。

「貴方の様な者に勝手に名を名乗られたくは無いときっとミホさんも思ってますよ？私ならゴメンだもの」

「クスクスクス 貴方のような平民の名前、頼まれても名乗りませんよ。第一にミホが何者かも知らない貴方がミホの気持ちを語るなんて100年早くってよ。私がミホの名を名乗って
差し上げてるのもキット どこかで喜んで下さってるわ」

ロリーナ、テッシー、お嬢様3人は堪えきれず ずっと口元を隠してるのをルイーナは見てるが、自分の世界に浸ってる幼児様は気が付かない。

私が嬉しくないと言ってんだけどなぁー！