約束の果てに

秋月

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*琉の過去

琉の過去#16

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真衣「…竜哉が本当に…?
私の事を恨んだりしてないの…?」

真衣さんはきっと自分自身を許すことが出来ないんだ
だから納得できない
うつむく真衣さんを心配するように見ている竜哉さんは、そんな真衣さんを慰める様に真衣さんの頭を撫でた

"真衣"

撫でながら真衣さんの名前を愛おしそうに呼んだ竜哉さん
そんな声に触れた手に反応するかの様に真衣さんは顔をバッ上げた

真衣「今…竜哉の声が…聞こえた気がした…」

琉「父さんはあんたの幸せを願ってる
あんたが幸せにならないと父さんも心配で成仏できないってさ
まぁ、決めるのはあんただ
俺ももう前向きに生きてる
だからあんたも…母さんも自由に自分の幸せを考えて生きればいい」

真衣さんはポロポロと涙を流した
ずっと辛くて大変だったんだろうな…

真衣「…竜哉、こんな私を見限らないでずっと側に居てくれてありがとう…
琉も…竜哉の言葉を伝えてくれてありがとう
琉が教えてくれなきゃ私は竜哉の事をずっと誤解したまま、竜哉を縛りつけていた
琉のその力…私は決して悪いものだとは思わない
だって私は琉のお陰で心がこんなに軽くなったんだから…
琉、ありがとう…」

琉「別に礼を言われる事じゃない」

桜「琉も素直じゃないね」

どんな結果になるか分からなかったけど、和解できたなら良かった
琉も何処と無くスッキリしてるように見えた

真衣「これで私も安心して北海道に向かえるわ」

明日には真衣さんは去ってしまう…
ここでお別れするなんて…

琉「…明日の何時に行くんだよ」

琉がそう訪ねて私は嬉しかった
だってきっと琉は…

真衣「え…明日の10時の新幹線に乗るつもりだけど…」

琉「なら、見送りくらいする」

やっぱり…

真衣「え…私の事見送りに来てくれるの…?」

真衣さんは予想外だったみたいで、琉の態度に驚いていた

琉「これで最後だって言うなら、見送りくらいの親孝行はしてやるよ」

真衣「親…孝行…」

琉「それじゃ、明日」

琉はそう言うと立ち上がって玄関の方に向かって行ったから、私達も立ち上がって、真衣さんに一礼して琉の後を追いかけた

直人「琉、待てよ」

先に歩き進む琉を追いかけて、なおが琉を呼ぶと、琉は足を止めて息を深く吐いた

蓮「琉大丈夫?」

桜「もしかして泣いてるの?」

私達が心配そうに覗き込むと、泣いてはいなかったけど、微かに笑って

琉「泣くわけないし、お前等に心配される程じゃない
でもありがとな
お前等が居てくれたお陰であの人ともちゃんと向き合えた」

蓮「私達は一緒に居ただけだし」

桜「琉と真衣さん自身が決断したからでしょ?」

直人「琉、俺も余計な口出しして悪かったな
つい、カッとなって…」

琉「気にしてない
それに俺の為に怒ってくれたんだろ
たく、お前も本当お節介だよ」

直人「ははっ、素直にありがとうって言えよな
お節介だろうが、琉が嫌がっても俺は側に居てやんよ
それが友達だからな」

なおはガシッと琉と肩を組んでそう笑った

琉「それはどうも」

琉は少し素っ気なさそうだけど、嫌ではなさそう
やっぱり仲良いんだな

桜「ところで見送りまで行くなんて言うなんてね
私としては良いことだと思う」

蓮「あの、琉…余計なお世話かもしれないけど私も着いていっていい?」

そう聞くと琉は私を見て黙ってしまった

蓮「あ、嫌だったら…でも、琉が心配で…ってもう心配する様な事は無いのか…っ」

桜「蓮、何をテンパってるの?」

蓮「え?別にそうゆうわけじゃなくて…」

琉「別に今更ついてくるなとは言わねぇよ
お前等がついてくるのなんて想定していたことだしな」

直人「残念だけど、俺は用事があって行けねぇんだけど…」

琉「気にすんなよ」

直人「華さん達にも帰ったら話すんだろ?
1人で大丈夫か?
なんなら泊まるけど」

琉「餓鬼じゃないんだから1人で大丈夫に決まってるだろ
お節介かけすぎだ」

直人「ははっ、分かった」

その後、なおと琉が家まで送ってくれて私は家路についた
そして夜、お風呂に浸かってホッと一息ついていた

蓮「はぁー…」

今日はどうなるかと思って緊張してたけど…
でも…これで悪い結果にならなかったのは良かった
やっぱり話してみなきゃ分からないこともあるよね…

それに私、琉が好きって…
うん、その事についても1回冷静に考えたかったの
あの時は思わずドキッとしたけど…よーく考えたら勘違いかも知れないし?
だから自分の気持ちを整理したい
今までだって琉の事は好きだったから、今日感じた気持ちがそれと同じなのか…
琉は時々口は冷たいけど、本当に冷たいことなんて無かった
根は本当に優しい人で、見離した様な事は無かった
今回だって真衣さんを恨んでいた所もあったはずなのに、向き合って答えを出して、真衣さんを突き放すような事はしなかった
そんなに饒舌だったりしないけど、私達の話はよく聞いてくれるし、一緒に居て居心地が良かった
でも琉に突き放された時は本当に悲しかったし、琉が居ないのは凄く寂しかった
琉の事を説得したのだって、今日一緒に着いていったのだって、琉の事が心配でただ側に居てあげたかった
琉の事は好き

うーん…なんかこれだけだと今までと同じ様な気がしてハッキリしない気がする
あ、琉が誰かと付き合ってる想像してみれば分かるかな
琉に物凄く可愛い彼女が居てその子と一緒に帰ったりデートしたり…
妄想を悶々と膨らませて想像した結果…

バシャンッと私は恥ずかしさのあまり水面を思わず叩いてしまった
私は…恋愛的な意味で琉の事が好きなんだ
こんな風に自覚するなんて…
今まではなんとも思わず平気だったのに、自覚した途端、琉の事を考えると凄くドキドキする

蓮「うわぁ…信じられない…」

明日から琉に顔を合わせづらくなった気がする…って、今は私の恋愛とかどうでもいいって!
まだ明日は真衣さんの見送りもあるし、和解出来たと言っても琉の心境はまだ複雑なところがあるだろうし…
琉が本当に大丈夫になるまで私のこの気持ちは一端忘れる!
自分の気持ちを確かめる為にもそれがいい
桜にも琉に対する気持ちがちゃんとしたものになってから話すことにしよ
なんだか茶化される気がするから、私の気持ちがハッキリして落ち着くまでは、私の胸の内に秘めておかなきゃ…
琉とも今まで通りに

そう決心して私は眠りについた
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