約束の果てに

秋月

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*好きな子.直人side

好きな子#1

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初恋は中学の時
たぶんあれが初恋で初めて付き合った女子が居た
そして高校の時、たまたま席が隣同士になった蓮と意気投合して仲良くなり、その流れで桜先輩と出逢った
桜先輩は一目惚れだったと思う
一目見て何故か惹かれてすぐに好きだと思った
優しくて年上でしっかりしていて、だけど仕草とか可愛く見えて好きになった
だけどその想いを伝える事はなく、桜先輩は帰らぬ人になった
本当に後悔した
せめて伝えていれば良かったと、もう伝えることのできない思いをただ抱えていた
だけどしばらくして桜先輩を失って、自暴自棄になって傷ついている蓮を見て、だけど俺や周囲には心配かけない様に懸命に笑顔を見せて強がっている蓮を見てるうちに蓮の事を助けてやりたい、守りたいって思うようになった
最初はただの心配から始まった事だった
それなのに俺は気付けば蓮に恋してた
最初は勘違いかなんかかと思った
蓮が泣いてるのは俺もしんどくて、蓮が笑うと心が暖かかった
本当に恋心に気付いたのは、蓮が少し立ち直って来て学校に来るようになった時、たまたま蓮が告白されている現場を目撃してしまった時
蓮が告白されてるのを見て、嫉妬している自分が居ることに気付いた
自覚してからはどんどん蓮に惹かれていった
いつか告白するつもりだった
でも今の関係が心地よかったのと、俺が蓮に1番近いとどこかで安心していた所があった
だから、まさか蓮が誰かを好きになるなんて深く考えてなかった

その時初めて迷った
俺の気持ちは蓮を困らせるだけなんじゃないかって
嫉妬して奪われたくないとも思った
それでも今更言った所で蓮の答えが決まっていそうで勇気が出なかった

琉「お前の気持ちはそんな軽いもんだったんだな」

だから琉のその言葉に凄く腹が立った
軽い?そんな簡単な言葉で片付けられるほどやわな気持ちじゃなかった
ずっとずっと蓮を見てきて積み重ねてきたこの気持ちを貶されたように感じた
だからそんな風に言う琉に腹が立って、思わず手が出た
そこで自分の気持ちを再確認できた
琉が言ったことは気に食わないけど、俺は蓮が好きで琉だろうが誰だろうが渡したくないと強く思った
ごちゃごちゃ考えて遠回りしたけど、どんな事があってもこの気持ちは消えないし消せない

琉には渡したくない
振り向かせてみせる
ライバルである琉に背中押されるなんて思ってもなかったけど俺は蓮に伝える決心がついた
久し振りに蓮と2人で帰る帰り道
初めて会った時から気が合っていたし、蓮といると会話が弾むし、この感覚が心地好かった
少しでも意識して欲しくて意地悪な事言って、少し照れるように困ってる蓮を見てると本当に好きだなと再確認した

直人「俺、蓮が好きだよ」

そして俺は蓮に気持ちを伝えた
蓮が琉の事を好きなのは前から気付いてた
蓮の気持ちも今は琉に向いていることも…
それでも諦めたくなかった
少しでも振り向いてくれる可能性はあるかもしれない
いや…俺の事を意識して振り向いてくれたら嬉しい

でも蓮の反応は予想していた通りで、本当今までそんな風に見ていてくれなかったのは少しショックで、戸惑っていたし信じようとしてくれなかった
それがどうしようもなく悲しくて、このままじゃ蓮が離れていきそうで怖かった
嘘じゃなし俺は本気で蓮が好きなんだ
どうしようもなく繋ぎ止めておきたかった
その気持ちを分かってほしくて、俺を見て欲しくて俺は俯く蓮の顔に触れた
触れられたことに驚いた蓮が顔を上げると、そのまま俺は蓮にキスをしていた
突然の出来事に蓮は俺から離れようとしていたけど、俺は蓮を離さなかった

蓮「…な、なお…っ!」

1度離れたけど、戸惑いながらも微かに顔を赤らめる蓮を見ると歯止めが利かずに、もう一度唇を重ねていた

蓮「…んぅ」

蓮から微かに漏れる声
ずるいと思いながらも止められなかった
俺が離れると蓮は俺を押し返すように離れた
少し呼吸を乱して困惑している蓮を見て、少しやり過ぎたと思いながらも、俺を見て欲しかった
少しでも意識して欲しかった
蓮が混乱する中、グイッと腕を引き今度は強く蓮抱き締めていた
でも蓮は俺の気持ちとは裏腹に離れたがっていた
それでも離したくなかった
琉じゃなくて俺を選んで欲しくて無我夢中だった
けれど結局は蓮を泣かせてしまった
困らせて泣かせてしまうのは何となく分かってた
でも出来れば泣かせたくなかった
だって蓮の泣き顔を見ただけでとてつもなく苦しくなった
涙ぐみながら謝り続ける蓮を見て、あぁ、俺じゃ駄目なんだと思った
蓮はハッキリと自分の気持ちを伝えてくれた
俺の事も大事な友達だと…

どこかで分かっていた
それ以上にはなれないんだと
その涙も俺は拭ってやれない
悔しくて悲しかった
蓮、好きだった…本当に好きだった…
そんなすぐには立ち直れないけど、それでもどこかスッキリしているところもあったのかもしれない
自分の気持ちに整理がついたら、あの2人を応援できるようになりたいな…
好きな子の幸せを願える人間でありたいからな…

「あれ?直人?こんな所で何してんの?」

1人でしばらく肩を落としていると聞き覚えのある声が聞こえた

直人「琴美ことみ…」

そこには同じクラスで友人の1人の橋本琴美が何故か居た
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