約束の果てに

秋月

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*好きな子.直人side

好きな子#12

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直人「はぁっ…はぁ…」

琴美「ちょっと直人、大丈夫なの?」

息が上がる…呼吸が苦しい
ちょっと走り回っただけでかなりしんどい…
これが取り憑かれてる代償ってか…
千尋を探してから大分時間が経ってる…
なんで見つかんないんだよ
一体どこ行ってるだよ…千尋…

琴美「直人、二手に分かれよう
私向こう探してみるから!」

琴美は琉を説得して霊が見えるようにしてもらって一緒に千尋を探していた
琉は反対してたけど琴美が押しきった
普通今まで見えなかったものが見えるようになって困惑したり怖い筈なのに…

直人「気を付けろよ!」

只でさえお化け屋敷とか無理て怖がりな癖に、こんなに一生懸命探してくれてる
肝が据わってるんだか…
それにしても琴美はどうして関係もないのにこんなに一生懸命になってくれてるんだろうか…
いや、今は千尋が最優先だ

直人「あと探してない所…」

思い当たるところは全て行った
もう千尋の行きそうな所に心当たりがない
早く見つけないといけないのに…あいつが何処に行ってるのかも分からない

千尋「なおくん!」

直人「千尋!?」

取りあえず探し回ろうとしたその時、千尋が俺の前に姿を現した

直人「千尋、お前今までどこ行ってたんだよ!
俺達がどれだけ心配したと思ってんだよっ」

千尋「ご、ごめんねなおくん…」

直人「はぁ…でも無事で良かった…」

また2度と会えないんじゃないかと思った…
俺はすぐに琴美達に電話をかけた

琴美「見つかって良かったー…」

電話越しでも息を切らして安堵してる様子が伝わった

直人「今から学校戻るからお前もそのまま学校戻れよ?ありがとな」

電話を切ると千尋が話し掛けてきた

千尋「なおくん…」

直人「…皆、千尋の事心配して探し回ったんだから後でちゃんとお礼言えよ?
ほら俺達も1度学校戻るぞ」

とりあえず千尋が見つかって安心だな…
まぁ、問題は残ってるけど…
でもずっとこのままでもいいような気がしていた

千尋「…なおくん、私…記憶が戻ったの」

千尋のその言葉を聞いて一瞬思考が停止した

直人「戻った…?千尋思い出したのか!?」

良かったと思う反面、あの時の事まで思い出したのかと思うと素直に喜べなかった

千尋「…ごめんねなおくん
本当は和くん達に会った時にもう全部思い出してたんだ…」

申し訳なさそうに話す千尋
は…?和也達に会ったのは最初の頃じゃんか

直人「なんですぐに言わなかったんだよ」

千尋「全部…思い出したから言えなかったの
少しでもなおくんの側にいたかったの…
ごめんね…」

俺の側に居たかったって…
思い出したから言えなかったって…

”思い出したくないから苦しんでんだろ”

そう言えば琉も言ってたな
でもどうゆうことだよ…

千尋「でも…もう迷わない
ちゃんとなおくんに伝えるよ
私がなおくんに会いに来た理由はなおくんに謝りたかったの」

謝りたかった…?
なんで千尋が俺に…謝らなきゃいけないのは俺の方だっていうのに…
まだちゃんと伝えられてもいないのに

直人「どうゆう事だよ
ちゃんと説明しろよ千尋」

千尋「なおくんに黙って引っ越したあの時、一方的に別れを切り出してなおくんを傷付けて、あんな別れ方して…ずっと後悔してたの
本当なら引っ越しなんてしたくなかった
なおくんや皆と一緒に居たかった
でもそんなの出来ないから…あの時は別れた方がいいって思ったけど…
後悔がずっと残ってやっぱりちゃんと謝ってなおくんと話したくてだから私…頑張ってバイトしてお金貯めて…
でも色々あって来るの遅くなっちゃったんだけど…
そしてやっとお金が貯まって、時間もできて、会いに行く途中に事故にあったの…」

俺に会いに来る途中で千尋は事故にあった…
知らなかった
千尋は引っ越した後も俺の事を気にして…
俺に会いに来たが為に事故にあって…
千尋が俺に会いにさえ来なければ、あの時、あんな別れ方さえしなければ、千尋が死ぬことなんて…!

直人「……なんで…なんで俺なんかの為に来たんだよ!
ほっとけばよかっただろ!
じゃなきゃ千尋が死ぬ事なんてなかったんだ!」

なんだよこれ…なんでこんなに苦しいんだよ
千尋の想いが俺の胸を締め付けた
俺のせいで千尋が死んだんだ

千尋「…なおくんが好きだからに決まってるよ」

直人「千尋…お前何言って…」

千尋は目を潤ませながらも、涙は流さず笑って見せた

千尋「好きだから謝りたかった
好きだからなおくんに会って直接伝えたかった
なのにっ…」

だけど次の瞬間には千尋は涙を流した

千尋「事故にあっちゃって…痛くて怖くて…意識が遠のく中で…なおくんの所に行かなきゃって
会って伝えなきゃって…っ
その思いだけが強く残って…」

直人「千尋もういいって、何も言うなよ」

これ以上続けたら、本当に千尋が居なくなる気がして怖くなった
それでも千尋は続けた

千尋「なおくんごめんね…っ
本当にごめんね…
私が間違っちゃったからなおくんを傷付けちゃった…
今、こんなことになってるのもなおくんは悪くないよ
全部自分のせいなの
なおくんは傷付けた罰が当たっちゃったんだよ
でもちゃんとなおくんに会いに来れて良かった…」

目の奥が熱くなった
けどぐっと我慢した

直人「千尋の気持ちは充分伝わったから…
俺の方こそ悪かった…
俺がもっとお前の事考えて、話を聞いてれば…
俺だってずっと後悔してた
酷いこと言って千尋を傷付けた事、ずっと謝りたかったんだ…」

千尋「なおくん…」

その時千尋の身体が淡く光り出した
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