約束の果てに

秋月

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*深まる想い

深まる想い#7

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祐哉さんの言葉に私達は唖然としてしまった

蓮「えっと…戻り方が分からない…?」

桜「どうゆう事!?
このまま身体に入れば戻れるんじゃないの!?」

病院まで来れば、体さえ見つかれば、問題なく戻れるものだと思ってた
違うの…?

裕哉「それだけじゃ駄目だ…
分かんないけど何か拒むような感じがして…何か足りない気がして…」

蓮「どうゆう事ですか…?
何が足りないんですか?」

裕哉「分かんないけど…駄目なんだよ」

駄目って…私達が知らない何か特別な条件でもあるの?
でも…琉はそんな事特に言ってなかった
逆にすんなり戻れるとも言ってなかったけど…

桜「…そんなの知ったこっちゃないわよ!
男でしょ!?気合いで何とかしなさいよ!」

桜が焦るように声を上げた
きっと私の身を案じて必死なんだと思う
でも祐哉さんは顔を背けて黙り込んだままだった
そんな…ようやく見つけてここまで来たのに…
その喪失感に気持ちが沈んだ

蓮「ぅ…」

やばい…少し気持ち悪くなってきたかも…

桜「蓮!?蓮、琉に連絡して
琉なら何か知ってるかもしれない」

蓮「うん…」

琉に電話をかけてみるけど…

蓮「出ない…」

急いで片付けるって言ってたから忙しいのかも…

蓮「どうしよう…
琉から折り返しかかってくるまでここで待つ…?」

桜「…それもいつになるか分からないのに、こんな状態で、しかも知らない場所で倒れるような事になったら大変だよ
蓮、今日は帰ろう
その状態で外に居るより家に帰って少しでも体休めて」

確かにここで倒れたらお母さん達にも迷惑かける事にる

蓮「…分かった…1回帰ろう」

そうしてその日結局、裕哉さんは身体に戻る事が出来ずに、意識虚ろなまま何とか家まで戻って来た
まさかあそこまで行ったのに…全部が水の泡になるなんて思わなかった

蓮「はっ…はぁ…」

階段を上るだけなのに辛い
体が熱いのが分かるのにとても寒い
頭痛も激しくなって吐き気もして目の前が霞む…
もう考える事も出来ない…

桜「蓮、蓮、もうすぐ部屋だから頑張って
もうそこだから、ベットに入ったら気にせずゆっくり休んでいいから」

あと…少し…
何とか部屋のドアノブに手をかけて開けた瞬間、全身の力が抜けるように私は倒れた

桜「蓮!」

祐哉「蓮ちゃん!」

桜「蓮!蓮!お願いしっかりして…!
せめてベットまで…このままじゃ余計悪化するから…お願い!」

桜の声が聞こえる
でも何を言ってるのか聞き取れなくて、その声も段々と遠くなっていく気がした

-桜side-

桜「蓮お願い、起きて…っ」

倒れた蓮の顔は赤く微かに汗もかいていた
呼吸も荒くて私の声にももう反応がない
私に蓮をベットまで運ぶほどの力はない
祐哉は蓮に触れることすら出来ない
蓮、ここに戻ってくるまで寒いって言ってた
熱もあり、汗もかいてる状態でこのままじゃ余計体調が悪化するどころか、もしかしたら琉が帰ってくる前に…
そんなの駄目…!
私が動揺しちゃいけない
霊体の私に出来ることは限られてるけど私がしっかりしなきゃ…!

祐哉「な、なぁ、俺何か手伝った方がいい…?」

桜「ポルターガイストも使えない貴方に出来ることなんてない
そこで静かに体に戻る方法でも考えてなさいよ」

まずは、ベットには運べないけど布団くらい動かしてかける事は出来る
少しでも温かくしてあげないと…
そして…あった、蓮の携帯
琉からの着信はまだないみたいね
やったことがなくて難しいけど、私は一生懸命にお父さんにメッセージを送った

"熱、辛い、早く帰ってきて"

単文的だけどお父さんは蓮からのメッセージだと思ってきっと早く帰ってきてくれる筈
お父さんが帰ってきてくれれば蓮の事も運んでくれる
あとは着替えとか濡れタオルとか出来たら良いんだけど、着替えは当然、濡れタオルも絞ることが出来ない
あと出来そうなのは体温を測って側に居てあげることくらい…

桜「う…」

祐哉「ちょ、桜ちゃん大丈夫!?
なんか苦しそうに見えるんだけどっ」

こんなに連続で大きな力を使ったのは初めてだから少ししんどいかも…
でも蓮に比べたら大したことない
なんとか蓮の熱を測ってみると…

桜「嘘でしょ…38度7分って…
こんな高熱だったの…?
朝は37度8分だったのに急激に悪化してる…」

最初は進行が遅かったのに、短時間でどうしてこんな急激に悪くなったの…?

蓮「う…」

苦しそうに声を漏らす蓮

桜「蓮…苦しいよね…
ごめんね…私何も出来なくて…
できることなら私が変わってあげたい…」

この体になって蓮の役に立てることも勿論あるけど、やっぱり何も出来ないことの方が多い
こうして祈ることしか…

裕哉「蓮ちゃん凄くしんどそう…
なぁ…これって俺のせいなのか…?
でも、元気になるんだよね?」

この人はまだ取り憑かれて生気を吸いとられる事がどんな事なのか分かってない

桜「あんたのせいに決まってるでしょ!?
蓮のこんな状態見ても自分のせいじゃないって言い訳するつもり!?
あんたが蓮に取り憑いてるから蓮はここまで衰弱してるの!」

裕哉「で、でもさ、俺だってわざとやってる訳じゃ無いんだよ!?」

桜「というよりあんたどうして一緒に帰ってきたの?」

祐哉「え?だ、だって戻り方分からずに戻れなかったわけだし…」

桜「冷静になって思ってみれば、戻れないからってあんたまで一緒に帰ってくる必要は無かったんじゃないの?」

そうだよ、体がある所は分かったんだし、あのまま体の側に居た方が安全だし、ふとしたきっかけで戻ることもあったかもしれない
戻れなかったとしても私達が琉を連れて訪れれば、蓮だってこんなに体調を悪化させる必要は無かった

祐哉「そう言われても…あ、ほら…1人じゃ心細いし…」

桜「だからってあんたが蓮に取り憑いたままじゃ、蓮はどんどん体調を崩して悪化していくだけなの!
前にも話したでしょ!?
下手したら蓮は死んじゃうんだからね!?
お願い、1度蓮から離れてよ!
このままじゃ蓮が死んじゃう!」

蓮が死ぬと口にした途端怖くなって自然と涙が溢れて、祐哉に懇願した

桜「琉が帰ってきたらちゃんとあんたの事迎えに行って解決するから!
だからそれまで蓮から離れて!」

裕哉「…いやだ」

だけど祐哉の答えはNOだった
そう言われた瞬間、絶望にも似た感情が広がった

桜「なっ…何言ってるの…?
やめてよ…冗談でしょ?
蓮の状態はあんたも見て分かってるでしょ?
それなのになんでそんな事を言うの…?」

祐哉は私から顔を反らして何も言わなかった
待って…待って待って待ってよ

桜「お願いだから今すぐ離れて!
あんたの事見殺しにしようとか思ってないんだよ!?
離れれば蓮の体調も回復するかもしれないから!」

裕哉「…桜ちゃんに何言われても俺は嫌だ
蓮ちゃんの側に居る」

祐哉はそう言って頑なに蓮の側を離れなかった
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