約束の果てに

秋月

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*呪いの連鎖

呪いの連鎖#12

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華「蓮ちゃん目が覚めたの!?」

陸人「物音がしたから来てみたら…そんな状態で動いちゃ駄目じゃないか!」

心配そうに駆け寄って来てくれる陸人さんと華さん
私はそんな陸人さんの服を僅かな力で掴んで懇願した

陸人「蓮ちゃん…!?」

蓮「…陸人さん…っ…琉は…何処ですか…」

陸人「琉なら呪いの原因である悪霊を祓いに行ってる
必ず帰ってくるから蓮ちゃんはここで待ってて」

蓮「…嫌です…私も…琉の所に…」

華「蓮ちゃん、そんな状態で無理しないで」

蓮「…陸人さん…お願いです…
私を…琉の所に…行かせてください…」

行かなきゃ後悔する
その思いが強く残っていた

華「蓮ちゃん…」

陸人「…分かった、蓮ちゃんも連れていく」

華「陸人っ、そんな状態の蓮ちゃんを連れていったら…」

陸人「琉が出ていってから結構な時間が経ってるのに、未だに呪いが消えないって事は、蓮ちゃんが心配してる通り何か悪いことが起こってるのかもしれない
どうせ俺も今から向かう所だったんだ
蓮ちゃんも一緒に連れていくよ」

華「でも蓮ちゃんは影響を受けやすいんだよ?
そんな悪霊の邪気が漂うような場所に連れて行ったら余計に悪化しちゃうじゃない」

陸人「俺が責任持つよ
琉の大事な子を危険に晒すような事はしないよ」

華「分かった、ちゃんと皆無事に帰ってきてよ」

陸人「勿論、蓮ちゃん行こう
なるべく気を楽にしてなね」

陸人さんはそう言うと私を気遣うように抱き上げて、歩き始め、車に乗り込んだ
琉ー…どうか無事でいて…

-琉side-

琉「はぁ…はぁ…」

こんなに呼吸を乱すのはいつぶりだよ…
気が遠くなりそうだ
体中傷だらけで血の匂いが漂い、痛みが走る
そこら中には破られた護符が幾つも散らばっている

桜「琉、私の事は守らなくていい
自分の身くらい自分で守れるから…」

俺と同じように少し息を乱す桜
何が自分の身は自分で守れるだよ
俺を庇って慣れない力連発して、自分を守れるだけの力は残って無いだろうが
これ以上桜が余計な力を使えば俺にも影響が出るだろうが、何よりこいつの身に何か起きかねない
桜が万が一でも消えたら蓮は泣くだろう
桜も無念だろう
いつかは…別れの時が来るとはいえ、それは俺が…あいつ等が望んだ別れ方じゃない
俺の未熟さで顔も見れず、言葉も交わせないそんな辛いだけの思いなんてさせられない

琉「…黙ってろ桜
それ以上無駄な力を使うな」

とはいえ…どうするか…
持ってる護符でも影響を与えてはいるが致命傷までいかない
それどころか大半が届く前に破かれて効力を失ってしまう
平澤の方も力を連発して苦しそうではあるが、まだ余裕さが残ってる
こっちが先にバテるのは目に見えてる
護符もこれ以上無駄にするわけにはいかないんだけどな…

藍子「…ふふっ、琉ってばかなり苦しそうだよ?
大丈夫~?
私もこれ以上琉が苦しそうな姿見たくないなぁ」

どの口が言ってるんだか…
意気揚々と攻撃してきてる癖して…

藍子「そぉだ!私は優しいから琉が愛してるって言ってくれれば琉を苛めるのはもう辞めてあげる
痛いの嫌でしょ?」

はぁ…マジで異常すぎて理解できない
仮に俺に対する攻撃を辞めたとしても、直人や蓮、桜を助けるつもりは毛頭無いってことだろ
それに…

琉「誰がお前みたいな女にそんな事言うかよ
お断りだね」

俺が断るとニコニコしていた表情から一変する平澤

藍子「あぁ…そうなの
やっぱりもう少し痛め付けた方が良さそうだね琉?」

平澤の邪気がまた濃くなった
またポルターガイストを利用して攻撃してくる
桜を庇いながら残った護符と体力で何処まで…
そう構えた瞬間だった
突然苦しくなり俺はその場に思わず膝をついた

琉「ゲホッ…」

口の中に広がる嫌な鉄の味
咳き込んだ手には僅かながらも吐血の痕

桜「琉!ちょっと嘘でしょ…!?
しっかりしてよ、ねぇ…!」

慌てふためき顔を青ざめる桜
そんな桜とは裏腹に高笑いする平澤

藍子「あはははっ、私が手を下さなくてももうくたばりそうじゃない!」

指先の感覚が…視界もボヤけてきている

琉「…はぁ…本当に…最悪だ」

藍子「ねぇ琉、今どんな気持ち?悔しい?悲しい?絶望した?
でも安心して?
私がたーっぷり慰めてあげるから」

勝ち誇って高らかに笑う平澤に腹が立つ
絶望なんかするか
吐血したからなんだ
力が入らないからなんだ
俺はまだ立ち上がれる
全身に力を込めて俺はもう一度立ち上がった

藍子「は…?なんで立ち上がるの…?
なんでそんな目をしてるの…?
まさかまだ諦めないつもり?
なんで絶望してくれないの…!?」

琉「俺は…お前の思い通りになるつもりは無いんだよ」

藍子「それなら琉が絶望するまで私も諦めないから」

ガラスの破片や木片が平澤の力で宙に浮き始める
俺も護符を構えた
投げ付けたらまた破かれる
無謀でもこの中を突っ切って直接ぶつける方が懸命だ
そう覚悟を決めた時だった

「ーー…駄目…」

俺達に聞こえた小さな声
微かに聞こえた程度だったが俺と桜は勿論、平澤にも聞こえていたようで、俺達はその声の聞こえた方へ視線を移した

蓮「はぁ…はぁ…りゅ…う…ゲホッ…」

琉「れ…ん…?」

そこには壁にもたれ掛かるように立っている蓮が居た
でも立っていることすらままならず、すぐにそのままペタンと腰をついて苦しそうに咳き込んだ蓮

桜「蓮!」

蓮…意識が戻ったのか…?
いや、そんな事よりなんでこんな所に蓮が居るんだよ
寺に居たはずだろ…?
まさかここまで無理して来たのか…?
あんな状態で…?
蓮の存在に驚いたのは俺達だけじゃなかった
蓮を見て平澤は冷酷な視線を向けていた

藍子「なんであんたがここに居るの…?
てゆうかなんでまだ生きてるの…?
とっくに死んでても可笑しくないのに…なんで!?」

蓮「…っ琉……」

苦しそうに呼吸しながらも俺を呼び手を伸ばす様な動作を見せる蓮
そんな蓮を見て平澤の怒りの矛先は蓮に向かった

平澤「…馴れ馴れしく名前を呼ばないで
見つめてんじゃないよ!
私の琉に気安く話しかけんな!くそ女!
お前みたいな女が居るから琉は私のものにならない!
しぶとすぎんだよ!
さっさと死にやがれ!」

俺に向いていた破片や木片が向きを変え、平澤は容赦なく蓮に向けて撃ち放った
蓮は当然逃げることも動くことすらままならない
この体と距離じゃ蓮の所まで間に合わない

琉「蓮っ!! 」

目の前でお前が死ぬところなんかみたくないんだよ…!
俺は届くはずもない手を懸命に伸ばしていた
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