約束の果てに

秋月

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*秋の彼岸祭り

秋の彼岸祭り#21

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その後、俺達が榊と顔を合わせたのは夕食の場面
けど、榊は気まずいのかいたたまれないのか、俺達と視線を合わせたり会話もほとんど無かった
それでもそう簡単に未練は断ち切れないみたいだな
時折、気にするように蓮に視線を向けている
さっきの事を気にして謝罪をしたい気持ちもありそうだけど、何処かやっぱり好意的な視線にも見える
はぁ…やっぱり残り数日、目を離すわけにはいかなそうだな
そして面倒な事は立て続けに起こるもので、翌日からは更に面倒事に巻き込まれる事になる
翌日、祭りも終わり俺達は今日からまた学校へいつも通り通う
片付けが残ってるが、準備の時と同様に皆、学校や仕事が終わってから取り組む事になっている
蓮と一緒にいつもより少し早い帰宅になった

琉「ただいま」

蓮と一緒にキッチンを覗くといつもある母さんの姿はなく、父さんが夕食の準備をしていた

陸人「あ、お帰り2人共」

蓮「お疲れ様です陸人さん」

琉「母さんは?」

陸人「華に客人が来てさ
だから俺がこうしてキッチンに立ってるわけ」

琉「そっか…なら俺達で先に片付け始めてるから」

陸人「あ、今日は片付けいいよ
漸く3日間の祭りが終わったんだ
皆疲れてるだろうし、今日は体を休めること
あ、でも夕食後に反省会は行うけどね」

蓮「準備も大変だったのに、早く終わらせなくて大丈夫何ですか?」

陸人「今日、手が空いた時にちょいちょい片付けていたから
それに準備に比べたら片付けなんてそこまで時間かかるものじゃないからね
全然大丈夫だよ」

まぁ、確かに

蓮「なら夕食のお手伝いしますよ」

陸人「気持ちだけで大丈夫だよ
夕食の時間までは部屋でのんびりしてな?」

琉「父さんがそう言うならお言葉に甘えるよ
蓮、行こ」

蓮「あ、うん…
陸人さんのご飯楽しみにしてますね」

陸人「そう言われたら腕がなるなぁ」

父さんと別れて俺達は部屋の方に足を進めた

蓮「陸人さんのご飯初めてだから楽しみだなぁ」

と、無邪気な様子の蓮は至っていつも通り
榊の事を気にしたり怖がっている様子は無さそう
それにしてもいつもながら本当にご飯の事ばかりだな

蓮「ねぇ、着替え終わったら琉の所行ってもいい?」

琉「なんで?」

蓮「なんでって…ただ時間あるし琉と一緒に居たいなって思って…もしかして駄目だった?」

まだ駄目とも言ってないのに少し残念そうな表情を覗かせる蓮

琉「はぁ…早とちりするなよ
別にいいよ、好きにすれば」

蓮「ほんと?迷惑じゃない?」

琉「別に」

そう答えると途端に表情が明るくなった

蓮「良かった!じゃぁ、着替えたら行くね♪」

琉「分かった」

本当に無防備と言うか…はぁ…気をつけよ

そのまま蓮と別れて、俺も自分の部屋へ
蓮が来る前に着替え済ましておかないといけない
着替えをさっさと済ませると結人からメッセージと写真が届いていた
学校帰りにまた甘いものを食べに行った報告と今度飯に行こうと言う誘い
ここ1週間、祭り事に終われていて付き合い悪かったからな…
結人に返信をしていると部屋のドアをノックする音が聞こえた
蓮が来たのかと思って、立ち上がってドアを開けると、そこには蓮じゃなくて予想もしてなかった奴が来ていた

琉「は?」

美緒「やっほー琉、来ちゃった♡」

森の登場に呆気に取られている間に森は許可もなくずかずかと部屋の中に入ってきた

美緒「お邪魔しまーす♪」

なんでこのタイミングでこいつが俺の部屋に来るんだよ

琉「おい、勝手に入ってくんなよ」

美緒「おぉ、琉の部屋ってなんだかんだ今まで入ったこと無かったから興味あったんだけど、至って普通だね~」

俺の言うことなんてまるで聞いてない様に興味津々に部屋の中を物色し始める森

琉「勝手に見たり触るな
なんなんだよいきなり
用がないなら出ていけよ」

美緒「ねぇねぇ、そういえば蓮ちゃんとはどこまでやったの?」

人の話聞いてんのかよ
部屋を見渡していたかと思えば、くるっと向きを変えて、相変わらず近い距離感でこっちの話は無視の挙げ句、いきなり意味不明な発言

琉「お前には関係ない話だろ
つーか、さっきも言ったけど用が無いなら出ていけよ」

美緒「用がないなんて言ってないよ?
用があるからこうして琉に会いに来てあげたんじゃん?」

琉「頼んでないし、お前の用なんて大したこと無いだろ
さっさと出ていけ」

美緒「ひどーい、蓮ちゃんには優しい癖に
私にも優しくしてよ
でもそんな冷たい琉も良いんだけどね♪
で、実際どこまでしたの?
キスくらいもうしたのかな?」

琉「お前に関係ないって言ってるだろ
俺達の事に関わってくんな」

美緒「うーん、まぁ確かにキスしてようが、エッチしてようが結局のところ関係ないんだけどね♪」

森のこの感じだと録な事考えてなさそうだな
得たいのしれない奴を相手してるみたいで気持ちが悪い

美緒「でも良かった~
琉ってずっと私の事も気にしてくれないから女に興味ないのかと思ってたけど、やっぱりちゃんと興味はあるんだね♪」

琉「…はぁ、時間の無駄
お前が出ていかないなら俺が出ていく」

録な事考えてない森とこれ以上一緒に居ると神経やられそう
森が出ていくとは思えないし、俺が出ていこうとした時、森に突然手を掴まれたかと思ったら予想もしてなかった力でいきなり引っ張られて、バランスを崩した俺はそのまま森に押し倒されるように床に倒れ込んだ

琉「…いっ…」

くそ…頭打った…

美緒「あ、ごめんね?痛かった?
ちょっと力加減間違っちゃった♪」

そう笑みを見せながら、気付けば俺に跨がるように見下ろしている森の姿
この状況、どこからどう見ても森に押し倒されてるようにしか見えない
くそ、油断してたとはいえなんだよこの状況
こんな所、蓮どころか誰が見ても誤解される状況だ

美緒「ふふっ、いい眺め♪」

琉「お前ふざけんのも大概にしろよ、どけ」

美緒「どなかいよ?
だってこれから琉といいことするんだもん♪」

琉「ふざけんな」

美緒「睨まれたって怖くないよ~♪
でも琉が蓮ちゃんと付き合ってて本当に良かった
だってちゃんとそうゆう事にも興味あるって知れたから♪
だいじょーぶ、私結構上手だし、やっていくうちにきっと琉も気持ちよくなるから
てゆうより、絶対気持ちよくさせてあげる♪」

そうわざわざ耳元で話す森に鳥肌が立つような嫌悪感に襲われる
森は本格的にスイッチが入ったようで、自身の服をはだけさせ始める
本当に不味いだろ
一応女相手だと思ってたけど、多少強引にでも引き離して…
そう思って居ると部屋のドアがノックされた
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