9 / 83
君が嫌いで…好きでした。
しおりを挟む
伊藤「東…東起きろ」
千菜「…ん…先生…?」
伊藤「もう3時間目が終わるぞ
それに俺これから用事があるから今日はもう保健室閉めるんだ
東もそろそろ授業行け?」
千菜「……3時間目…そんなに寝てた?」
伊藤「おぅ、むしろ寝過ぎだな。ほら荷物」
先生…用事…もう少し寝てたかった…
でもしょうがない…
私は先生から荷物を受け取って教室に向かった
ガラッ…
奏叶「あ!千菜!」
私を見るなり七瀬奏叶は近付いて声をかけてきた
私はそれを無視しながら鞄をかけて席に座った
って…いうより
昨日あれだけ酷い事言ったのにどうして笑顔で話しかけてくるんだろう…
おかしな人……
奏叶「千菜今まで何してたの?
来ないから心配した」
私の事なんて関係ないのに…
まぁ、勝手に心配しただけ
私はそんな事頼んでないし…
そして1つ分かった
七瀬奏叶はどんなに無視をしてもめげずに話しかけてくる人…
奏叶「そういえば昨日の下駄箱のやつありがとう
千菜って綺麗な字書くんだね
お金もわざわざありがとう」
……やっぱり私だってバレたみたい
だって借りを作るのは嫌だったから…
千菜「……なんの事?そんなの私知らない」
でも私は知らないふりをした
奏叶「ふーん…でもいいんだ!
俺はそう信じてるから♪じゃっ」
言うだけ言って七瀬奏叶は皆の中に戻っていった
信じてるって……
七瀬奏叶の言葉…行動、全て下らないものだと感じる
だけど…七瀬奏叶の1つ1つの言動が心に残るのは何故だろう…
私に話しかけてくる人なんて居なかったもんね…
きっとそのせい
私は教科書を広げた
先生「ここは~………であるから……」
黒板に当たるチョークの音、先生の声、小さな話し声
私は黒板をボーッと眺めていた
何も考えたくない…
ピーポーピーポー…
どこからか救急車の音が聞こえる
それはこの近くを通るようで段々と音が大きくなってきた
やめて……聞きたくない…!
激しい目眩に襲われ、記憶が走馬灯のように蘇った
思い出さないようにしていた、赤く冷たい記憶の数々が鮮明に目に焼きついていた
苦しい……嫌だ…1人にしないで…!
お母さん、お父さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、お兄ちゃん、真琴……!
私は救急車の音が聞こえなくなるまで耳を塞いだ
そして昼休み
お弁当を持っていつもの中庭に向かう
今日はお日様が出てる
雪が照らされてキラキラ輝く光景は何度も何度も見た
もうすぐ降り続いていた雪ともお別れで暖かい春がやって来る…
ベンチに座りご飯に持ってきた野菜ジュースを飲んだ
そしてご飯を終えるといつものように読書を始めた
だけど読み進めているうちに、何だか眠くなってきた…
私は眠気に勝てずそのまま目を閉じた
………シャク…シャク…シャク…
誰かの足音が近づいてるとも知らずに
…………
楓「こら千菜。こんな所で寝たら風邪引くぞ
千菜!……全くしょうがないな…」
………………暖かい……
お兄ちゃんの夢を見た
リビングの机の上で寝ていた私に優しく掛け布団をかけてくれた
お兄ちゃんの優しさが伝わってきて暖かくて心地よかった…
千菜「………………?」
目が覚めると馴染みのある中庭
私……こんな所で寝むちゃってた…?
いつも賑やかな昼休みのはずなのに静か…
ケータイを開いて時間を確認する
……やっぱりもう授業始まってる…
てゆうよりもうすぐ終わる
何やってんだろ私……
とりあえず教室に戻ろうかな
立ち上がるとパサッと何かが落ちた
パサッ…?
何が落ちたんだろうと下を見る
コート…?なんでこんなところに?
それより誰の…?
そしてもう1つ気づいてしまった
千菜「これ………」
机の上にポツンと置いてあった…白いココア
手に取ってみるともう冷たくなっていたココア
………七瀬奏叶がここに…?
じゃあこのコートも七瀬奏叶がかけてくれた物?
……告白してきて私の噂も怖がらずに近づいてきて、ココアもコートもお人好しにも程があるでしょ…
馬鹿じゃないの…
また借りが出来ちゃった…
千菜「七瀬奏叶……」
その頃から奏叶の事を考えるようになった
千菜「…ん…先生…?」
伊藤「もう3時間目が終わるぞ
それに俺これから用事があるから今日はもう保健室閉めるんだ
東もそろそろ授業行け?」
千菜「……3時間目…そんなに寝てた?」
伊藤「おぅ、むしろ寝過ぎだな。ほら荷物」
先生…用事…もう少し寝てたかった…
でもしょうがない…
私は先生から荷物を受け取って教室に向かった
ガラッ…
奏叶「あ!千菜!」
私を見るなり七瀬奏叶は近付いて声をかけてきた
私はそれを無視しながら鞄をかけて席に座った
って…いうより
昨日あれだけ酷い事言ったのにどうして笑顔で話しかけてくるんだろう…
おかしな人……
奏叶「千菜今まで何してたの?
来ないから心配した」
私の事なんて関係ないのに…
まぁ、勝手に心配しただけ
私はそんな事頼んでないし…
そして1つ分かった
七瀬奏叶はどんなに無視をしてもめげずに話しかけてくる人…
奏叶「そういえば昨日の下駄箱のやつありがとう
千菜って綺麗な字書くんだね
お金もわざわざありがとう」
……やっぱり私だってバレたみたい
だって借りを作るのは嫌だったから…
千菜「……なんの事?そんなの私知らない」
でも私は知らないふりをした
奏叶「ふーん…でもいいんだ!
俺はそう信じてるから♪じゃっ」
言うだけ言って七瀬奏叶は皆の中に戻っていった
信じてるって……
七瀬奏叶の言葉…行動、全て下らないものだと感じる
だけど…七瀬奏叶の1つ1つの言動が心に残るのは何故だろう…
私に話しかけてくる人なんて居なかったもんね…
きっとそのせい
私は教科書を広げた
先生「ここは~………であるから……」
黒板に当たるチョークの音、先生の声、小さな話し声
私は黒板をボーッと眺めていた
何も考えたくない…
ピーポーピーポー…
どこからか救急車の音が聞こえる
それはこの近くを通るようで段々と音が大きくなってきた
やめて……聞きたくない…!
激しい目眩に襲われ、記憶が走馬灯のように蘇った
思い出さないようにしていた、赤く冷たい記憶の数々が鮮明に目に焼きついていた
苦しい……嫌だ…1人にしないで…!
お母さん、お父さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、お兄ちゃん、真琴……!
私は救急車の音が聞こえなくなるまで耳を塞いだ
そして昼休み
お弁当を持っていつもの中庭に向かう
今日はお日様が出てる
雪が照らされてキラキラ輝く光景は何度も何度も見た
もうすぐ降り続いていた雪ともお別れで暖かい春がやって来る…
ベンチに座りご飯に持ってきた野菜ジュースを飲んだ
そしてご飯を終えるといつものように読書を始めた
だけど読み進めているうちに、何だか眠くなってきた…
私は眠気に勝てずそのまま目を閉じた
………シャク…シャク…シャク…
誰かの足音が近づいてるとも知らずに
…………
楓「こら千菜。こんな所で寝たら風邪引くぞ
千菜!……全くしょうがないな…」
………………暖かい……
お兄ちゃんの夢を見た
リビングの机の上で寝ていた私に優しく掛け布団をかけてくれた
お兄ちゃんの優しさが伝わってきて暖かくて心地よかった…
千菜「………………?」
目が覚めると馴染みのある中庭
私……こんな所で寝むちゃってた…?
いつも賑やかな昼休みのはずなのに静か…
ケータイを開いて時間を確認する
……やっぱりもう授業始まってる…
てゆうよりもうすぐ終わる
何やってんだろ私……
とりあえず教室に戻ろうかな
立ち上がるとパサッと何かが落ちた
パサッ…?
何が落ちたんだろうと下を見る
コート…?なんでこんなところに?
それより誰の…?
そしてもう1つ気づいてしまった
千菜「これ………」
机の上にポツンと置いてあった…白いココア
手に取ってみるともう冷たくなっていたココア
………七瀬奏叶がここに…?
じゃあこのコートも七瀬奏叶がかけてくれた物?
……告白してきて私の噂も怖がらずに近づいてきて、ココアもコートもお人好しにも程があるでしょ…
馬鹿じゃないの…
また借りが出来ちゃった…
千菜「七瀬奏叶……」
その頃から奏叶の事を考えるようになった
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる