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君が嫌いで…好きでした。
しおりを挟む奏叶「なんだか嬉しかった
1年の時はクラスが離れてて噂を少し聞くぐらいだったから
何て言うかな…やっと近づけると思った
どんな子なんだろうってずっと千菜の事見てた
噂が本当かどうかなんて千菜を見てればすぐ分かった
周りも千菜の事を避けてたけど誰よりも周りを避けてたのは千菜だって分かった
俺にあんな風に言ったのは千菜がそれだけ辛い思いをしたんだって
そして…もう誰かが自分のせいで死んで欲しくないから1人で居るんだって」
……どうして奏叶はいつも話してもない私の気持ちを読み取るんだろう
噂のせいで誰も私に近づかなくて…それはそれで悲しかったけど誰かが死ぬよりはよかった
奏叶「…徐々に人殺しなんて噂も流れたけど俺は信じなかった
あの時あんな風に俺に言ってくれた千菜が人殺しのわけない
それで…いつかの昼休みにさ
俺、自販機に飲み物買いに行って戻るときに裏庭でご飯食べてる千菜を見つけたんだ」
――――…葉っぱが紅葉していて少し寒くなってきた秋だった
あ…千菜だ
いつも昼休み教室に居ないと思ったらここでご飯食べてたんだ
もしかしていつもここに1人で…?
その時一匹の子猫が千菜に近づいていった
千菜「おいで?」
千菜が手を出すと子猫はスンスンと匂いを嗅いでた
千菜「お腹空いてるの?これ食べる?」…―――
奏叶「自分のパンをちぎって子猫にあげてる時にさ千菜…笑ってたんだよ
初めて千菜が笑ってるのを見た
子猫に対してあんなに優しく笑うんだって知った
やっぱり千菜は優しい子なんだって…
そこで初めて気付いた
千菜の事が好きだって…
俺は千菜に救われたし助けられた
だから今度は俺が千菜を助けてあげたいって思った
あの時みたいにまた笑ってほしいって…
だから何度千菜に突き放されても諦めない
絶対に千菜を助けるまで諦めてたまるかって
だってさ、千菜の事助けられるの俺しか居ないでしょ?」
奏叶はにっと笑った
どこからそんな自信が出てくるんだろう
いつも怖かった
まるで暗くて長いトンネルに居るみたいだった
ずっとずっと出口のないトンネルをひたすら歩いてた
だけど出口を見つける事が出来なくて…
いつしか歩くことをやめてしまった
私はずっとここに居るんだって…諦めていた
だけど…突然現れた光
その光の中から千菜って私の名前を呼ぶ
奏叶「千菜っ行こう!」
歩くことをやめていた私の手を引いて走り出した
ようやく抜け出たトンネルの外はキラキラしていてとても眩しかった…
こんな事初めてだよ…
だからどうしていいか分からない
だけどこれだけは言える…
千菜「ありがとぅ…っ」
ずっと暗闇の中に居た私を奏叶は連れ出してくれた
奏叶だけが私を見つけてくれた…嬉かった
奏叶が連れ出してくれた世界を奏叶と一緒に見ていきたい
もう怖がるのはやめよう…もう逃げるのはやめる
もう1度信じてみよう
千菜「奏叶…私の話…聞いてくれる?」
奏叶は話してくれた
私も向き合わなきゃいけない
大丈夫、きっと奏叶になら話せる
思い出さないようにしていた赤く暗い過去の記憶…
奏叶「うん…大丈夫だから千菜」
奏叶の優しい笑顔に少しだけホッとした…
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