君が嫌いで…好きでした。

秋月

文字の大きさ
21 / 83

君が嫌いで…好きでした。

しおりを挟む
校舎に授業の始まりのチャイムが鳴り響く
騒がしかった声も消え、シンとした校舎の屋上に私達は居る
私と奏叶の2人だけ…


奏叶「さっきも言ったけど千菜の気持ちは少しは分かるよ
俺にも…冬真とうまって弟が居たんだけど1年前に事故で死んだんだよ

いつも一緒に遊んだりさ
自分で言うのもあれだけど結構仲良かったんだよ
喧嘩もしたけどいつの間にか仲直りしてさ…勉強も教えてやったり…俺にとって大事な弟だったんだよ

なのに事故にあっちゃってさ…
変わり果てた冬馬に会った時はただ…絶望したよ
当然居なくなるなんて想像もしてなかったし…

悔しかったよ
大事な弟を守ることができなくてただ…悔しかった
だから千菜の気持ちは何となくだけど分かるんだ
その心の痛みも…恐怖も…

俺に比べたら千菜はもっと沢山のものを無くしてるんだもんね…
それなのに分かったような事言ってごめん…」


奏叶が…弟を亡くしてたなんて知らなかった
奏叶が私みたいに辛い思いをしてるなんて思わなかった
だって…どんな時でも笑っていたから


千菜「奏叶は…なんで私にそこまで気にかけてくれるの?どうして私を好きだと言ったの…?」


私を好きになる理由なんてない
噂のせいでいつも教室の隅に1人で居た私を…どうして見つけたの?


奏叶「…冬馬が死んだのは俺が1年の時だった
大事な家族を無くせばそれなりに落ち込む
周りの奴等はそんな俺を見て、可哀想だったね、でも大丈夫だよって笑って声をかけてきた

周りの奴等は俺を励まそうとしたんだろうけど内心ムカついた…
可哀想ってなんだよ…冬馬の気持ちがお前等に分かるのかよ
大丈夫って何が大丈夫なんだよ…
なんで…笑ってそんな事言えんだよって…

そしたらさたまたま廊下を歩いてた女の子がさ周りの奴等に言ったんだよ
"可哀想なんかじゃない
一生懸命生きた事を馬鹿にしないで
居なくなった人の気持ちも残された人の気持ちも何も知らない癖に笑ってそんな事言わないで"って…
覚えてない?
それが千菜だったんだよ」


千菜「え…?」


奏叶「やっぱり覚えてないか…
いきなり現れてそんな事を言うなんて誰こいつって思ったけど、なんだか…心が軽くなったような感覚だった
そして目が会った時千菜は俺に言ったんだよ

"辛くても…でも一緒に居た時間や思い出は無くならない
きっとあなたもその人も幸せだったんだから"って…
それだけ言うと千菜はどっか行っちゃったけど…俺は涙が出た
皆は冬馬を死んだって言ってるのに対して千菜はまるで冬馬がまだ生きてるみたいに言ったんだ」


―――「何あいつ…急に現れてなんなの?」


湊「…あいつってあれじゃね?
例の噂の!4組の東 千菜!」


「あぁ!私その噂知ってる!」


奏叶「噂…?」


湊「かな知らないのかよ
あいつに関わる奴は必ず死ぬらしいぜ?」


奏叶「死ぬ…?んな事あるかよたかが噂だろ?」


「それがそうじゃないんだって!
聞いた話じゃあの子の家族や恋人も全員亡くなってるらしいよ!」


「えー怖いって!
さっき話しかけられたけど大丈夫かなぁっ?」


家族や恋人?さっきの子が?
東…千菜…――


千菜「私…そんな事…」


奏叶「覚えてなくても俺は覚えてるよ
俺はその時から千菜の事気になってた
そして2年になって千菜と同じクラスになったんだ」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

優しい雨が降る夜は

葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン 無自覚にモテる地味子に 余裕もなく翻弄されるイケメン 二人の恋は一筋縄ではいかなくて…… 雨降る夜に心に届いた 優しい恋の物語 ⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡ 風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格 雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以
恋愛
 交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。  2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。  愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。 「その時計、気に入ってるのね」 「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」 『お揃いで』ね?  夫は知らない。  私が知っていることを。  結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?  私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?  今も私を好きですか?  後悔していませんか?  私は今もあなたが好きです。  だから、ずっと、後悔しているの……。  妻になり、強くなった。  母になり、逞しくなった。  だけど、傷つかないわけじゃない。

すべてはあなたの為だった~狂愛~

矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。 愛しているのは君だけ…。 大切なのも君だけ…。 『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』 ※設定はゆるいです。 ※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...