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君が嫌いで…好きでした。
しおりを挟む湊「はぁ…何だかすげー疲れた…
そいや全力で走ってたわ…」
奏叶「ははっ、それはお疲れさん
お前この後どうするんだよ?授業戻るの?」
湊「いやー無理無理、サボる
疲れたからここでしばらく寝てる
お前らはどうするんだよ」
奏叶「授業には戻らないけど、俺達は行く場所があるから」
え、行く場所…?それってどこ…?
湊「あっそ…勝手に行ってこいよ」
奏叶「今日暖かいからってこんな所で寝て風邪引くなよ
ま、馬鹿は風邪引かないって言うけどね
ほら、千菜行こう?」
奏叶はためらうことなく私に手を差し出してきた
湊「一言余計なんだよかなは…
東!かなの事傷付けたら許さねぇからな
それだけ覚えておけよ」
千菜「分かった…」
私は奏叶の手に自分の手を重ねて、一緒に屋上を出た
………バタン…
湊「あーあっ…俺こんなキャラだったっけ…」
1人残された湊は空を仰ぎながらそう呟いた
―――…繋いだ手から伝わる温度
奏叶の温もり…躊躇することなく重ねられた手
自分の受け入れの早さにちょっとびっくりかも…
さっきまで学校の中に居るのが窮屈で苦しくて仕方なかった
だけど今は平気
それはきっと奏叶が居るから
本当…こんな事になるなんて思いもしなかった
最初は君の事が大嫌いだった
馴れ馴れしいし意味が分からなくて…
でもね…今は君の事を知る度に…
君に近づく度に好きになっていくの
こんなのおかしいよ…私馬鹿みたい…
ってそんな事より…っ
千菜「ねぇ…何処に向かってるの?」
行くところがあるって…一体何処に向かってるの…?
私には検討もつかない
奏叶「ん?保健室だよ」
保健室…?
なんでそんなところに…もしかして…
千菜「怪我っ…痛むの…?」
さっき私が突き飛ばしちゃったから…
奏叶「あー違う違う
怪我なら大したことないし大丈夫だよ
用があるのは保健室じゃなくて伊藤センセ!」
保健室じゃなくて伊藤先生に用事…?
それってどうゆう事なんだろ…
千菜「伊藤先生に用事って…?」
奏叶「んー…宣戦布告?」
……やっぱり奏叶は馬鹿なのかな
宣戦布告って一体何を宣戦布告する気?
まず宣戦布告の意味分かってるのかな…この人…
そんな事考えてる間に保健室に着いてしまった
さっき先生の事を無視したから…顔合わせにくいな…
怒ってるかな…
――ガラ
ドアを開けて私達に気付くと伊藤先生はガタッと音を立てて椅子から立ち上がった
伊藤「東っ…と誰かと思ったらさっきの生意気なガキ」
先生は私を見ると安心そうな顔をした
私達は手を繋いだまま保健室に入る
こんな所見られるなんて…恥ずかしい…
離してって言いにくいし…奏叶も離すつもり無さそう…
奏叶「ガキじゃないし」
伊藤「俺からしたらお前らなんてまだ子どもだよ
…その様子じゃうまくいったみたいだな
それで?わざわざ見せつけるように2人で手を繋いで…もしかして付き合ってるのか?」
付き合ってる…?
そういえばどうなんだろう…
奏叶と一緒に居たいと思った
私は奏叶が好きだと思った
だけどそういえば私…奏叶に直接告白の返事してないよね…
奏叶「そうだよ」
え……?
迷いもないまっすぐな横顔…
その横顔が本当なんだと思わされた
それがなにより嬉しかった
伊藤「ふーん…東、そうなのか?」
私は先生の問いかけに頷いて返した
伊藤「…そっか
東がそう決めたんなら俺は応援するよ」
そう言って伊藤先生は私の頭を撫でた
いつもと変わらない優しい笑顔で…
千菜「先生…怒ってないの?」
伊藤「怒る?なんで?」
千菜「だって…さっき先生の事…無視したから…」
伊藤「そんな心配してたのか?
そんな事で怒らないよ
理由があったんだろ?ちゃんと分かってるよ」
千菜「ありがとう…先生…」
奏叶「…いつまで千菜に触ってんの
いい加減離れろ変態教師」
伊藤「お前な…教師に対して少し生意気
余裕ない男は嫌われるぞ」
奏叶「余計なお世話」
この2人気が合わないみたい…
まるで反発する磁石みたい
伊藤「…ふぅ、生意気なガキは兎も角
さっきも言ったように東がそう決めたんなら俺は応援する
東、と…七瀬俺からのアドバイスだ
1度決めたなら最後まで貫き通せ
俺はお前等の未来がどんなものか見届けることにするよ」
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