君が嫌いで…好きでした。

秋月

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君が嫌いで…好きでした。

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「とぼけないでよ分かってるでしょ?
奏叶の事だよ」


……分かるわけない
貴方達が何を考えてるかなんて


「私達はずっと奏叶の事が好きだったの
なのになんであなたと一緒に…」


なんで私にそんな事言うのか理解できない
好きなら奏叶みたいにぶつかればいいのに


「まさか付き合ってる訳じゃないよね」


「なんとか言ったら?」


千菜「…貴方達に言う義理はない」


なんて自分勝手な人達…
自分達の想いが届かないからってこんなやり方しか出来ない
本当に……


千菜「馬鹿みたい」


「な…っ」


こんな人達怖くない
私は間違ってない
ならこの際全部言う


千菜「馬鹿みたいって言ったの
散々噂を怖がってた癖に都合よく声をかけてきて…
好きな人取られたからって
そうやって集まって影でこんな風にするしか出来ないの?
馬鹿じゃないの」


「なにっ…こいつムカつく!」


「奏叶は私達の物だったんだよ!」



千菜「物…?奏叶は貴方達の物なんかじゃない
そんな風に言う貴方達には絶対に奏叶は渡さない」


「こいつっ!」


「やっちゃえ!」


バケツに水…!?かけられる…っ

―――…バシャッ…ポタ…ポタ…

水が落ちる音が聞こえる
でも不思議…冷たくないの


「えっ…!?」


「なんで…っ」


女子達の声がわずかに震えているのが分かった
一体何が…
ゆっくり目を開けると私の前に水をかぶってビショビショに濡れている奏叶と湊の姿があった

どうして2人が…まさか私を庇ってくれた…?


湊「…つめてぇ。しかもビショビショだよ」


「ぁ…なんで…なんで湊と奏叶が…」


奏叶「間に合って良かった
で…どうゆう事か説明してくれる?」


奏叶…いつもより声が少し低い…
もしかして怒ってるの?


「ち…違うの奏叶!せ、先生に掃除頼まれて…!
そしたら滑って…!」



湊「そんな嘘臭い言い訳どうでもいいわ
この状況で誤魔化そうとするお前等がすげーわ
最悪だなお前ら」


まるで軽蔑するように睨み付ける湊


「な…なんなの!?
大体なんで湊までそいつの事庇ってんの!?」


「そうだよ!
湊だって東さんの事散々言ってた癖に!!」


湊「うるせぇよ。状況が変わったんだよ
誤解だったんだよ
それに…友達は助けるもんだろ」


湊…


「は!?友達!?頭おかしいんじゃないの!」


湊「お前等に言われたかねぇよ
さっさと消えろ」


奏叶「次、千菜になにかしたら今度は許さないからね」


女の子達は言い返せなくなって、逃げるように走っていった


奏叶「千菜大丈夫?何もされなかった?」


奏叶が少し心配そうに顔を除き混んできた


奏叶「にしても間に合って良かった
湊サンキュー」


湊「だから言ったろ
てか寒っ!!くそービショビショだよ!たくっ…」


人の心配ばかりで…何が大丈夫?なの…
自分達の方が大丈夫じゃないじゃん…

私は2人の袖を掴んだ


千菜「保健室にタオルがある
早く行こ…そのままじゃ風邪引いちゃう…」

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