君が嫌いで…好きでした。

秋月

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君が嫌いで…好きでした。

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もぐもぐと餌に食らいつくチョコ
そんなチョコの様子を興味津々に奏叶は見ていた


奏叶「おぉ!食べてる!食べてる!
こうして見てると可愛いね」


千菜「…チョコは去年の春から飼ってるの
ずっと売れ残ってたこの子を…1人ぼっちだったこの子をほっとけなくて
チョコは今の私にとってかけがえのない大切なたった1人の家族なの」


ずっと一緒に居た
寂しい時も…嬉しい時も…ずっと一緒に過ごしてきた大切な家族


奏叶「ふーん…なんかいいねそうゆうの
ね千菜、俺もチョコに触ってみていい?」


千菜「…怖くて触れないんじゃないの?」


奏叶「千菜の家族なんでしょ?
だったら俺も仲良くなりたい」


そう言って奏叶はゆっくりチョコに手を近づけた
ゆっくり奏叶が手をチョコに近づける
だけどその手はチョコの手前で止まってしまった

やっぱり怖いんだ…
ちっちゃくてふわふわして可愛いのに、触るだけであんな必死な顔して…

私はそっと奏叶の手を支えた


奏叶「千菜…!?」


千菜「静かに。私も手伝ってあげるからそのまま…」


奏叶はコクッと頷いた
私はゆっくり奏叶の手の上に乗せた
奏叶は少しびくびくしている…
何だかそれがほんの少し面白かった


千菜「大丈夫。優しく撫でてみて」


奏叶はゆっくりとチョコの頭を撫でた


奏叶「お…おぉ…」


チョコは気持ちよさそうに目を閉じていた
大丈夫そうだったから奏叶からそっと手を離した


千菜「感想は?」


奏叶「すごい気持ち良い…なにこいつ、超可愛いじゃん
こんな小さい体で一生懸命生きてんだよね
なんか…超感動した」


そこなの?やっぱり奏叶って


千菜「変な人…」


奏叶「おりゃ、チョコ気持ち良いか?」


慣れるの早い
さっきまですごいびくびくしてたのに…
すっかりチョコとじゃれあってる


奏叶「千菜具合どんな?吐き気とか大丈夫?」


千菜「うん…だけどまだ少しフラフラするかな…」


奏叶「そっか…なんか用あったら言って
俺、何でもするから!」


千菜「うん…奏叶…私は大丈夫だからもう帰りなよ
20時過ぎちゃったよ?」


そう言うと奏叶はピタッと動きを止めて黙ってしまった

…なに?


奏叶「あの…それなんだけどさ…
千菜が心配だから…もし千菜が良かったら…泊めて貰ってもいい?」


千菜「ぇ…?泊まる…?」


奏叶「うん。千菜1人にしとくと何かあるかもしんないし、まだ熱も結構あるんだから
それに…こうゆう時って誰か居ないと寂しいでしょ?」


……奏叶って時々本当に心を読んでるんじゃないかって思う
今日…ずっと風邪を引いて寝ている間すごく1人なんだと感じて寂しかった
時間が過ぎていくうちにもうすぐ奏叶が帰っちゃうのかなってどこかで思って…寂しくなった


奏叶「…やっぱり図々しかった?」


千菜「…そこのクローゼットの中に布団が1組入ってるからそれでも良いなら使って…
床で寝ることになっちゃうけどそれでもいい…?」


そう言うと奏叶は嬉しそうに言った


奏叶「本当!?ありがとう千菜!」


奏叶の笑顔を見て…私の中で何かが熱くなるのを感じた
私はポスッとベットに横になった

なんだろ…熱上がってるのかな
それとも奏叶が私の何かを熱くさせてるのかな…
この熱はどっちなんだろう…


奏叶「じゃ、電気消すよ?
具合悪くなったらすぐ言ってよ」


千菜「うん…」


奏叶「おやすみ千菜」


千菜「…おやすみ…」


行ってきますやただいまをチョコに言うことはあっても、誰かにおやすみを言ったのは随分と久しぶりな気がしてなんだか不思議な気分

それにベットに寝るのも久しぶり…かな
いつも机でそのまま寝ちゃってるから…
…いつも少しだけ暗闇が苦手だった
この暗い空間に1人ぼっちなんだと思わされたから
1人だと余計なことまで考えちゃって…
今は奏叶がいてくれて…少し安心してる
変なの…

私はゆっくり目を閉じて深い眠りについた
そしていつの間にか夢を見ていた


千菜「ここは公園…?」


小さな公園に私だけが立ってる
何処と無く見覚えがある
小さい頃家族で良く来ていた公園に似てる


千菜「誰も居ない…」


公園なら子ども達が遊んでいてもいいはずなのに…すごく静か
辺りを見回していると後ろから私を呼ぶ声が聞こえた

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