51 / 83
君が嫌いで…好きでした。
しおりを挟む
教室で千菜を待ってるとしばらくして千菜が戻ってきた
もしかしたら湊と一緒なのかもと思ったけどが湊は一緒じゃなかったのを見てどこかホッとしている自分が居た
湊と千菜を思ってやっていることなのにこんなに気になって不安になるなんてなんて自分勝手なんだろな俺は…
千菜「奏叶…」
奏叶「どこか行ってたの?戻ってきたら居ないからビックリした」
千菜「…ごめん」
千菜はそれ以上何も言わなかった
ごめんって…なんで謝ったんだろう
そして放課後になった
湊は授業が終るなり鞄を持って出ていった
こんな風に喧嘩をするのも珍しいのにあんなに怒らせて…自業自得だよな
奏叶「千菜帰ろう」
千菜「…ごめん。今日は用事あるから先帰って…」
千菜がそんな事を言うなんて珍しい
用事って何だろう
千菜に聞きたかったけど聞いちゃいけない気がした
奏叶「そっか。分かった。気を付けてね」
そう言うと千菜は教室を出ていった
―――奏叶…何だか寂しそうな顔してた
湊も終るなり帰っちゃって今日も奏叶と一言も話してなかった
私が奏叶と別れてやって来たのは中庭
ここで1人でお弁当を食べてる時、寒いのにわざわざ奏叶は私に会いに来て話しかけてくれた
私の好きなココアをくれたりコートをかけてくれたり…
玄関で雪うさぎを一緒に作ったりもした
いつも1匹だけの雪うさぎの隣にいびつな雪うさぎが並んでいた
あの時の奏叶の言葉は自分の中に響いた
校舎の裏で女子に絡まれてる時に2人が庇ってくれた
寒いのにびしょ濡れになって体を張ってくれた
保健室で私が倒れた時は家まで送ってくれてご飯まで作ってくれた
屋上では初めて奏叶と心が通じ合えて湊とも友達になる事が出来た
人を避けて1人ぼっちだった私に辛いことも楽しいことも教えてくれた大切な2人だから…だからこのままでいいわけない
私はあの2人の事が大切だから…私に出来ることを…今度は私が2人を助けたい
校内の思いで巡りを終えるともう日が沈み初め夕焼けの綺麗なオレンジ色の空になっていた
教室に戻ってドアを開けるとそこには先に帰ったはずの奏叶の姿があった
奏叶「千菜!良かった…遅いから心配しちゃった」
千菜「奏叶?先に帰ったはずじゃ…」
奏叶「うん…そう思ったんだけどやっぱり千菜が心配でさ」
夕焼けに染まる君の笑顔
こんな私をずっと思い続けてくれた君が最初はうっとおしくて大嫌いだったけど今はいとおしく思えるほど好きになった
私はゆっくり奏叶に近寄って抱き付いた
そんな事をしたのは初めてだった
奏叶「千菜…!?どうしたの?」
少し動揺してるような奏叶の声
でもそっと抱き締めてくれた
とても暖かくて嬉しかった
千菜「…奏叶」
奏叶「なに?」
千菜「別れよう…」
例え君を傷つけても…私は…
奏叶は驚いた顔で私を見た
奏叶「…千菜…それ本気…?」
千菜「冗談でそんな事言わない」
奏叶「そ…か。分かった。千菜がそう決めたなら俺はそれを受け入れるよ」
今までしつこく付きまとってたのが嘘みたいに奏叶はあっさり受け入れた
やっぱり奏叶は…
千菜「…さようなら」
私は鞄を持って教室に奏叶を残して先に教室から出ていった
学校を出て久しぶりに帰り道を1人で歩いた
最近はずっと3人一緒だったから…
何だか変な感じ…ただ1人に戻っただけなのに、自分で決めたことなのに寂しいと感じてしまうなんて
涙が出そうになってしまう
奏叶…あんな事言ってどう思ったかな…
でもあれが私の思いつく一番の方法だから…
家に着くと玄関前に座り込んでいる人が居た
湊「遅い。何してたんだよ」
千菜「湊…なんで…」
湊「別に…お前の事が少し気になったから」
そんな事の為にわざわざ私が帰ってくるのを待っていたの…?
湊「急にあんな事してビックリしたかと思ってさ。でもちょっと安心したわ」
千菜「……」
湊は立ち上がって私に歩み寄って来た
湊「困らせたい訳じゃないからさ。でも本気だから。じゃ、顔見たら安心した。また明日な」
湊は私の頭をポンと撫でるとそのまま帰っていった
私が困ってるかと思ってわざわざ待っていてくれたんだ
やっぱり湊は優しいよ
ガチャ
千菜「ただいまチョコ」
とりあえずご飯にしようかな…
何食べよう…
その後ご飯を食べてお風呂に入った
そしていつものようにキャンドルを並べ火をつけ、楓が残してくれた私の大好きな曲のオルゴールを流した
落ち着く時間…だけど昨日から色んな事があった
湊の気持ち、奏叶の気持ち
凄く仲良かったのにこんな風にすれ違ってしまうなんて…
そう思うと胸が締め付けられる
チョコ「きゅうきゅう…」
千菜「チョコ聞いて。昨日から2人が喧嘩して口も聞かなくなっちゃったの
2人と知り合って全然だけど…それでも凄く仲良いって私知ってる
だからね私2人を仲直りさせたいの
上手くいくか分からないけどでもこんな私と仲良くしてくれた2人だから今度は私が2人に何かしてあげたい」
チョコ「きゅうきゅう…」
千菜「こんな時伊藤先生が居てくれたらもっといいアドバイスくれただろうな…
先生に会いたいな…」
先生だけじゃない
みんなに…もう一度会いたい
だめだめ…そんな事考えても仕方ない
今は奏叶と湊の事が最優先なんだから
そして次の日を迎えた
朝食は野菜ジュース一本
制服に着替えて…よし準備出来た
千菜「チョコ行ってくるね」
外に出ると眩しい光に包まれた
何かが起こりそうないい天気
きっと上手くいきますように
もしかしたら湊と一緒なのかもと思ったけどが湊は一緒じゃなかったのを見てどこかホッとしている自分が居た
湊と千菜を思ってやっていることなのにこんなに気になって不安になるなんてなんて自分勝手なんだろな俺は…
千菜「奏叶…」
奏叶「どこか行ってたの?戻ってきたら居ないからビックリした」
千菜「…ごめん」
千菜はそれ以上何も言わなかった
ごめんって…なんで謝ったんだろう
そして放課後になった
湊は授業が終るなり鞄を持って出ていった
こんな風に喧嘩をするのも珍しいのにあんなに怒らせて…自業自得だよな
奏叶「千菜帰ろう」
千菜「…ごめん。今日は用事あるから先帰って…」
千菜がそんな事を言うなんて珍しい
用事って何だろう
千菜に聞きたかったけど聞いちゃいけない気がした
奏叶「そっか。分かった。気を付けてね」
そう言うと千菜は教室を出ていった
―――奏叶…何だか寂しそうな顔してた
湊も終るなり帰っちゃって今日も奏叶と一言も話してなかった
私が奏叶と別れてやって来たのは中庭
ここで1人でお弁当を食べてる時、寒いのにわざわざ奏叶は私に会いに来て話しかけてくれた
私の好きなココアをくれたりコートをかけてくれたり…
玄関で雪うさぎを一緒に作ったりもした
いつも1匹だけの雪うさぎの隣にいびつな雪うさぎが並んでいた
あの時の奏叶の言葉は自分の中に響いた
校舎の裏で女子に絡まれてる時に2人が庇ってくれた
寒いのにびしょ濡れになって体を張ってくれた
保健室で私が倒れた時は家まで送ってくれてご飯まで作ってくれた
屋上では初めて奏叶と心が通じ合えて湊とも友達になる事が出来た
人を避けて1人ぼっちだった私に辛いことも楽しいことも教えてくれた大切な2人だから…だからこのままでいいわけない
私はあの2人の事が大切だから…私に出来ることを…今度は私が2人を助けたい
校内の思いで巡りを終えるともう日が沈み初め夕焼けの綺麗なオレンジ色の空になっていた
教室に戻ってドアを開けるとそこには先に帰ったはずの奏叶の姿があった
奏叶「千菜!良かった…遅いから心配しちゃった」
千菜「奏叶?先に帰ったはずじゃ…」
奏叶「うん…そう思ったんだけどやっぱり千菜が心配でさ」
夕焼けに染まる君の笑顔
こんな私をずっと思い続けてくれた君が最初はうっとおしくて大嫌いだったけど今はいとおしく思えるほど好きになった
私はゆっくり奏叶に近寄って抱き付いた
そんな事をしたのは初めてだった
奏叶「千菜…!?どうしたの?」
少し動揺してるような奏叶の声
でもそっと抱き締めてくれた
とても暖かくて嬉しかった
千菜「…奏叶」
奏叶「なに?」
千菜「別れよう…」
例え君を傷つけても…私は…
奏叶は驚いた顔で私を見た
奏叶「…千菜…それ本気…?」
千菜「冗談でそんな事言わない」
奏叶「そ…か。分かった。千菜がそう決めたなら俺はそれを受け入れるよ」
今までしつこく付きまとってたのが嘘みたいに奏叶はあっさり受け入れた
やっぱり奏叶は…
千菜「…さようなら」
私は鞄を持って教室に奏叶を残して先に教室から出ていった
学校を出て久しぶりに帰り道を1人で歩いた
最近はずっと3人一緒だったから…
何だか変な感じ…ただ1人に戻っただけなのに、自分で決めたことなのに寂しいと感じてしまうなんて
涙が出そうになってしまう
奏叶…あんな事言ってどう思ったかな…
でもあれが私の思いつく一番の方法だから…
家に着くと玄関前に座り込んでいる人が居た
湊「遅い。何してたんだよ」
千菜「湊…なんで…」
湊「別に…お前の事が少し気になったから」
そんな事の為にわざわざ私が帰ってくるのを待っていたの…?
湊「急にあんな事してビックリしたかと思ってさ。でもちょっと安心したわ」
千菜「……」
湊は立ち上がって私に歩み寄って来た
湊「困らせたい訳じゃないからさ。でも本気だから。じゃ、顔見たら安心した。また明日な」
湊は私の頭をポンと撫でるとそのまま帰っていった
私が困ってるかと思ってわざわざ待っていてくれたんだ
やっぱり湊は優しいよ
ガチャ
千菜「ただいまチョコ」
とりあえずご飯にしようかな…
何食べよう…
その後ご飯を食べてお風呂に入った
そしていつものようにキャンドルを並べ火をつけ、楓が残してくれた私の大好きな曲のオルゴールを流した
落ち着く時間…だけど昨日から色んな事があった
湊の気持ち、奏叶の気持ち
凄く仲良かったのにこんな風にすれ違ってしまうなんて…
そう思うと胸が締め付けられる
チョコ「きゅうきゅう…」
千菜「チョコ聞いて。昨日から2人が喧嘩して口も聞かなくなっちゃったの
2人と知り合って全然だけど…それでも凄く仲良いって私知ってる
だからね私2人を仲直りさせたいの
上手くいくか分からないけどでもこんな私と仲良くしてくれた2人だから今度は私が2人に何かしてあげたい」
チョコ「きゅうきゅう…」
千菜「こんな時伊藤先生が居てくれたらもっといいアドバイスくれただろうな…
先生に会いたいな…」
先生だけじゃない
みんなに…もう一度会いたい
だめだめ…そんな事考えても仕方ない
今は奏叶と湊の事が最優先なんだから
そして次の日を迎えた
朝食は野菜ジュース一本
制服に着替えて…よし準備出来た
千菜「チョコ行ってくるね」
外に出ると眩しい光に包まれた
何かが起こりそうないい天気
きっと上手くいきますように
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる