君が嫌いで…好きでした。

秋月

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君が嫌いで…好きでした。

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湊に話して少し気が楽になった気がするけど不安は消えなかった
結局その日もほとんど眠る事はなくそのまま朝を迎えた
アパートの前で奏叶達を待ってると立ちくらみに教われた
ここ最近ちゃんと眠ることが無かったからきっとそのせいかな…
倒れて2人に迷惑かけないようにしなきゃ…

奏叶「おはよ千菜!今日も早いね」

千菜「おはよ…」

湊「はよ。早く学校行こうぜ」

何か話ながら学校に向かったけど何を話したかほとんど覚えてなかった
学校に着いて靴を履き替えてる時だった
激しい立ちくらみに襲われて私はバランスを崩してしまった
とっさに奏叶が支えてくれたから怪我はなかったけど…

千菜「…ありがと…」

その時には意識もうろうだった

奏叶「千菜…具合悪い?」

湊「寝不足なんだよ
詳しい事は後で話すからとりあえず保健室に運ぶぞ」

奏叶「分かった」

私は奏叶に抱き抱えられて保健室のベットまで運ばれた
保健室に着く頃には私は既に眠りについていた

鈴村「ぐっすり眠ってるみたい
大丈夫。千菜ちゃんの事は私に任せて」

奏叶「お願いします」

千菜を鈴村先生に任せて俺達は保健室を後にした

湊「かな、屋上行こう。そこで全部話してやるよ」

―屋上

奏叶「で?千菜が倒れたのは寝不足が原因?」

湊「あれ?何か聞いてたのか?」

奏叶「いや…でも最近の千菜の様子見てれば気づくよ。クマも少し出来てたみたいだし」

湊「かな、前に言ってただろ
あいつが夢でうなされてたって」

奏叶「あぁ…家族の名前を苦しそうにずっと呼んでた」

湊「今回の事もその夢が原因らしい
昨日の夜中にあいつと偶然会ってさ、最近様子も変だったし事情聞いてみたら亡くなった家族や彼氏が消えてくんだってさ
それだけじゃない
最近は高梨さん、鈴村先生、そして俺や奏叶まで消えていくらしい」

奏叶「それって…」

湊「事情を知っていれば誰だってそう考えるのが妥当だろ
ましてや千菜の事だから尚更だ」

奏叶「俺達が死ぬ…そう思って当然だな」

湊「あいつが怖くて不安で眠れなくなるのはあいつの性格を知ってれば考えなくても分かる事だ
だけど俺達がちゃんとあいつの不安に気付いてやれなかったから今日こんな事になった」

奏叶「千菜の変化にちゃんと気づいていたのに…
我慢してしまうことも分かってたはずなのに…」

湊「かな、俺達に今出来るのはあいつの不安を少しでも取り除いてやることだろ」

奏叶「分かってる」

湊「…それからあくまで憶測だけど千菜の見た夢が現実にならないとも言い切れない」

奏叶「そうだな…そうならない為にも俺達も気を付けよう
小さな怪我でも千菜には大きな不安になる
千菜を不安にさせるわけにはいかないし充分気を付けよう
夢では鈴村先生と高梨さんも居たんだろ?
どうする?2人にも事情を話しておく?」

湊「その方がいいのかも知れないな」

奏叶「じゃぁ鈴村先生には後で俺から話すよ」

湊「高梨さんには俺から伝えておく
今日もバイトだからな」

奏叶「よろしく」

千菜…
青い空を眺めながら千菜の事を想った

ー…緑の風の匂いがする…暖かい…

奏叶「あ、起きた?」

ゆっくり目を開けると一番に奏で叶が写った

千菜「奏叶…?ここは…」

奏叶「保健室だよ。湊から聞いたよ
寝不足だったんでしょ?よく眠れた?」

学校に着いてからの記憶がない
もしかしてずっと寝てたのかな…
久しぶりにちゃんと寝た気がする
湊から聞いたって言ったよね
結局また迷惑かけちゃった…

千菜「うん…」

奏叶「…怖い夢ずっと見てて眠れなかったって聞いたよ。今は大丈夫?」

千菜「うん…」

そういえば今はあの夢見なかったな…
だから安心して寝れたのかも
寝起きでボーッとしてた私だけどあることに気がついた

千菜「奏叶…ずっと手、握っててくれたの…?」

奏叶「うん。千菜がうなされないように願ってた」

なんて言って奏叶は笑った
でも急に真面目な顔をして言った

奏叶「ごめん。千菜が悩んでるのちゃんと気付いてあげられなくて
千菜が寝てる間俺ずっと怖かった
もしかしたらこのまま千菜が目を覚まさないかもしれないって…」

千菜「奏叶…ごめん心配かけて」

奏叶「ううん。大丈夫そうで安心した」

奏叶の手…暖かくて優しくて安心した

湊「お、起きたか」

千菜「湊…」

湊「少し顔色良くなったな」

鈴村「千菜ちゃん!もう心配したんだから
具合はどう?」

千菜「おかげでだいぶ良いです…
先生にまで心配かけてごめんなさい…」

鈴村「いいのよ。心配くらいさせて。
千菜ちゃんはまだ子どもなんだし、私の大事な生徒でもあるんだから。ね?」

鈴村先生…

千菜「ありがとう先生…」

鈴村「ゆっくり休みなさい」

奏叶「そういえば千菜食欲ある?」

湊「もう昼休みだぞ」

え、私そんなに寝てたんだ…

千菜「少し…」

奏叶「良かった。少しでも食べないとね」

湊「飲みもんもあるから好きなの選べよ」

鈴村「他の先生には内緒にしておくからここで食べていいわよ」

悪夢にうなされて怖がってばかりいたけど…私の周りにはこんなにも助けてくれてくれる人がいる
支えてくれる人がいる

奏叶「え…!?千菜泣いてるの!?
どうしたの!?やっぱり体調悪い!?」

泣いてる私を見て奏叶は慌てた
きっと感謝しても足りない

千菜「ありがとう…」
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