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12※グラッセ
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素敵……
品のいい狐色の髪、緑の瞳の中に美しい黄金の輪。
虹に輝いて、瞳に向日葵が咲いたよう。
中性的な風貌と青年と少年の狭間にいる華奢な体つき。
一目惚れだった。
『お初目お目にかかります。第一王女グラッセ様』
声変わり前なのかまだ少年のような澄んだ声。
気に入って側に置くように声をかけた。
滞在中に親しくなろうとお茶会や催し物に頻繁に誘い、エスコートを願った。
『私には不相応です』
エスコートやダンスを誘っても断られて、それさえも奥ゆかしいと胸が苦しくなった。
国に婚約者がいると言われても気にならなかった。
どうせここにはいないのだから。
日を跨ぐほどこの奥ゆかしくて思慮深い青年が好きになり、私との婚約を仄めかしてみた。
『聞かなかったことにします』
眉をしかめてそれだけしか答えてくれなかった。
でも私は欲しいものはなんでも手に入れてきたの。
今回もきっとそうなる。
そうなるべきなの。
1週間ほどしてロルフは婚約者をつれて晩餐に参加した。
まだ婚姻前と言うことで両親と連れだって遅れての到着。
私に比べたら大して美しくもない小さな子供みたいな娘。
顔立ちの妖艶さも比べることもなく、体の張りも私の方が立派。
むしろ何か取り柄があるのかしらと不思議になるような。
並んでみれば一目瞭然だと思ったのに、ロルフは婚約者と目が合うだけで頬を染めて微笑むの。
許せる?
私以外にあんな視線を向けるなんて。
許せるはずないわ。
あの子を見る時だけ瞳の色が一段と濃い色味を帯びて情熱的に輝くの。
私以外にそんな色を向けるのは。
あの貧相な体の娘を遠ざけようとするのに弟二人が邪魔立てしてくる。
どういうつもり?
私に逆らうなんて。
私は弟二人より金色の御髪と虹のアイスブルーを持った正当な継承者なのよ?
玉座に相応しいのは私。
それと対に立つロルフの姿を思い描き胸が高鳴った。
王族としての身分も、色も、美しさも。
彼こそが私に相応しい。
品のいい狐色の髪、緑の瞳の中に美しい黄金の輪。
虹に輝いて、瞳に向日葵が咲いたよう。
中性的な風貌と青年と少年の狭間にいる華奢な体つき。
一目惚れだった。
『お初目お目にかかります。第一王女グラッセ様』
声変わり前なのかまだ少年のような澄んだ声。
気に入って側に置くように声をかけた。
滞在中に親しくなろうとお茶会や催し物に頻繁に誘い、エスコートを願った。
『私には不相応です』
エスコートやダンスを誘っても断られて、それさえも奥ゆかしいと胸が苦しくなった。
国に婚約者がいると言われても気にならなかった。
どうせここにはいないのだから。
日を跨ぐほどこの奥ゆかしくて思慮深い青年が好きになり、私との婚約を仄めかしてみた。
『聞かなかったことにします』
眉をしかめてそれだけしか答えてくれなかった。
でも私は欲しいものはなんでも手に入れてきたの。
今回もきっとそうなる。
そうなるべきなの。
1週間ほどしてロルフは婚約者をつれて晩餐に参加した。
まだ婚姻前と言うことで両親と連れだって遅れての到着。
私に比べたら大して美しくもない小さな子供みたいな娘。
顔立ちの妖艶さも比べることもなく、体の張りも私の方が立派。
むしろ何か取り柄があるのかしらと不思議になるような。
並んでみれば一目瞭然だと思ったのに、ロルフは婚約者と目が合うだけで頬を染めて微笑むの。
許せる?
私以外にあんな視線を向けるなんて。
許せるはずないわ。
あの子を見る時だけ瞳の色が一段と濃い色味を帯びて情熱的に輝くの。
私以外にそんな色を向けるのは。
あの貧相な体の娘を遠ざけようとするのに弟二人が邪魔立てしてくる。
どういうつもり?
私に逆らうなんて。
私は弟二人より金色の御髪と虹のアイスブルーを持った正当な継承者なのよ?
玉座に相応しいのは私。
それと対に立つロルフの姿を思い描き胸が高鳴った。
王族としての身分も、色も、美しさも。
彼こそが私に相応しい。
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