伯爵令嬢、溺愛されるまで~婚約後~

うめまつ

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ロルフ様は素敵です。

お顔もお声も。

姿かたちも。

金に近い狐色の髪。

緑と金が混じった瞳。

我が国のもっとも美しいと言われる王妃にそっくりな目鼻立ち。

この方が私の婚約者です。

対する私はチビです。

最近やっと胸や腰に張りが出てきましたけど。

悲しいことに大してありません。

ふう、と自分の体を眺めてため息をつきました。

「リリィ様、どうかされました?湯加減が好ましくありませんでしたか?」

「お湯じゃないわ。自分の体に不満なの」

私の湯あみをするサラに答えました。

「まあ、リリィ様はお可愛らしゅうございますのに。うふふ」

「もっと普通の女性らしい体つきがよかったわ」

不満は掃いて捨てる程あります。

「美しい虹のアイスブルーと日に当たるとプラチナに輝く白銀のヘアー、ビスクドールのように白く華奢な体つき。これ以上は贅沢と言うものです」

ものは言いようです。

プラチナとか白銀とか。

本当はただのくすんだ灰色の髪です。

棒みたいな手足。

ささやかな胸元。

「女性らしくないわ」

「その代わり妖精のようだと言われておりますでしょう?」

「……そう、ね」

見た目の幼さからそう言われてます。

私としてはもっと大人びたかったです。

今日のドレスもマーメイドラインのはずがストンとした体型のせいでIラインになってました。

似合っていた気がせずまわりからは背伸びしてると思われたかもしれません。

グラッセ王女が羨ましく思いました。

金色の御髪と虹のアイスブルー。

そして背がスラッと高くて胸も腰も女性らしいラインをお持ちです。

きっと私が着ていたドレスも、グラッセ王女が着たらもっと輝いていたのではないかしら。

「グラッセ王女が羨ましい。どうしたらあんなに美しくなれるのかしら」

グラッセ王女と隣に立ったロルフ様はまた素敵でした。

お二人のお姿に見惚れる方々がたくさん。

私もそのひとり。

私の婚約者なのに。

そう思うのですが、やはり綺麗なものは綺麗です。

「無い物ねだりでございますね」

「サラもね。羨ましくなるわ」

私より女性的なラインを持ってるですもの。

「胸や腰に張りが出てきたってことは私の身長はもう伸びないのね」

またため息が出ました。

「わかりませんよ。あと少しくらい伸びるかもしれません」

「そうね、牛乳をたくさん飲むようにするわ。まだ伸びるかも」

「ええ、明日の朝もご用意するようにシェフに伝えてあります」

「ありがとう。……あーあ、身長がほしいなぁ」

湯あみを終えて身支度を整える間も呪いのように身長を熱望しました。

ロルフ様は成長期に入ったようでどんどん伸びてますもの。

このまま身長差が大きくなれば釣り合いが……

子守りをしてるとからかわれるのではないかと心配です。
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