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精力
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薄く目を開けて首を振るので止めた。
「もういいのか?」
「…疲れました」
もうやだと力無げに呟いた。
「精力を吸うと辛くなるのか?」
王都には混血や下位種の夢魔がそれなりいる。近い種類でサキュバスやインキュバスとまとめて淫魔と呼ばれ、それらの多くは娼館に多数勤めて生活している。普通なら客の精力を糧にして、精力を吸えば活力を得て活発になるというのに。
それと共にやはり上位種と考え直す。
ここまで強く精力の引き出しを体感させてまだ吸う余力がある。
どれだけの器なのだろうと考え馳せた。
「んー…、元気は元気なんですけど。…なんかボーッとする。ふわふわ。あっ、もういいってば」
「まだ飲ませたい」
嫌と言いつつ唇を啄むと葛藤した様子で強い抵抗はない。
精力を乗せて舌を突っ込めばふーふーと荒く息を乱して応えていた。
ぎゅっと瞑った目元からぼろぼろと涙がこぼれる。
寝台の上で乱れるエヴ嬢を押し倒したままの状態に興奮して捲れたスカートの隙間から太ももに手を添えた。
「いっ、いやだ!もう、いい!止めてください!」
「うわっ!」
強化と共に突き飛ばされ寝台から壁にぶっ飛んだ。
「だ、団長!ごめんなさい!」
「つっ、いてて、…私が調子に乗った。すまなかった」
寝台から心配するエヴ嬢に、壁にぶつけた肩を撫でながら答えると隣部屋から扉を開く音がした。
ダリウスが駆け込んでこの状況に眉をひそめる。
登場の早さに扉の前で待機していたのだろう。
「悪かった、ダリウス」
どう見ても狼藉者だ。
見た目通り実際にそうなのだから素直に謝るも無言の圧が加わる。
「ダリウス、ヤンのところへ連れてって。団長が精力をくれたから回復できる」
ますます圧を強めるダリウスと意に介さないエヴ嬢との拗れたやり取りに苦笑いがこぼれた。
「…手を」
「ありがとう」
座り込んだ私に手を向けるので握って立ち上がる。
手をギリギリと目一杯絞められて同じように返すが緩まる気配はない。
オーガは人狼より力が強い。
ますます強まる握力にかなり怒らせてしまったと反省する。
「すまない。だが、躾のいい番犬なので無理強いはしていない。主人の機嫌は悪くないだろう?」
ちらっとエヴ嬢へ視線を送り、手を離した。
びりびりと痺れて見ると赤くなっている。
「手から精力を吸えるようだ」
そう付け足せば裸足で寝台から降りたエヴ嬢の手を握り試そうとしていた。
「い、いやだ。恥ずかしいから。あんなの私じゃない」
「団長なら許すと?まさか無理やり、」
「そうじゃないけど。吸ったの私だし。でも恥ずかしいんだってば。止めて、ダリウス」
「…」
手を掴み、逃がす気のない圧に根をあげた。
「見ないでよ?本当に恥ずかしい」
褐色の武骨な手に白い小さな両の手を重ねた。
下を向いてダリウスの視線を避けるが、徐々に顔を赤らめ、堪えても小さく喘ぐ。
「ん、…ふ、…も、もう終わりっ!もういい!」
ヤンの治療へ行くと靴も履かずに飛び出した。
ダリウスは追いかけるもなく、ただ後ろ姿を眺めている。
「追わないのか?」
「…まだ」
手を見つめ抜けた手を握りしめている。
無表情を努めているが、目に雄の情欲が宿っていた。
「もういいのか?」
「…疲れました」
もうやだと力無げに呟いた。
「精力を吸うと辛くなるのか?」
王都には混血や下位種の夢魔がそれなりいる。近い種類でサキュバスやインキュバスとまとめて淫魔と呼ばれ、それらの多くは娼館に多数勤めて生活している。普通なら客の精力を糧にして、精力を吸えば活力を得て活発になるというのに。
それと共にやはり上位種と考え直す。
ここまで強く精力の引き出しを体感させてまだ吸う余力がある。
どれだけの器なのだろうと考え馳せた。
「んー…、元気は元気なんですけど。…なんかボーッとする。ふわふわ。あっ、もういいってば」
「まだ飲ませたい」
嫌と言いつつ唇を啄むと葛藤した様子で強い抵抗はない。
精力を乗せて舌を突っ込めばふーふーと荒く息を乱して応えていた。
ぎゅっと瞑った目元からぼろぼろと涙がこぼれる。
寝台の上で乱れるエヴ嬢を押し倒したままの状態に興奮して捲れたスカートの隙間から太ももに手を添えた。
「いっ、いやだ!もう、いい!止めてください!」
「うわっ!」
強化と共に突き飛ばされ寝台から壁にぶっ飛んだ。
「だ、団長!ごめんなさい!」
「つっ、いてて、…私が調子に乗った。すまなかった」
寝台から心配するエヴ嬢に、壁にぶつけた肩を撫でながら答えると隣部屋から扉を開く音がした。
ダリウスが駆け込んでこの状況に眉をひそめる。
登場の早さに扉の前で待機していたのだろう。
「悪かった、ダリウス」
どう見ても狼藉者だ。
見た目通り実際にそうなのだから素直に謝るも無言の圧が加わる。
「ダリウス、ヤンのところへ連れてって。団長が精力をくれたから回復できる」
ますます圧を強めるダリウスと意に介さないエヴ嬢との拗れたやり取りに苦笑いがこぼれた。
「…手を」
「ありがとう」
座り込んだ私に手を向けるので握って立ち上がる。
手をギリギリと目一杯絞められて同じように返すが緩まる気配はない。
オーガは人狼より力が強い。
ますます強まる握力にかなり怒らせてしまったと反省する。
「すまない。だが、躾のいい番犬なので無理強いはしていない。主人の機嫌は悪くないだろう?」
ちらっとエヴ嬢へ視線を送り、手を離した。
びりびりと痺れて見ると赤くなっている。
「手から精力を吸えるようだ」
そう付け足せば裸足で寝台から降りたエヴ嬢の手を握り試そうとしていた。
「い、いやだ。恥ずかしいから。あんなの私じゃない」
「団長なら許すと?まさか無理やり、」
「そうじゃないけど。吸ったの私だし。でも恥ずかしいんだってば。止めて、ダリウス」
「…」
手を掴み、逃がす気のない圧に根をあげた。
「見ないでよ?本当に恥ずかしい」
褐色の武骨な手に白い小さな両の手を重ねた。
下を向いてダリウスの視線を避けるが、徐々に顔を赤らめ、堪えても小さく喘ぐ。
「ん、…ふ、…も、もう終わりっ!もういい!」
ヤンの治療へ行くと靴も履かずに飛び出した。
ダリウスは追いかけるもなく、ただ後ろ姿を眺めている。
「追わないのか?」
「…まだ」
手を見つめ抜けた手を握りしめている。
無表情を努めているが、目に雄の情欲が宿っていた。
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