人狼の団長、見つけた番はすでに溺愛されている《団長はお預け中、たまに待てが出来ないで押し倒す》

うめまつ

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腹黒

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エヴ嬢ならそういうと思った。

「ならば落とし所はそれにしよう。それであなたはどう責任を果たすのか?何が出来る?」

いつもと違い厳しく言及すると、エヴ嬢は怯んだ。

「え、えと」

「思い付かないのか?なのに無責任に言葉にした。どういことか分かるか?」

その一言にぶるっと肩を震わせて後ずさった。

「君らはどうする?特にラウル。ダリウスもだ。主人は君を庇った。君の咎は主人のものだ。今は私だから許している。他の者ならどんな要求をするか想像つくか?相手が権力を持った下品なひひ親父なら君はどうする?クレイン領に被害があろうが守るのか?二人とも聞かせてくれ」

青ざめるラウルとダリウスに威圧的に問う。
ヤンとブラウンは理解していたのだろう。私と彼らへ交互にキツく視線を向ける。

「エヴ嬢、あなたは軽々しく部下の不始末の責任を引き受けてはいけない。あなた一人ではなくジェラルド伯やロバート殿に不利益を持たらす相手もいる。一人でどうにか出来ると思うな。上に立つ者として最も愚かだ」

「は、はいっ、ふ、うぅ」

私のことが怖いのだろう。
青ざめて返事をしながら、こぼれそうなほど目に涙を溜めている。

「ラウルはエヴ嬢以外の仕事であろうが任されたなら丁寧にやれ。ダリウスは非難を待つのではなく自ら気づけ。リーグやブラウン、他にも年長者や能力の高い者の師事を受けて他人の経験を吸収しろ。二人とも考えが浅い」

ラウルは愁傷に、はいと答え、ダリウスは頭を下げて頷いた。

「ヤンもだ。自分一人で全員を躾ようとするな。叱るより皆に経験させろ」

「…失敗は許されません」

「失敗か。若いお前に全ての判断がつくのか?管理できるのか?私から見ればまだまだ経験が浅い。エヴ嬢の教育が終わるかどうかなど関係なく、事が治まれば四人は王都の招かれている。それも全ての采配が出来るつもりでいるのか?安全なのは領内にいる今だ。違うか?」

言葉を探すヤンを厳しく睨み付けた。
私は怒っていた。
安易に責任を引き受けたエヴ嬢に。
簡単に言うと分かってるのに、無様に私の前で醜態を晒し、予測できなかった隙だらけの三人に。
これがもし貴族社会ならあっという間に食い物だ。
それだけではない。
市民にちょっと頭の回る奴がいたら同じだろう。
今のうちに全員締めると決めた。
特に、エヴ嬢は自分の価値を分かっていない。
実りの多く、交易の盛んなクレイン辺境領の溺愛される令嬢というだけでも価値がある。
その上この容姿。
赤い唇も艶やかな黒髪も魅力的な肢体も全てが男共の欲の的になるだろう。
そんなことも分からず、私の番なのに安易に我が身を安売りするような真似をしてとても腹を立てていた。
世間知らずで無知。
我が身の犠牲だけで済まそうとする考えは早急に叩き潰さねばならない。
泣こうが喚こうが許さないと、そこまで強く思った。

「隙を見せるな。足元を掬われる。ヤン一人に負担させないように全員が理解して動け。エヴ嬢、特にあなただ。自身を守ることが全体を守ることになる。簡単に我が身を差し出すな」

「はい、ふぇ、ひっく、」

ポロポロ泣いてはいるが目はしっかり前を向いて私を見つめた。
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