人狼の団長、見つけた番はすでに溺愛されている《団長はお預け中、たまに待てが出来ないで押し倒す》

うめまつ

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フェアリー

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「こんにちは、グリーブス団長。お迎えに参りました」
「ブラウンが来たのか」
ブラウンがにこやかに垂れをくぐって挨拶をした。
あちらの部隊長がわざわざと思い、驚いているとブラウンも意味を理解し、頷いて笑う。
「若いのでも良かったんですが、ラウルの様子を見たかったので」
「気軽に会えないのか?」
「跳ねっ返りですよ」
「はは、そうか」
お互いに素直じゃない。
ラウルも調子に乗るし、ブラウンも心配で会いに来たと言いたくないのだ。
「そちらの団長は可愛いと評していたが、あの性格をご存知ないのか?」
前日のベアードの言葉を思い出して呆れて言うと、ブラウンは上を向いて破顔した。
「ははは!性格なんか二の次で見かけですよ。うちの団長の趣味です。小さくて可愛いのに弱い。奥様も小柄で大変な美少女です」
「人族か?」
ベアードの嫁には興味が湧く。
一体、どんな女性か。
エルフかセイレーンかと想像した。
「いえ、フェアリーです」
「フェアリー?!」
ガードとエドが声をひっくり返して驚いている。
「失礼した。フェアリーは、その、」
エドが額を撫でながら頭を下げる。
手のひらに乗る小さな妖精の種族だ。
体格を含めて性格は子供っぽくイタズラ好きな気質は子育てや結婚に向かないとされている。
二人の驚きに私も共感する。
血筋からオーガの体格を持つベアードと人型のサイズとは言え幼児体型で気ままなフェアリーだ。
「子を成したのだから混血の人型だろう?」
「混血ですが、先祖返りのフェアリーです」
このくらい、と通常のフェアリーのサイズを手で表した。
淡々と話すブラウンに私もさすがに目を丸くする。
「…そうなのか?」
「…ど、どうやって、子供を」
「詳しく聞いてはいませんが、フェアリーの里に行って知恵をお借りしたと聞いております。あとは里の掟で口外は禁止だとか。破れば魔法で話した方も聞いた方も何か起こるそうです」
「見つけたのか?」
「二年かかったと聞いています」
妖精の種族には森のエルフ、風のシルフなど多くの種類がいる。
各々に里があるが、一般には知られていない。
一体、どうやって探し当てたのか。
純潔の種族は子の成し方が違うと知っていたが。
いや、人と純潔を掛け合わせたフェアリーの混血がいるのだから子を成せるのは間違いない。
あの男はそれに気づいて執念で探し当てたのか。
たったの二年で。
万にひとつ、エヴの懐妊を考えるのも頷ける。
「だから甘いと申しましたでしょう?ダリウスは一人息子ですからね」
「そのようだ」
思い入れが違う。
過保護さの理由にも思わず納得してしまい苦笑いから顔が緩む。
「あ、性格は二の次と申しましたが、あのラウルの性格も可愛いと思ってますね。我が儘な方が好ましいようです」
「は?」
「我が儘を言われる方が好きなんですよ。フェアリーの気ままさを楽しんでます」
「はぁー」
思わず感嘆がこぼれた。
「あ、あの、」
「はい」
エドがおずおずと声をかけてブラウンが微笑み返す。
「フェアリーとの結婚は難しいのが一般的だが?子育てなんか、どうされたんだ?」
「ああ、それは団員の女房達の協力でなんとか。でも基本的な子育てはベアード団長がされましたよ。奥様は小さくて抱っこも出来ませんし」
「はぁぁ、なるほど。しかし移り気なフェアリーなのに」
「移り気なのは間違いありませんが、仲がいいですよ」
控えめながら興味津々のエド。
後ずさって口の軽いブラウンに渋い顔で戸惑うガードが対照的だった。
「話すということは周知なんだろう」
「ええ、クレインでは有名な話です」
ガードのあから様にほっとする様子を見て微かに口角を上げた。
続けて根掘り葉掘り聞きたがるエドの質問の途中で外から声がかかった。
「お待たせいたしました」
入ってきたのはサライエひとりだ。
揃いましたとガードが答えてブラウンの案内で城内を訪れた。
昨日の部屋に案内されて扉の前に来ると中から笑いが響いていた。
エヴ達が先に来ていたようだ。
ノックして入室すると、ベッドを囲んでエヴとヤン達が勢揃いして、部屋の大きさに連れてきた二人は唖然としていた。
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