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「ダグ、背中の青タンはどうなった?」
「ん?まだあるかな?」
ぱっとシャツをめくって俺に向ける。
いつもガゼボの固い石テーブルや執務室の机やら。
結構前に背中の皮がずる向けになってた。
固い場所で正常位しすぎ。
カナン様からは傷を残すなって無茶な指示。
なら、最初から手加減しろっつーの。
「薬、塗ったる」
「うん」
丸出しの背中を向けたまま近寄って俺の前に立つ。
白くて男の割りにくびれた腹とツルッとした背中。
筋肉や骨が薄くて段差やゴツゴツした質感がないから、蛇か魚みたいなぬるっとしたなめらかさがある。
下着の紐を緩めに結ぶから生っ白い半ケツがはみ出してるし。
役得、と心に浮かべながら手にした瓶をちゃぽちゃぽと振った。
作ったばかりでどのくらい効くか怪しいけど、肌にいい香油や植物の液を混ぜた特製。
青タンばかりのこいつのために。
前のよりいいはず。
「あ、だめだ。垂れる」
「あ、そう?」
クリームじゃなくて液体。
塗りづらいと気づいた。
診察台に寝ろって言おうとしたら、ダグは振り向いて勝手に俺の膝に腹を乗せてきた。
俺が座る椅子は肘掛けのないタイプ。
腹這いに膝をまたいで、完全に子供の尻叩きスタイルじゃんと固まった。
「おい」
「え?これでも塗りづらかった?重い?」
「……役得だからいいか」
何にも考えてねぇと分かる顔を見りゃぁどかす気も失せた。
本当に俺は危険の頭数に入ってねぇ。
男扱いされてない。
チビの頃からの仲だから当たり前かもしれない。
一緒に真っ裸で川遊びしてたし。
お互いのチンコ見せ合ってゲラゲラ笑ってた。
でも成人した俺の股間には欲はあるんですけど?
固くなってきてるんですけど?
カナン様にケツを掘られるお前に完全おっきなんですけど?
今も半ケツの割れ目に指入れたくてむずむずする。
まあ、どうせ鎧の腰垂れで俺の下半身は分かりゃあしねぇ。
役得ラッキーくらいの気持ちで気軽に。
さっさと蓋を開けて手のひらに乗せて背中のデカイ青タンに塗り込む。
ぐでーっと手足を伸ばして項垂れている。
痛いのが嫌いなこいつのために優しく触った。
瓶の半分くらい塗った頃、足音が聞こえた。
通路の先に外への出入口があるからそれだと思ったのに扉の近くで足音が止まった。
「うおうっ!わわ!わ!」
悲鳴に顔を向けると医務室の扉を開けた部下。
ダグの姿勢にビビって後ろに転びかけた。
力を抜いて項垂れていたダグの体が部下の声にぴくっと反応したがそのまま無視している。
「す、すいません、いらっしゃると思わず。ダグさん、き、来てたんですね」
顔を赤らめてどもりながら嬉しそうに。
床にまでバラけた黒髪の先から丸出しの背中をじろじろと凝視して近寄ってくる。
この岡惚れのアホ。
俺はまだカナン様から治療の名目で許容されているが、お前は手打ちに遇うぞ。
「用を済ませてさっさと出ろ」
鈍感なダグもそれは分かっているからこいつを無視してる。
夜の世話を担当する間、自分に手垢が着かないように気を付けてる。
ドクターストップで夜の仕事を休ませれば、気もガードも緩んで無自覚に色々釣るけど。
「あ、は、はい」
この部下もその一人。
見目に惚れて人当たりのいいダグに好かれてると勘違いして、ついでにダグとの野外プレイを好むカナン様のおこぼれに当てられている。
ダグの背中の白さに見とれながら動くから無駄にのろのろと。
しかも机に足をぶつけて一人で騒いで、それもダグとの会話の糸口にしようと必死でペラペラしゃべる。
二人で無視していたら本棚の資料を手にぐずぐず居座って盗み見するから睨み付けた。
「まだ用は済まないのか?ぐずぐずと」
「は、はい、すいません。知りたいことが、見つからなくて」
視線は俺じゃなくてダグ。
塗り終わってもう少し乾くのを待つつもりだったが、さっと服を引き下げた。
「何が知りたい?」
どもりながら説明してる。
ただの言い訳だからどうでもいい内容。
分からないなら不勉強を罵りたくなるような。
もっとまともな言い訳はないのかと睨み付ける。
ダグを膝からどかして部下の目の前に立つ。
俺の威圧に脅えて頬がひくひくと動く。
目に涙がにじんで本棚を頼りにどんどん身をすくませて縮こまる。
入って2年目の若い男。
22の俺から四つ下の18。
年齢も階級も視線も俺の下。
ダグはこいつから目を背けて顔を向けない。
「ダグ、着替え」
「ん」
ペタペタと裸足の足音が仮眠室へ消えていった。
壁になってるからこいつの視線はもうダグを追えない。
俺の目線から半泣きで顔を逸らせずにいる。
「馬鹿が。あれはカナン様のものだ。死にたくなければ忘れるな」
俺の囁きにこくこくと頷く。
だが、こいつは鳥頭だ。
すぐに忘れてダグに付きまとう。
「忠告は何度めだ?」
医師見習いでここに配属されてんだから頭は悪くないのに。
恋愛に免疫がなくて何かとアホだ。
「す、すいません」
「出ろ」
そう言うのに名残惜しいとダグの消えた方向へ顔を背けた。
反省のない舐めた態度に胸ぐらを掴んで本棚に背中を叩きつけるとひぇぇっと叫んだ。
「すいません!すいません!分かってるんです!分かってるんですけど!」
持っていた本を落としてバタバタと手を振って暴れて言い訳が続く。
手っ取り早く通路に出そうとするのに脅えて足が動かないらしい。
ズルズルと重たいこいつを足から引きずって扉に向かった。
「すいません!ロニー班長!でも、でも!あんなの聞いたら堪らないですよ!今日だってあんな、商売女が言わないようなこと叫んで、外でヤるのも平気なくらいだ!ちょっとくらい!見るくらい!班長だってヤりたいから今も、」
この馬鹿。
「ん?まだあるかな?」
ぱっとシャツをめくって俺に向ける。
いつもガゼボの固い石テーブルや執務室の机やら。
結構前に背中の皮がずる向けになってた。
固い場所で正常位しすぎ。
カナン様からは傷を残すなって無茶な指示。
なら、最初から手加減しろっつーの。
「薬、塗ったる」
「うん」
丸出しの背中を向けたまま近寄って俺の前に立つ。
白くて男の割りにくびれた腹とツルッとした背中。
筋肉や骨が薄くて段差やゴツゴツした質感がないから、蛇か魚みたいなぬるっとしたなめらかさがある。
下着の紐を緩めに結ぶから生っ白い半ケツがはみ出してるし。
役得、と心に浮かべながら手にした瓶をちゃぽちゃぽと振った。
作ったばかりでどのくらい効くか怪しいけど、肌にいい香油や植物の液を混ぜた特製。
青タンばかりのこいつのために。
前のよりいいはず。
「あ、だめだ。垂れる」
「あ、そう?」
クリームじゃなくて液体。
塗りづらいと気づいた。
診察台に寝ろって言おうとしたら、ダグは振り向いて勝手に俺の膝に腹を乗せてきた。
俺が座る椅子は肘掛けのないタイプ。
腹這いに膝をまたいで、完全に子供の尻叩きスタイルじゃんと固まった。
「おい」
「え?これでも塗りづらかった?重い?」
「……役得だからいいか」
何にも考えてねぇと分かる顔を見りゃぁどかす気も失せた。
本当に俺は危険の頭数に入ってねぇ。
男扱いされてない。
チビの頃からの仲だから当たり前かもしれない。
一緒に真っ裸で川遊びしてたし。
お互いのチンコ見せ合ってゲラゲラ笑ってた。
でも成人した俺の股間には欲はあるんですけど?
固くなってきてるんですけど?
カナン様にケツを掘られるお前に完全おっきなんですけど?
今も半ケツの割れ目に指入れたくてむずむずする。
まあ、どうせ鎧の腰垂れで俺の下半身は分かりゃあしねぇ。
役得ラッキーくらいの気持ちで気軽に。
さっさと蓋を開けて手のひらに乗せて背中のデカイ青タンに塗り込む。
ぐでーっと手足を伸ばして項垂れている。
痛いのが嫌いなこいつのために優しく触った。
瓶の半分くらい塗った頃、足音が聞こえた。
通路の先に外への出入口があるからそれだと思ったのに扉の近くで足音が止まった。
「うおうっ!わわ!わ!」
悲鳴に顔を向けると医務室の扉を開けた部下。
ダグの姿勢にビビって後ろに転びかけた。
力を抜いて項垂れていたダグの体が部下の声にぴくっと反応したがそのまま無視している。
「す、すいません、いらっしゃると思わず。ダグさん、き、来てたんですね」
顔を赤らめてどもりながら嬉しそうに。
床にまでバラけた黒髪の先から丸出しの背中をじろじろと凝視して近寄ってくる。
この岡惚れのアホ。
俺はまだカナン様から治療の名目で許容されているが、お前は手打ちに遇うぞ。
「用を済ませてさっさと出ろ」
鈍感なダグもそれは分かっているからこいつを無視してる。
夜の世話を担当する間、自分に手垢が着かないように気を付けてる。
ドクターストップで夜の仕事を休ませれば、気もガードも緩んで無自覚に色々釣るけど。
「あ、は、はい」
この部下もその一人。
見目に惚れて人当たりのいいダグに好かれてると勘違いして、ついでにダグとの野外プレイを好むカナン様のおこぼれに当てられている。
ダグの背中の白さに見とれながら動くから無駄にのろのろと。
しかも机に足をぶつけて一人で騒いで、それもダグとの会話の糸口にしようと必死でペラペラしゃべる。
二人で無視していたら本棚の資料を手にぐずぐず居座って盗み見するから睨み付けた。
「まだ用は済まないのか?ぐずぐずと」
「は、はい、すいません。知りたいことが、見つからなくて」
視線は俺じゃなくてダグ。
塗り終わってもう少し乾くのを待つつもりだったが、さっと服を引き下げた。
「何が知りたい?」
どもりながら説明してる。
ただの言い訳だからどうでもいい内容。
分からないなら不勉強を罵りたくなるような。
もっとまともな言い訳はないのかと睨み付ける。
ダグを膝からどかして部下の目の前に立つ。
俺の威圧に脅えて頬がひくひくと動く。
目に涙がにじんで本棚を頼りにどんどん身をすくませて縮こまる。
入って2年目の若い男。
22の俺から四つ下の18。
年齢も階級も視線も俺の下。
ダグはこいつから目を背けて顔を向けない。
「ダグ、着替え」
「ん」
ペタペタと裸足の足音が仮眠室へ消えていった。
壁になってるからこいつの視線はもうダグを追えない。
俺の目線から半泣きで顔を逸らせずにいる。
「馬鹿が。あれはカナン様のものだ。死にたくなければ忘れるな」
俺の囁きにこくこくと頷く。
だが、こいつは鳥頭だ。
すぐに忘れてダグに付きまとう。
「忠告は何度めだ?」
医師見習いでここに配属されてんだから頭は悪くないのに。
恋愛に免疫がなくて何かとアホだ。
「す、すいません」
「出ろ」
そう言うのに名残惜しいとダグの消えた方向へ顔を背けた。
反省のない舐めた態度に胸ぐらを掴んで本棚に背中を叩きつけるとひぇぇっと叫んだ。
「すいません!すいません!分かってるんです!分かってるんですけど!」
持っていた本を落としてバタバタと手を振って暴れて言い訳が続く。
手っ取り早く通路に出そうとするのに脅えて足が動かないらしい。
ズルズルと重たいこいつを足から引きずって扉に向かった。
「すいません!ロニー班長!でも、でも!あんなの聞いたら堪らないですよ!今日だってあんな、商売女が言わないようなこと叫んで、外でヤるのも平気なくらいだ!ちょっとくらい!見るくらい!班長だってヤりたいから今も、」
この馬鹿。
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