婚約破棄騒動を起こした廃嫡王子を押し付けられたんだけどどうしたらいい?

うめまつ

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びっくりして後ろに仰け反ったんだけど、がっしり顔を掴まれて逃げれらない!

「あっ!ま、って!あっ、んんっ、んんんっ!」

がぶって!

がぶーって!

スッゴい怒った顔で睨まれてるし、口をガッツリ食べられた!

口の中で舌がにょろにょろ暴れてるぅぅ!

息できないぃぃい!

リカルド王子の鼻息荒いぃ!

顔を掴んだ手を剥がそうと掴んだら逆に手を押さえられたぁぁ!

「や!ああっ、ん、むっ、」

んぎゃーっ!

口と口!

み、見たことあるぅ!

これ、閨教育の奴ぅう!

「んあっ!んんっ!いたっ」

頭の後ろ。

髪ごと掴まれて無理やり固定されてる。

痛いよお!

「うっ、あっ!」

背中も痛い!

ごりごりの硬さ!

なんで?!

いつの間にテーブルに押さえつけられてるの?!

上にはリカルド王子がいるし!

重い!

重さと固さに挟まれて身体が痛い!

次は分厚いガウンの合わせの中に手ぇ突っ込まれた!

私の小さいお肉のお山を揉んでるぅぅ!

「や、だぁ!あっ、や、んっ」

息が苦しいよぉ。

相変わらず口は塞がれてるし、むにゅむにゅ触る胸も痛い。

背中も痛い。

頭を押さえられて痛いし。

あれえ?優しいリカルド王子はどこ行った?

いつも飴くれて、にぃって笑うのに。

今は怖いし痛いんだけど?

顔を見てられない。

またさっきみたいに睨んでそうだし。

なんで睨まれたんだろ。

悲しい。

こめかみがびしょ濡れ。

涙がいっぱい流れたから。

「ん、あっ、あ……ふ、ぐっ、……ひっ、ん」

ねぱぁーって音しながら口が離れた。

やっと息が出来るけど、えずいてうまく吸えない。

結局、リカルド王子が重くて怖いのも変わらないし。

「は、あ、……ライン」

名前を呼ばれてビクッてなった。 

兄達の声。

似たような低い声。

頭がくらくらする。

昔、頬や腕をつねられて頭を小突かれて毎日泣かされた。

“ラインが泣くと楽しい、泣け、もっと泣け”

痛くされるのは同じ。

でもリカルド王子は笑ってなかった。

睨まれた。

怒ってるんだ。

でもなんで怒ってるの?

何を怒らせたの?

顔見るの怖い。

声も怖い。 

やだ。

「ご、めん、なさい、……ひっ、ん、……ひぐっ。……バカ、で」

「……ライン?……な、にを?」

「ひっく、……怒らせ、て、スイマ、セン。ご、ごめんなさい」

いっぱい謝るから許してください。

お願いです。

「怒ってないっ。怖がらせて、悪か、」





“キャーッ”




「「?!」」



悲鳴?!

遠くから!

「隠れていろ!」

頭と腕を引きずられてテーブルの下に押し込まれた!

荒い!

王子も下に入ると思ったのに身を翻して行こうとするし!

「待って!リカルド王子は王子様だからだめです!私が行きます!」

「いいから大人しくしてろっ」

「い、行くなら一緒!じゃないと追いかけますからね!」

何度も聞こえる悲鳴にリカルド王子が悩んでる。

「そうか、では連れて行ってやる。怖くても引き返すな」

「はい!」

よしゃあ!

「……」

あれ?すごい苦虫噛み砕いた顔。

「……連れていくと言えば怖じ気づくと思ったのに。……しかもこの顔されると、だめと言えなくなるから腹立つ」

ぼやいてる。
 
ついでに私の、にぱーっに弱いんですね。

かしこまりです。

「……本気ならついてこい」

言ったからには頑張ります。

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