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お花の手入れは毎日の日課になって人間関係の楽しみも増えた。
ああ、でも忘れた頃にあの荷物が届いた。
「奥様、ご実家からの贈り物です」
王宮の使用人が運んできた。
側にいたメイド長達の眉がぴくりと跳ねて固まってる。
「……ありがとう」
使用人を下がらせて皆で両手で運べる大きさの荷物を囲んでる。
「……私共で中身を確認いたします」
「もう、いいです」
メイド長にそう答えた。
荷物は開けた形跡がある。
安全のために送られる荷物は全て使用人に検分される。
前回と同じ中身なら、もう王宮にまで知られた。
「……今は見たくない」
王宮の噂になってるかもと思うと落ち込んでしまう。
庭のお手入れの時間だからと皆には答えた。
花をいくつか剪定してると王宮のメイドさんが数人近寄ってきた。
ルーラさんが対応してるけど戸惑ってる。
「奥様にそんなことを相談したいなんて仰られても」
「わかってるわ。だめならあなたから聞きたいの」
「私ですか?」
「本当は奥様に話を聞かせていただきたいのよ。円満の秘訣をご教授していただきたいもの」
どうしたのかしら。
「ルーラさん、どうしたの?」
「……奥様、それが、」
「奥様!ぜひ私共の相談に乗ってください!」
……相談というなら聞きましょう。
ルーラさんの渋い顔にろくな話じゃなさそうだけど。
別に頼られて調子に乗ってるわけじゃないからね。
憚られる話だからと部屋へ招いたらメイドの人数が増えてた。
「……夫婦の円満の秘訣、ですか?」
聞かれたのはこの話題。
期待の眼差しに困っちゃう。
知らないもん。
お飾りの奥様だし。
「仲が良いのはリカルド王子が心を砕いてくださるからかと思います。陛下とルルドラ王子の仲を取り持ってくださいますし、それに応えるだけです。私は何もしてません」
「それだけではございませんでしょう?!奥様も何かされてるからです!そこを教えてくださいませ!」
「そうです!」
「ぜひ!」
「特に夜のことを!どうすればいいですか?!」
「ふあっ?!」
なぜ夜?!
熱心なメイドさん達の話を聞けば理由は荷物の中身。
あっという間に話が広がったみたい。
二度めとなれば涙も出ない。
「……譲りましょうか?……私、こんなのいらない」
いじけてそう言っただけなんだけど皆が喜んだ。
中身を見たくないから立ち会いはメイド長とルーラさん達。
隣で女性達のキャッキャッうふふを聞きながら寝室でふて寝。
そのあとすぐにうんざり顔のルーラさんも逃げてきた。
「近衛隊長とのことを言われても何もしてませんのに。殿方に好かれる秘訣なんか知りません」
うん、何もしてない。
向こうからだし。
いつもお互いに挨拶して短い会話をするだけ。
ルーラさんが特別何かしてるのは見たことない。
私も同じ。
旦那様や恋人と仲良く暮らす秘訣なんか知らない。
「……なんだか疲れましたね」
「……そうね」
付属の手紙も疲れた。
私が王宮で暮らすことを喜んでる。
ぜひそちらに招いてくれと親だけでなく兄弟からも手紙が同封されてた。
前回の荷物もリカルド王子の寵愛の役に立ったって勘違いしてる。
さすがに手紙の検分はないと思うけど。
でも家族のことだから社交場で色々言いふらしてる気がするし、あー憂鬱。
しばらくするとメイド長が戻ってきた。
だいたい配り終えたって。
今回、精力剤や塗り薬の類いは検分の段階で王宮で預かってるって。
それとメイド達には私とリカルド王子はこういうものは嫌いで使わないとしっかり言い含めてくれた。
「……はあ、今はああいう派手なものが喜ばれるとは。……若い子の感性にはついていけません」
メイド長もぐったり。
前向きに考えれば、また送られても処分する先が出来たからよかったんじゃないかな。
私の手元からなくなればそれでいいや。
そういうのは趣味の合う人同士でやり取りすればいいんだから。
直接、うちの実家と文通してもらおう。
そのくらい軽く考えてた。
夜、メイド長がリカルド王子に報告したら私も呼ばれて叱られた。
ハンカチならまだしも風紀を乱すようなものを配るなって。
顔を赤くして項垂れてるの初めて見た。
メイド長は王宮の使用人達にリカルド王子と奥様の好みではないとお知らせするのにいい機会でしたのでと、しれーっと答えてた。
反対しなかったのはそういうことかぁ。
私達は小言で済んだけど、実家は王宮にふざけた薬の類いを送るなって陛下にすごい叱られたみたい。
家族から陛下に叱られたからとりなしてくれって内容の手紙が届いた。
私も叱られたから無理ですと送り返した。
実家もめげてない。
新しい閨の服が送られた。
断ったのに。
自分で手紙を書けるようになりましたと報告したのに当たり前だって返ってきたし。
当たり前じゃないってのに。
……なんなの、うちの家族。
ああ、でも忘れた頃にあの荷物が届いた。
「奥様、ご実家からの贈り物です」
王宮の使用人が運んできた。
側にいたメイド長達の眉がぴくりと跳ねて固まってる。
「……ありがとう」
使用人を下がらせて皆で両手で運べる大きさの荷物を囲んでる。
「……私共で中身を確認いたします」
「もう、いいです」
メイド長にそう答えた。
荷物は開けた形跡がある。
安全のために送られる荷物は全て使用人に検分される。
前回と同じ中身なら、もう王宮にまで知られた。
「……今は見たくない」
王宮の噂になってるかもと思うと落ち込んでしまう。
庭のお手入れの時間だからと皆には答えた。
花をいくつか剪定してると王宮のメイドさんが数人近寄ってきた。
ルーラさんが対応してるけど戸惑ってる。
「奥様にそんなことを相談したいなんて仰られても」
「わかってるわ。だめならあなたから聞きたいの」
「私ですか?」
「本当は奥様に話を聞かせていただきたいのよ。円満の秘訣をご教授していただきたいもの」
どうしたのかしら。
「ルーラさん、どうしたの?」
「……奥様、それが、」
「奥様!ぜひ私共の相談に乗ってください!」
……相談というなら聞きましょう。
ルーラさんの渋い顔にろくな話じゃなさそうだけど。
別に頼られて調子に乗ってるわけじゃないからね。
憚られる話だからと部屋へ招いたらメイドの人数が増えてた。
「……夫婦の円満の秘訣、ですか?」
聞かれたのはこの話題。
期待の眼差しに困っちゃう。
知らないもん。
お飾りの奥様だし。
「仲が良いのはリカルド王子が心を砕いてくださるからかと思います。陛下とルルドラ王子の仲を取り持ってくださいますし、それに応えるだけです。私は何もしてません」
「それだけではございませんでしょう?!奥様も何かされてるからです!そこを教えてくださいませ!」
「そうです!」
「ぜひ!」
「特に夜のことを!どうすればいいですか?!」
「ふあっ?!」
なぜ夜?!
熱心なメイドさん達の話を聞けば理由は荷物の中身。
あっという間に話が広がったみたい。
二度めとなれば涙も出ない。
「……譲りましょうか?……私、こんなのいらない」
いじけてそう言っただけなんだけど皆が喜んだ。
中身を見たくないから立ち会いはメイド長とルーラさん達。
隣で女性達のキャッキャッうふふを聞きながら寝室でふて寝。
そのあとすぐにうんざり顔のルーラさんも逃げてきた。
「近衛隊長とのことを言われても何もしてませんのに。殿方に好かれる秘訣なんか知りません」
うん、何もしてない。
向こうからだし。
いつもお互いに挨拶して短い会話をするだけ。
ルーラさんが特別何かしてるのは見たことない。
私も同じ。
旦那様や恋人と仲良く暮らす秘訣なんか知らない。
「……なんだか疲れましたね」
「……そうね」
付属の手紙も疲れた。
私が王宮で暮らすことを喜んでる。
ぜひそちらに招いてくれと親だけでなく兄弟からも手紙が同封されてた。
前回の荷物もリカルド王子の寵愛の役に立ったって勘違いしてる。
さすがに手紙の検分はないと思うけど。
でも家族のことだから社交場で色々言いふらしてる気がするし、あー憂鬱。
しばらくするとメイド長が戻ってきた。
だいたい配り終えたって。
今回、精力剤や塗り薬の類いは検分の段階で王宮で預かってるって。
それとメイド達には私とリカルド王子はこういうものは嫌いで使わないとしっかり言い含めてくれた。
「……はあ、今はああいう派手なものが喜ばれるとは。……若い子の感性にはついていけません」
メイド長もぐったり。
前向きに考えれば、また送られても処分する先が出来たからよかったんじゃないかな。
私の手元からなくなればそれでいいや。
そういうのは趣味の合う人同士でやり取りすればいいんだから。
直接、うちの実家と文通してもらおう。
そのくらい軽く考えてた。
夜、メイド長がリカルド王子に報告したら私も呼ばれて叱られた。
ハンカチならまだしも風紀を乱すようなものを配るなって。
顔を赤くして項垂れてるの初めて見た。
メイド長は王宮の使用人達にリカルド王子と奥様の好みではないとお知らせするのにいい機会でしたのでと、しれーっと答えてた。
反対しなかったのはそういうことかぁ。
私達は小言で済んだけど、実家は王宮にふざけた薬の類いを送るなって陛下にすごい叱られたみたい。
家族から陛下に叱られたからとりなしてくれって内容の手紙が届いた。
私も叱られたから無理ですと送り返した。
実家もめげてない。
新しい閨の服が送られた。
断ったのに。
自分で手紙を書けるようになりましたと報告したのに当たり前だって返ってきたし。
当たり前じゃないってのに。
……なんなの、うちの家族。
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