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59※ルーラ
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自分の過去の話になるのが嫌で他人の経歴は一切話題にしない。
皆が勝手に話すことは聞いてるだけでこっちからは聞かない。
女同士なら聞き役に徹して恋人がいるとか結婚してるとか色々聞くけど。
メイド長も結婚してたと話していた。
お子さんは二人、成人していていまだに亡くなった旦那様一筋。
放浪癖のある作家と家具屋の職人。
中身と外見、どちらも旦那様にそっくりな息子と聞いている。
旦那様は放浪癖のある木彫りの職人だったって。
国中の山や森を歩いて気に入った木を見つけたら色んな生き物や草花のレリーフを彫ってたらしい。
亡くなったのも森の中。
手紙や作品が届かなくなったからこれはおかしいと気づいて、家族と仕事先の人達で最後の連絡先の街へ行くと身元不明の死者の中にそれらしい人がいたって。
仕事道具と残った作品ですぐに見つかったって。
そこまで教えてくれた。
でもメイド長と変わらないくらい長く一緒に勤めてるのに執事長のことは何も知らない。
「結婚してましたよ」
「そうなんですか」
そうよね。
40歳を超えてるらしいから結婚くらい。
ん?
……してました?
「先日、離婚しました」
あ、はい。分かりました。
亡くなられたのかと思ったら。
え、何?浮気したとか?
離婚って普通は有り得ないんだけど。
気まずい。
聞かなきゃよかった。
「お互いに仕事に専念したくて別れただけです」
あ、なんだ。良かった。
それならたまに聞くから珍しくない。
「奥様もお勤めをされていたんですか?」
「ええ、賢く有能で。育児が一段落して昔の勤めていたお屋敷に戻るとすぐに役職を得まして。少し前にお仕えしていた主人が国を離れるから一緒についていきたいと望むので別れることにしました。ちょうど子供達が結婚しましたし、家で帰らない私を待つのはつまらなかったでしょう」
私も飽きそうですとあっさりした感じで納得しているから、クスッと笑いがこぼれた。
「もう食事にしなさい。冷めてしまいます。それとも気晴らしにおしゃべりしたいですか?」
暇なんで付き合いますよと言ってくれた。
「リカルド王子はお食事したあと、しばらく奥様に張り付きますし、ご報告に伺うまでまだ時間はあります」
「執事長のお食事はお済みですか?」
「済ませてます」
「……あの。……では、お言葉に甘えて」
「構いませんよ」
「ありがとうございます」
「食べながら」
「はい」
食べ始めるのを確認したら、部屋にひとつだけの椅子に腰かけて、あなたが興味を持ちそうな話題はありますかねぇとのんびり構え、ご家族のお話だったり、ご自身の子供の頃だったりと色々交えて話してくださった。
「暇潰しになりますか?」
「とても楽しいです」
本当に意外と楽しい。
大人しい子供だったみたいで、年上の従姉妹に付き合って外遊びをするのに体力負けして川に落ちただの木から落ちただの。
バルコニーや階段からも。
何でそんなに落ちてばかり。
「従姉妹はピンピンしてるんですよ。運動神経が良くて。2階から外に飛んで着地する人でした」
真似て飛んだら骨が折れたと。
「ちなみに私の嫁でした」
「え?!」
「大人しくさせるなど無理でしょう?それに彼女は自由にさせたいので」
優しげな笑みを浮かべて、羽が生えたみたいに飛び回る人だからと目を細めて遠くを見つめていた。
皆が勝手に話すことは聞いてるだけでこっちからは聞かない。
女同士なら聞き役に徹して恋人がいるとか結婚してるとか色々聞くけど。
メイド長も結婚してたと話していた。
お子さんは二人、成人していていまだに亡くなった旦那様一筋。
放浪癖のある作家と家具屋の職人。
中身と外見、どちらも旦那様にそっくりな息子と聞いている。
旦那様は放浪癖のある木彫りの職人だったって。
国中の山や森を歩いて気に入った木を見つけたら色んな生き物や草花のレリーフを彫ってたらしい。
亡くなったのも森の中。
手紙や作品が届かなくなったからこれはおかしいと気づいて、家族と仕事先の人達で最後の連絡先の街へ行くと身元不明の死者の中にそれらしい人がいたって。
仕事道具と残った作品ですぐに見つかったって。
そこまで教えてくれた。
でもメイド長と変わらないくらい長く一緒に勤めてるのに執事長のことは何も知らない。
「結婚してましたよ」
「そうなんですか」
そうよね。
40歳を超えてるらしいから結婚くらい。
ん?
……してました?
「先日、離婚しました」
あ、はい。分かりました。
亡くなられたのかと思ったら。
え、何?浮気したとか?
離婚って普通は有り得ないんだけど。
気まずい。
聞かなきゃよかった。
「お互いに仕事に専念したくて別れただけです」
あ、なんだ。良かった。
それならたまに聞くから珍しくない。
「奥様もお勤めをされていたんですか?」
「ええ、賢く有能で。育児が一段落して昔の勤めていたお屋敷に戻るとすぐに役職を得まして。少し前にお仕えしていた主人が国を離れるから一緒についていきたいと望むので別れることにしました。ちょうど子供達が結婚しましたし、家で帰らない私を待つのはつまらなかったでしょう」
私も飽きそうですとあっさりした感じで納得しているから、クスッと笑いがこぼれた。
「もう食事にしなさい。冷めてしまいます。それとも気晴らしにおしゃべりしたいですか?」
暇なんで付き合いますよと言ってくれた。
「リカルド王子はお食事したあと、しばらく奥様に張り付きますし、ご報告に伺うまでまだ時間はあります」
「執事長のお食事はお済みですか?」
「済ませてます」
「……あの。……では、お言葉に甘えて」
「構いませんよ」
「ありがとうございます」
「食べながら」
「はい」
食べ始めるのを確認したら、部屋にひとつだけの椅子に腰かけて、あなたが興味を持ちそうな話題はありますかねぇとのんびり構え、ご家族のお話だったり、ご自身の子供の頃だったりと色々交えて話してくださった。
「暇潰しになりますか?」
「とても楽しいです」
本当に意外と楽しい。
大人しい子供だったみたいで、年上の従姉妹に付き合って外遊びをするのに体力負けして川に落ちただの木から落ちただの。
バルコニーや階段からも。
何でそんなに落ちてばかり。
「従姉妹はピンピンしてるんですよ。運動神経が良くて。2階から外に飛んで着地する人でした」
真似て飛んだら骨が折れたと。
「ちなみに私の嫁でした」
「え?!」
「大人しくさせるなど無理でしょう?それに彼女は自由にさせたいので」
優しげな笑みを浮かべて、羽が生えたみたいに飛び回る人だからと目を細めて遠くを見つめていた。
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