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番外編※リカルド

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嫌がるなら止めてよかったのにと食い縛っていた口からため息が漏れた。

「はぁぁ、あぁ、リ、リカル、ドおうじ、どうしたら、いいの?ねえ、苦しいの。あん!ああっ、イヤぁ、ねぇってばっ」

荒い息遣いでわんわん泣いてバカと怒鳴る。

いつもと違うことも楽しくなった。

「あ、ば、ばか!リカルドおうじのばかっ」

「はは、バカかなぁ」

イタズラしたくなりもっと深く壁を抉った。

「んあッあっ、ばっ、かっ」

「手淫だけでこうなってしまって。いつものいい子はどこに行ったんだ」

「ひぁっ!ああん!」

「いたた、爪が」

手の腹で蕾ごと花弁をぐにゃぐにゃに捏ねるとダメらしい。

頭にしがみついたラインの爪が地肌に食い込んだ。

引っ掻くなと言うけど無理ときつめに怒鳴られた。

聞こえてはいるのか。

「ふふっ。まぁ、いいか」

目立つところではないし。

爪くらい。

痛みくらい。

気にならないほど舞い上がってる。

「あむ、」

「あ、あっ、いやぁ」

顔に乗った白い房を手繰り寄せて唇で食む。

せっかく目の前にあるんだから舌でたっぷり味わおうという気になった。

「はむ、ラインは、れ、ろ、尽くし甲斐があるなぁ。ふふ」 

肌に舌を滑らせる。

バカと言われてもいい。

爪も構わない。

好きなだけ引っ掻け。

イヤだとどれだけ泣いても上に乗って抱きついてるのは本人だからな。

苦しそうに呻いて鼻をすする音、吐息の甘さ、耳に届く声、全身に押し付けられた肌の柔らかさと重さ。

全てが心地よい。

いい加減この張りつめたものを挿したいのに、この堪えた状況に嬉しさの方が増す。

痛さで目眩がするほど苦しく、ラインに包まれて溜まった欲を全て叩きつけたいくらいなのに。

色に溺れたラインをもっと深みに嵌めたくて頭の中は“まだだめだ”と制して目の前のことに夢中だった。

だが、落とし穴は見えないところにあるのだな。
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