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番外編※リカルド
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ラインはルルドラが運んだ。
寝室のベットに乗せたあとも泣いて謝り続け、ラインは大丈夫だと慰める。
パッと見たらどっちが被害者か分からない。
「ああ、そうだ。ルルドラ、歯を食いしばれ」
支えてくれた父とディアナから離れてルルドラの胸ぐらを掴んで頭を割る勢いで殴った。
「うぐっ!!」
「おい!?リカルド!」
「まぁ、」
「きゃぁ!!ルルドラ王子!リカルド王子!?」
「あー、ふらつく。力が入らん」
へなへなと床に座り込む。
いつもより吹き飛ばせなかった。
小汚ない格好をしてもちょっとしたことでこの見かけがバレる。
細かい変装を知る前は特にそうだった。
賑やかな街を彷徨けば喧嘩に巻き込まれるから殴られ慣れていたし、人を殴り慣れていた。
「許したわけじゃないからな。とりあえず今日はこれで。他は。……あとで考えよう」
「……はい」
這いつくばって床を眺めたままそう言うとルルドラのか細い返事が聞こえた。
今はこれでいい、とため息をついた。
心は痛いし顔も体も痛い。
だけどもう苦しみたくなかった。
それよりも大事なことがある。
「ディアナ、ラインを頼む。私は隣で顔をどうにかしてくる」
キツかったが父とルルドラを支えに立って背中を伸ばした。
「……いや、やっぱりいい。ルルドラは医者に診てもらえ。ディアナ、私の手当てを頼む」
「かしこまりました」
指示をするとすぐに私の部屋の薬箱を取りに続き扉へ入る。
「……リカルド、ひどい顔だ。医者に診せろ」
「今はラインの側にいます。二人は外へ」
手を振ると私とラインを交互に見て頷く。
腫れた頬を押さえて父の眼差しに怯えながらルルドラは医者のところへ行った。
戻ってきたディアナから手当てを受けながら手鏡を覗いた。
「これは変形するかもな」
切れた唇、パンパンに腫れた瞼と頬、こびりついた鼻血。
向きを変えて確認した。
「折れてはおりません。歯も無事です。幸いでございました。それでは湯桶をお持ちします」
顔の手当てが済んだら、残りはご自分でと言ってさっさと出ていった。
「人は呼ばん。ディアナだけだ」
「……はい」
ベットから小さく聞こえた息を飲む反応にそう応えた。
私がディアナに任せて外に出ようとした時、ラインの顔が青ざめて唇を戦慄かせた。
カーテンの分厚い生地を抱き締めて身を守るように強く引き寄せたのも気づいた。
何に怯えたのか分からないが側にいてほしいのかと思い咄嗟に判断を変えた。
上半身の傷を確認したあと、テーブルに置いた手鏡を傾けて鏡越しにラインの様子を盗み見る。
今も、じっと寝台から私のことを注意深く見つめて怯えていた。
顎まで隠れるほどカーテンを巻き込み、体を小さく縮めて私の一挙一動に神経を向けている。
私も同じだ。
だが、なぜこうも私へ怯えた態度を見せるのかわからず、どうしたらいいかぼんやりと考えた。
「……なぁ、ライン」
「はっ、いっ」
声が裏返った。
「ルルドラはお前の代わりか?自分がされたかったことをすると言ってたが」
はい、とまたひっくり返った声で返事をする。
それに対してそうか、と返すと鏡の中のラインはキョトキョトと目が泳ぐ。
「も、もうしわ、け」
「私は何をしたらいい?」
謝ろうとしたから急いで言葉を被せる。
聞きたいのは謝罪ではない。
「え?え、と?」
「私はラインの望みを叶えたいだけだ」
鏡の中に丸く見開いた目。
寝台から降りる仕草を見せたが思い詰めた表情でとどまり、うつむいてしまった。
寝室のベットに乗せたあとも泣いて謝り続け、ラインは大丈夫だと慰める。
パッと見たらどっちが被害者か分からない。
「ああ、そうだ。ルルドラ、歯を食いしばれ」
支えてくれた父とディアナから離れてルルドラの胸ぐらを掴んで頭を割る勢いで殴った。
「うぐっ!!」
「おい!?リカルド!」
「まぁ、」
「きゃぁ!!ルルドラ王子!リカルド王子!?」
「あー、ふらつく。力が入らん」
へなへなと床に座り込む。
いつもより吹き飛ばせなかった。
小汚ない格好をしてもちょっとしたことでこの見かけがバレる。
細かい変装を知る前は特にそうだった。
賑やかな街を彷徨けば喧嘩に巻き込まれるから殴られ慣れていたし、人を殴り慣れていた。
「許したわけじゃないからな。とりあえず今日はこれで。他は。……あとで考えよう」
「……はい」
這いつくばって床を眺めたままそう言うとルルドラのか細い返事が聞こえた。
今はこれでいい、とため息をついた。
心は痛いし顔も体も痛い。
だけどもう苦しみたくなかった。
それよりも大事なことがある。
「ディアナ、ラインを頼む。私は隣で顔をどうにかしてくる」
キツかったが父とルルドラを支えに立って背中を伸ばした。
「……いや、やっぱりいい。ルルドラは医者に診てもらえ。ディアナ、私の手当てを頼む」
「かしこまりました」
指示をするとすぐに私の部屋の薬箱を取りに続き扉へ入る。
「……リカルド、ひどい顔だ。医者に診せろ」
「今はラインの側にいます。二人は外へ」
手を振ると私とラインを交互に見て頷く。
腫れた頬を押さえて父の眼差しに怯えながらルルドラは医者のところへ行った。
戻ってきたディアナから手当てを受けながら手鏡を覗いた。
「これは変形するかもな」
切れた唇、パンパンに腫れた瞼と頬、こびりついた鼻血。
向きを変えて確認した。
「折れてはおりません。歯も無事です。幸いでございました。それでは湯桶をお持ちします」
顔の手当てが済んだら、残りはご自分でと言ってさっさと出ていった。
「人は呼ばん。ディアナだけだ」
「……はい」
ベットから小さく聞こえた息を飲む反応にそう応えた。
私がディアナに任せて外に出ようとした時、ラインの顔が青ざめて唇を戦慄かせた。
カーテンの分厚い生地を抱き締めて身を守るように強く引き寄せたのも気づいた。
何に怯えたのか分からないが側にいてほしいのかと思い咄嗟に判断を変えた。
上半身の傷を確認したあと、テーブルに置いた手鏡を傾けて鏡越しにラインの様子を盗み見る。
今も、じっと寝台から私のことを注意深く見つめて怯えていた。
顎まで隠れるほどカーテンを巻き込み、体を小さく縮めて私の一挙一動に神経を向けている。
私も同じだ。
だが、なぜこうも私へ怯えた態度を見せるのかわからず、どうしたらいいかぼんやりと考えた。
「……なぁ、ライン」
「はっ、いっ」
声が裏返った。
「ルルドラはお前の代わりか?自分がされたかったことをすると言ってたが」
はい、とまたひっくり返った声で返事をする。
それに対してそうか、と返すと鏡の中のラインはキョトキョトと目が泳ぐ。
「も、もうしわ、け」
「私は何をしたらいい?」
謝ろうとしたから急いで言葉を被せる。
聞きたいのは謝罪ではない。
「え?え、と?」
「私はラインの望みを叶えたいだけだ」
鏡の中に丸く見開いた目。
寝台から降りる仕草を見せたが思い詰めた表情でとどまり、うつむいてしまった。
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