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番外編※リカルド
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いつまでもみの虫のようにシーツをくるんで隠れるのも許せない気持ちになった。
乱暴に剥いで逃げるなと怒鳴って、飛び出すのを掴まえてベッドに投げた。
「ルルドラには許しを与えるのに私にはそういう態度か!私はお前のなんだ?!他人ではないと言うのに!ふざけるな!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
「出任せの謝罪なんぞいらん!」
「怒鳴らないで!謝るから!ごめんなさい!」
「謝るなと言っただろうが!」
「リカルド王子!お気を静めてくださいませっ!」
「止めるな!」
「いいえ!近衛を、他の者も呼びます!奥様の望まれることではありません!」
ディアナの仲裁で引き剥がされた。
「こ、の」
背を丸めて謝り続ける姿に余計いら立つ。
何か言いたいのに。
泣いて取り乱されて。
こんなことをしたいんじゃないのに。
そして目の前のディアナさえ憎くなった。
立場を無視してこうも歯向かう豪胆さを持っているのに。
ひとふりの拳でなぜ倒れた。
それさえなければルルドラを止めることができたはずだ。
だが、これを言えば私も同じ。
なぜ私は倒れた。
それさえなければ。
そしてそれを言えば心の荒れたまま暴れて後悔したルルドラと同じ。
やけくそに大切なものを傷つけて残るのはなんだ。
堂々巡りの苦痛。
怒り狂って荒れた感情と自分の行うラインへの仕打ち、周囲への逆恨みに羞恥心が溢れる。
「……怯えさせるつもりじゃなかった。……怒鳴って悪かった」
ようやく口にできたのはこれだけ。
そして、逃げるなと言ったのは私なのに、ラインから逃げたのは私だった。
どうしていいか分からず、目をそらし自分の部屋へ駆け込んだ。
夕方にはライオネルが戻った。
ディアナから事情を聞いたらしく青ざめて狼狽えている。
「……診察はいかがいたしましょうか?」
「お前とディアナで診てやれ」
腕が回らないらしく肩が脱臼してるかもしれないとディアナから聞いた。
原因はルルドラなのか。
私が手荒く捕まえて時、力任せに腕を引いたせいなのか。
バカなことをしたと思い出してため息がこぼれた。
「申し訳ありません、リカルド王子っ」
血相を変えて私の部屋に駆け込んだのはディアナだった。
「どうした?」
「奥様が寝室におられません」
「探せ!」
報告に青ざめた。
何か思い詰めてよからぬことが起こすのではと。
「少々、お待ちを。ディアナ、奥様の寝室と繋がったこの部屋は探しましたか?」
「いいえ、そこは」
指したのは私の寝室。
ライオネルを押し退けて駆け込んだ。
ベッドの端に丸くなった膨らみ。
そっと捲って覗くとそこに小さな寝息をたてて眠るラインがいた。
「……いたぞ」
「あぁ、奥様。……よかった。ご無事で」
へなへなと座り込んでライオネルが助けに支えてやっている。
「人騒がせな」
ぼやきながらも安堵からため息がこぼれた。
「初めてではございませんか?」
ライオネルの問いに視線を向けた。
「奥様がリカルド王子の寝室を訪れたのは。やはり心の中で頼りにされておられるのでしょう」
「……そうだな」
どうかお心に添って取り乱すことがないようにとライオネルからの忠告に頭の芯が冷えて心が凪いだ。
「奥様がお休みなら、すぐの診察は出来かねるようですね。それにリカルド王子にもお休みが必要です。陛下と皇太子のもとへ私共が向かおうと思います」
「あぁ、この顔で彷徨くのはなぁ。プライベートとは言え少々目立ちすぎる」
さすがに外部に何が起きたか勘繰られるし、少なからず数人の近衛や使用人達に見られて事が大きくなりかけた。
「兄弟喧嘩くらいならどうでもいい。ラインが“どう巻き込まれたか”が知られなければ大したことじゃない。ラインには“何もなかった”。これで通せ」
「他の者と口裏を合わせます」
それでいいと頷く。
ルーラが戻ったらあれにも動いてもらわねば。
ラインの拠り所だ。
「リカルド王子」
「なんだ?」
ディアナへと返事を返す。
「奥様は他の者にも知られることを望ませていません」
「……他と言うと、ルーラにもか?」
「はい」
聞けばこの件を知るディアナ以外は寝室に寄せ付けていないと言う。
「だから私の部屋に避難してきたのか」
私の寝室にはライオネルとディアナしか来ない。
「様子を見て他の者に指示を出す。まだ混乱しているだろう。知られたくないのも分かる。それなら先に父とルルドラだ。やりかけの案件を伝達して来い。必要なら持って帰れ。あの二人も使い物にならないだろう」
「……それはあなた様も、」
「やかましい」
ついライオネルを睨み付けてしまう。
激情型のポンコツが身内だ。
穴埋めに動かねば土台から崩れる。
「陛下の方にはルーラと私共で動きます」
ルルドラと“女”は相性が悪いと言われてルーラに手を挙げたことを思い出す。
あれにとってライン以外の女は下等な生き物。
乱暴に剥いで逃げるなと怒鳴って、飛び出すのを掴まえてベッドに投げた。
「ルルドラには許しを与えるのに私にはそういう態度か!私はお前のなんだ?!他人ではないと言うのに!ふざけるな!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
「出任せの謝罪なんぞいらん!」
「怒鳴らないで!謝るから!ごめんなさい!」
「謝るなと言っただろうが!」
「リカルド王子!お気を静めてくださいませっ!」
「止めるな!」
「いいえ!近衛を、他の者も呼びます!奥様の望まれることではありません!」
ディアナの仲裁で引き剥がされた。
「こ、の」
背を丸めて謝り続ける姿に余計いら立つ。
何か言いたいのに。
泣いて取り乱されて。
こんなことをしたいんじゃないのに。
そして目の前のディアナさえ憎くなった。
立場を無視してこうも歯向かう豪胆さを持っているのに。
ひとふりの拳でなぜ倒れた。
それさえなければルルドラを止めることができたはずだ。
だが、これを言えば私も同じ。
なぜ私は倒れた。
それさえなければ。
そしてそれを言えば心の荒れたまま暴れて後悔したルルドラと同じ。
やけくそに大切なものを傷つけて残るのはなんだ。
堂々巡りの苦痛。
怒り狂って荒れた感情と自分の行うラインへの仕打ち、周囲への逆恨みに羞恥心が溢れる。
「……怯えさせるつもりじゃなかった。……怒鳴って悪かった」
ようやく口にできたのはこれだけ。
そして、逃げるなと言ったのは私なのに、ラインから逃げたのは私だった。
どうしていいか分からず、目をそらし自分の部屋へ駆け込んだ。
夕方にはライオネルが戻った。
ディアナから事情を聞いたらしく青ざめて狼狽えている。
「……診察はいかがいたしましょうか?」
「お前とディアナで診てやれ」
腕が回らないらしく肩が脱臼してるかもしれないとディアナから聞いた。
原因はルルドラなのか。
私が手荒く捕まえて時、力任せに腕を引いたせいなのか。
バカなことをしたと思い出してため息がこぼれた。
「申し訳ありません、リカルド王子っ」
血相を変えて私の部屋に駆け込んだのはディアナだった。
「どうした?」
「奥様が寝室におられません」
「探せ!」
報告に青ざめた。
何か思い詰めてよからぬことが起こすのではと。
「少々、お待ちを。ディアナ、奥様の寝室と繋がったこの部屋は探しましたか?」
「いいえ、そこは」
指したのは私の寝室。
ライオネルを押し退けて駆け込んだ。
ベッドの端に丸くなった膨らみ。
そっと捲って覗くとそこに小さな寝息をたてて眠るラインがいた。
「……いたぞ」
「あぁ、奥様。……よかった。ご無事で」
へなへなと座り込んでライオネルが助けに支えてやっている。
「人騒がせな」
ぼやきながらも安堵からため息がこぼれた。
「初めてではございませんか?」
ライオネルの問いに視線を向けた。
「奥様がリカルド王子の寝室を訪れたのは。やはり心の中で頼りにされておられるのでしょう」
「……そうだな」
どうかお心に添って取り乱すことがないようにとライオネルからの忠告に頭の芯が冷えて心が凪いだ。
「奥様がお休みなら、すぐの診察は出来かねるようですね。それにリカルド王子にもお休みが必要です。陛下と皇太子のもとへ私共が向かおうと思います」
「あぁ、この顔で彷徨くのはなぁ。プライベートとは言え少々目立ちすぎる」
さすがに外部に何が起きたか勘繰られるし、少なからず数人の近衛や使用人達に見られて事が大きくなりかけた。
「兄弟喧嘩くらいならどうでもいい。ラインが“どう巻き込まれたか”が知られなければ大したことじゃない。ラインには“何もなかった”。これで通せ」
「他の者と口裏を合わせます」
それでいいと頷く。
ルーラが戻ったらあれにも動いてもらわねば。
ラインの拠り所だ。
「リカルド王子」
「なんだ?」
ディアナへと返事を返す。
「奥様は他の者にも知られることを望ませていません」
「……他と言うと、ルーラにもか?」
「はい」
聞けばこの件を知るディアナ以外は寝室に寄せ付けていないと言う。
「だから私の部屋に避難してきたのか」
私の寝室にはライオネルとディアナしか来ない。
「様子を見て他の者に指示を出す。まだ混乱しているだろう。知られたくないのも分かる。それなら先に父とルルドラだ。やりかけの案件を伝達して来い。必要なら持って帰れ。あの二人も使い物にならないだろう」
「……それはあなた様も、」
「やかましい」
ついライオネルを睨み付けてしまう。
激情型のポンコツが身内だ。
穴埋めに動かねば土台から崩れる。
「陛下の方にはルーラと私共で動きます」
ルルドラと“女”は相性が悪いと言われてルーラに手を挙げたことを思い出す。
あれにとってライン以外の女は下等な生き物。
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