伯爵令嬢、溺愛されるまで

うめまつ

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33、同乗

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ヨルンガとあちらの護衛隊長から出立の知らせがありました。

各々、自分達の馬車に乗るのだろうと思ったら、光の王子がお姉様を横抱きに抱えてランディック辺境伯の馬車へ運んでます。

それの後ろからお母様とランディック夫人が付き添って乗り込んでいました。

そして目の前で闇の王子は私に手を差し出してます。

ポカンとする私を訝しそうに見つめ、エスコートすると言われました。

なぜ?

「あの、私も、ランディック様の馬車に乗るのですか?」

「ああ、君がいない間に決まったから知らないか。君の姉が馬車酔いしたと聞いて、母がこちらの馬車の乗り心地が良いからと勧めたんだ。君らの馬車には俺たちが乗る。」

お母様たちを見ると我が家よりも大きな馬車にヨナとお姉様の侍女たちが乗っています。

馬車に乗っても十分広いように思いました。

3人のメイドは馬車の御者の席にバラバラに座っているのを確認しました。
もし本気でランディック夫人と馬車に乗せるなら、私の馬車にメイドたちを乗せたでしょう。

「では我が家の馬車をどうぞお使いください。ですが、私はあちらの馬車に乗ります。」

私が乗っていた小型の馬車を指差します。
バン様は馬車と私を交互に見つめ眉間の皺が濃くなりました。

「…なぜ?」

「…自分の育てた馬に馬車を引かせて王都に入るのが夢だからです。」

家庭の事情とは言えません。

「あの青毛と栗毛、君が育てたの?」

「青毛を育てました。」

「馬が好きか?」

「はい。王都で乗るつもりで連れてきました。」

じろじろと私と馬を見比べます。

嘘か確認したいらしく、馬の育て方をいくつも聞かれました。

私の青毛はとても大きいです。
いっぱいご飯をあげて運動させたら大きく育ちました。
お転婆と思われたでしょうか、それとも変な娘とか…

両方な気がします。

しばらく馬と私を交互に眺めた後、頷かれてさっと背を向けお母様たちの乗る馬車へ行ってしまいました。

私はディーナを連れて私の馬車へ向かいました。

サラが小走りで寄ってきます。

「ヨルンガ様から伝言で、あちらには奥様からお嬢様はこちらの馬車を使うと伝えたそうです。」
 
「そう。」

馬車に乗り込むと、あちらから光と闇の兄弟が走ってきました。

「リリィ嬢、ちょっといいか?」

「こっちへ乗りなさい。メイドも一緒に。」

彼らの後ろで頭を抱えるヨルンガと護衛隊長たちがいました。
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