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47、演奏会
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演奏会は3日間行われます。
1日目は男性の演奏、2日目は未婚のご令嬢たちの演奏会、3日目は大きな夜会が開かれます。
お姉様はソロを1つとご友人の合奏にいくつか出演されます。
パンフレットにお姉様より名前が載ってる方はいらっしゃいません。
サラとディーナに髪を結われながらパンフレットのお姉様のお名前をまじまじと見つめています。
「お姉様、スゴいわぁ。」
「ええ、本当にウルリカ様は素晴らしいですね。」
「ウルリカ様はもちろんですが、リリィ様も評判ですよ。今はサンマルク伯爵家のご姉妹は有名です。」
「お姉様のおかげで私の名前がついてきてるだけよ。姉妹の方がお得な感じするもの。」
「お得。」
「相変わらず発想が斬新ですね。」
「でも、困ったことも多いのよ。お姉様と一緒に私も演奏を出来ると勘違いされて断るのが大変なの。」
まさか妹は片手しか弾けないなんて想像出来ないでしょう。
「クスクス、それは確かに。」
「リリィ様は乗馬専門ですからね。」
「ええ、そうね。」
刺繍もピアノも苦手です。
馬に乗るのも怒られていた私がマリエおば様やクリス様と乗馬を通して親しくなれたことはとても幸せです。
お姉様が勉学の他にピアノや刺繍といった芸術面で社交界では有名ですので、お姉様と同じつもりで話しかける方が多くいらっしゃいます。
時々、お姉様のお友達と交流する時、高位の方はお姉様の作品を見せてくれました。
それが、お母様が持ってるものやバザーで拝見したものより、洗練され美しい熱の込められた作品ばかりを皆さんはお持ちでした。
お姉様の作品を素敵と思うことがあっても、欲しいとねだったことがなく私は1枚も持っていないのです。
いえ、小さい頃に1度おねだりしましたが、お姉様は自分で作りなさいと一言だけ仰って大変怒らせてしまい、お姉様に甘えるなとお母様から厳しく叱られた思い出があります。
お姉様の友人たちは、あなたもたくさん持ってるのでしょう?とお話になって私は曖昧に笑い、家にたくさんありますとだけ答えました。
もしお姉様が周囲にそう話してるならそれに合わせないといけないと思ったからです。
皆さんの持ってる作品が羨ましく、なんだかそれが寂しく感じるようになりました。
「リリィ様、お支度が整いました。」
「ありがとう。」
「今日のエスコートは第四王子様とですね。」
「ええ、私の身分で釣り合わないのよ。年が近いせいだと思うわ。」
高位の方に15才の第四王子と歳が釣り合う方が少ないから自分が選ばれたのだと思います。
「背のバランスがちょうどいいですし、お二人が並べばとても素敵ですよ。」
これはこれで私の好みですとディーナはニヤニヤしてます。
第四王子はまだ成長期前のようで小柄な私とちょうどよい高さです。
私もぶら下がらずにすみますし、ダンスもしやすそうだと安心しました。
第四王子にエスコートされて訪れた会場はすごい熱気でした。
本日は男性が演奏されるので会場には美しい女性が多くいらっしゃいます。
第四王子はとても言葉が少なく穏やかな方でした。
聞き上手で、時折ドレスや髪型を誉めてくださるのでご令嬢の扱いがとても出来た方です。
公の場で女性をエスコートするのは初めてで緊張していると恥ずかしそうに仰った時、なんだかとても好ましいと感じました。
1日目は男性の演奏、2日目は未婚のご令嬢たちの演奏会、3日目は大きな夜会が開かれます。
お姉様はソロを1つとご友人の合奏にいくつか出演されます。
パンフレットにお姉様より名前が載ってる方はいらっしゃいません。
サラとディーナに髪を結われながらパンフレットのお姉様のお名前をまじまじと見つめています。
「お姉様、スゴいわぁ。」
「ええ、本当にウルリカ様は素晴らしいですね。」
「ウルリカ様はもちろんですが、リリィ様も評判ですよ。今はサンマルク伯爵家のご姉妹は有名です。」
「お姉様のおかげで私の名前がついてきてるだけよ。姉妹の方がお得な感じするもの。」
「お得。」
「相変わらず発想が斬新ですね。」
「でも、困ったことも多いのよ。お姉様と一緒に私も演奏を出来ると勘違いされて断るのが大変なの。」
まさか妹は片手しか弾けないなんて想像出来ないでしょう。
「クスクス、それは確かに。」
「リリィ様は乗馬専門ですからね。」
「ええ、そうね。」
刺繍もピアノも苦手です。
馬に乗るのも怒られていた私がマリエおば様やクリス様と乗馬を通して親しくなれたことはとても幸せです。
お姉様が勉学の他にピアノや刺繍といった芸術面で社交界では有名ですので、お姉様と同じつもりで話しかける方が多くいらっしゃいます。
時々、お姉様のお友達と交流する時、高位の方はお姉様の作品を見せてくれました。
それが、お母様が持ってるものやバザーで拝見したものより、洗練され美しい熱の込められた作品ばかりを皆さんはお持ちでした。
お姉様の作品を素敵と思うことがあっても、欲しいとねだったことがなく私は1枚も持っていないのです。
いえ、小さい頃に1度おねだりしましたが、お姉様は自分で作りなさいと一言だけ仰って大変怒らせてしまい、お姉様に甘えるなとお母様から厳しく叱られた思い出があります。
お姉様の友人たちは、あなたもたくさん持ってるのでしょう?とお話になって私は曖昧に笑い、家にたくさんありますとだけ答えました。
もしお姉様が周囲にそう話してるならそれに合わせないといけないと思ったからです。
皆さんの持ってる作品が羨ましく、なんだかそれが寂しく感じるようになりました。
「リリィ様、お支度が整いました。」
「ありがとう。」
「今日のエスコートは第四王子様とですね。」
「ええ、私の身分で釣り合わないのよ。年が近いせいだと思うわ。」
高位の方に15才の第四王子と歳が釣り合う方が少ないから自分が選ばれたのだと思います。
「背のバランスがちょうどいいですし、お二人が並べばとても素敵ですよ。」
これはこれで私の好みですとディーナはニヤニヤしてます。
第四王子はまだ成長期前のようで小柄な私とちょうどよい高さです。
私もぶら下がらずにすみますし、ダンスもしやすそうだと安心しました。
第四王子にエスコートされて訪れた会場はすごい熱気でした。
本日は男性が演奏されるので会場には美しい女性が多くいらっしゃいます。
第四王子はとても言葉が少なく穏やかな方でした。
聞き上手で、時折ドレスや髪型を誉めてくださるのでご令嬢の扱いがとても出来た方です。
公の場で女性をエスコートするのは初めてで緊張していると恥ずかしそうに仰った時、なんだかとても好ましいと感じました。
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