伯爵令嬢、溺愛されるまで

うめまつ

文字の大きさ
61 / 98

61、回転

しおりを挟む
「フィンレーだ。フィンレーと私の名を呼ぶなら気が変わる。」

「フィンレー様!はい!呼びました!」


「あはは!躊躇ないのか!気が変わった。最後まで踊るぞ。」

「ひどい!」

もうすぐ曲が終わりそうです。

家族の失望した顔が頭に浮かんで目頭が熱くなってきました。

お互いの名前に傷がつきますと言っても、第二王子は2曲続けて踊ったぐらいで大袈裟だと笑う。


「3曲目も踊るか。」

「い、イヤです。」

ふるふると頭を振って訴えても、嬉しそうに笑うばかりで聞いてくれません。


突然、第二王子ではない力で、反対の方に手を引かれました。

「おい!リリィを返せ!」

「キース様!」

「やあ!助けに来たぞ!」

私はいつの間にか第二王子からキース様へとパートナーが変わっていました。
キース様はステップを踏みながら第二王子から私を引き離して行きます。

第二王子を見るとアンバー様がガッツリ捕まえて優雅に踊ってらっしゃいました。


「ごきげんよう、第二王子。次は私がお相手しますわ。」

「リリィ!おい!離せ!お前じゃない!」

「こんな場所でレディを放り出すなんて、また外交団に陳情が入れますわよ。」

「うるさいっ、赤い髪は嫌いだ!」

「あの子は私の赤い髪が大好きですのよ。趣味が合わないのなら諦めてはいかが?」
 
第二王子はダンスの見せ場のように、アンバー様を手放して距離をとります。

「次は私ですわ、皇女である私を無下にしないですよね?外交問題になりますものね!」

「なっ!」

「離しても私がいるわよ!」

クリス様、ヒバ皇女、アンバー様が代わる代わる現れ、第二王子が手を離すと次々入れ替わりに手を掴みます。

その近くでバン様とロルフ様のお兄様達が放された女性をダンスへと引き戻し、全てアドリブのはずなのに第二王子を中心に次々と女性が舞い、皆様は打ち合わせをして踊ってるような、完璧なダンスでした。

まわりの観客は手拍子をしたり、足でリズムを取って囃し立てます。

ワルツのはずが、次の曲が変更されたようで激しい曲に一段と盛り上がりを見せます。

「よし!俺たちも混ざるぞ!」

「え?何がよしなんですか?」

「面白じゃないか!」

私はこのまま安全な所に連れていかれるんじゃないんですか。

ステップを踏みながら第二王子に接近して、あちらも私に気づいて接近されて、すれ違い様に私はアンバー様とパートナーになりました。

あちらはキース様と第二王子です。

「な、な!なんでお前が!」

「あっはは!アンバーとリリィのファンにサービスですよ!」

きゃーっと会場には女性の黄色い声が響き渡りました。


「まあ!薔薇と妖精が1番でしたが、殿方同士も胸が高揚しますわ!また新しい扉が開きそう!」

ヒバ皇女はディーナ達が言うところ雑食を思い出します。


「女性同士はどうしたらいいんですか?」

「私に任せなさい、リリィ。」

アンバー様にリードされてくるくる回ります。

「アンバー様は男役も出来るんですか?」

「アンバー!ちょっと用事とか言ってその子と踊るなんて!今日はずっと私といるって約束したじゃない!」

ロイス様が巧みに私と替わられて、気付くと私は第二王子の弟、第三王子に捕まってました。

「兄が申し訳ない。」

「悪いと思うなら、第二王子の所へやらないでくださいませ。」

「そのつもりですよ。」

これ以上問題を起こされたくないと第二王子に接近し、今度はキース様に渡され、ご兄弟はペアに。

背の高い第三王子が男役をされ、また母国語で叱っていらっしゃいました。

「あはは!いやー!からかうと面白いな!」

「大丈夫なんですか?不敬じゃありません?」

「その為に第三王子を巻き込んでこちら側の王族を揃えたんだ。まわりは俺達のイベントと思ってるよ。何も言えないさ。」

次はこちらが兄弟と踊るさと、軽く仰います。

「私のところにリリィを渡さないで!私、男役は出来ないから!」

「では、私のところへいらっしゃい。私は踊れるわ。」

ヒバ皇女に手を取られくるくる回され、次はロイス様です。

「ロイス様も男役を?」

「アンバーに頼まれたのよ。じゃなきゃ、アンタなんかと。」

「うふふ、ありがとうございます。」

女性陣で踊ってる間、男性は男性同士で。

それはそれで盛り上がってます。

「最後はアンタを中心に男女揃うようにするんですって。」

しっかりやんなさいと放り出されます。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される

風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。 しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。 そんな時、隣国から王太子がやって来た。 王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。 すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。 アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。 そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。 アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。 そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

王太子妃専属侍女の結婚事情

蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。 未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。 相手は王太子の側近セドリック。 ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。 そんな二人の行く末は......。 ☆恋愛色は薄めです。 ☆完結、予約投稿済み。 新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。 ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。 そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。 よろしくお願いいたします。

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので

ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。 しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。 異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。 異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。 公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。 『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。 更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。 だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。 ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。 モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて―― 奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。 異世界、魔法のある世界です。 色々ゆるゆるです。

【完結】地味な私と公爵様

ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。 端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。 そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。 ...正直私も信じていません。 ラエル様が、私を溺愛しているなんて。 きっと、きっと、夢に違いありません。 お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)

婚約破棄されるはずでしたが、王太子の目の前で皇帝に攫われました』

鷹 綾
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間―― 目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。 そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。 一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。 選ばれる側から、選ぶ側へ。 これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。 --

ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく

犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。 「絶対駄目ーー」 と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。 何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。 募集 婿入り希望者 対象外は、嫡男、後継者、王族 目指せハッピーエンド(?)!! 全23話で完結です。 この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。

申し訳ありませんが、貴方様との子供は欲しくありません。

芹澤©️
恋愛
王太子の元へ側室として嫁いだ伯爵令嬢は、初夜の晩に宣言した。 「申し訳ありませんが、貴方様との子供は欲しくありません。」

逆行転生、断罪され婚約を破棄された落ちこぼれ令嬢は、神の子となり逆行転生したので今度は王太子殿下とは婚約解消して自由に生きたいと思います

みゅー
恋愛
アドリエンヌは魔法が使えず、それを知ったシャウラに魔法学園の卒業式の日に断罪されることになる。しかも、シャウラに嫌がらせをされたと濡れ衣を着せられてしまう。 当然王太子殿下との婚約は破棄となったが気づくと時間を遡り、絶大な力を手に入れていた。 今度こそ人生を楽しむため、自分にまるで興味を持っていない王太子殿下との婚約を穏便に解消し、自由に幸せに生きると決めたアドリエンヌ。 それなのに国の秘密に関わることになり、王太子殿下には監視という名目で付きまとわれるようになる。 だが、そんな日常の中でアドリエンヌは信頼できる仲間たちと国を救うことになる。 そして、その中で王太子殿下との信頼関係を気づいて行き……

処理中です...