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65、交渉
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「第二王子」
呆けている第二王子に私は声をかけます。
「第二王子はどうされますか?」
「は?」
「この件をご了承頂けますか?」
どうやら頭が動いていないようです。
いえ、聞いていなかったのでしょうか?
「サフィア様は倒れただけ。私はその騒ぎでデキャンタを倒し、ドレスを汚してしまったということにしますの。第二王子もご了承いただけますか?」
「なぜだ。」
なぜそんな必要があるのか、俺に利がない、と。
暗に賛成しない、と。
「第二王子。ちゃんと考えてください。サフィア嬢とあなたのためなんですよ。」
分からないのではなく聞く耳持たない様子にロルフ様がイライラと声を語調を強めています。
「よろしいんじゃありませんか?ロルフ様。」
「は?リリィ?しかし。」
「私共だけで話を合わせて動きましょう。会場の皆様にバレなければよろしいのですから。第二王子が抜けても問題ありません。」
「外交上の懸念はいいのかな?どう思う?」
ロルフ様ももういいと見切りをつけてるように思います。
「本人が嫌がるのですから構いませんよ!この際ですから、デキャンタを持って暴れたのが第二王子ということにしてしまってよろしいんじゃありません?!」
「なんだと!」
「確かにそういうことにも出来るなぁ。」
「私共は外交問題を軽減させるため、そしてサフィア様と第二王子を醜聞からお守りするために、私の背中の痛みはなかったことにするのですよ!助けてもらう本人が不要というのならサフィア様のことだけでよろしいのです!」
「それなら何の憂いもなく外交問題として扱うでしょうね。こちらとしてはリリィを興味本意で追い回し、サフィア嬢を蔑ろにされて起きたことですから。リリィがデキャンタで殴打されたことを隠して話すと、第二王子がサフィア嬢に乱暴した事実だけ残りますが、構わないんですね。」
「は?いや、どういうことだ?」
「女性への態度に以前から問題がありましたし、リリィと私が証言したら、まあ、間違いなくそちらが不利ですよ。」
青ざめて待ってくれと仰っていますが、もう知りません。
「勝手に困ればよろしいのです。私は第二王子のことも考えての提案でしたのに、ご理解を得られなくて本当に残念です!」
「り、リリィ、そんなことはないぞ?いや、あの女、いや!令嬢!令嬢にはちょっとくらい私にも非があるとは思ってるんだぞ。」
「これだけのことをちょっと?!第二王子はとっっっっても悪かったのですよ!サフィア様をここまで追い詰めて!そして全く責任を感じていらっしゃらない!反省してくださいませ!」
「わ、悪かった。私が全面的に悪い!」
「そうです!とってもとっても悪いのです!私だけに謝って済ませんないでくださいませ!サフィア様とロルフ様と、そこの給仕の方も協力しますのよ!皆さんにちゃんと仰って!お願いして!謝ってください!」
「り、リリィ。悪かった。許してくれ。泣くな。」
「違いますでしょう!皆さんに仰って!」
どうやらいつの間にか涙を流して叱っていました。
気づくとロルフ様に涙を拭われてます。
「言うから。ちゃんとするから泣くな。本当にすまなかった。……怒らないでくれ。」
泣かせたかったわけじゃないと何度も仰って、皆さんにもすまなかったと頭を下げました。
私はずっとメソメソ泣いてます。
だって私、今日は大変だったんです。
朝からずっと。
家族に怒られるし、友達のところに行けなかったし、同い年の令嬢に嫌われてケーキを食べられなくて、無理やり2曲目を踊らされるし。
楽しいこともあって元気になったのに、背中は痛いし庇った時にぶつけた腕も胸も痛くて。
サラ達がせっかく綺麗にしてくれたのにワインがかかってこんな風になってしまいました。
サフィア様が怖くて、お姉様とお母様も怖くて。
でもサフィア様が乱暴にされたのが嫌だったんです。
サフィア様は国の尊い方なのに。
サフィア様と第二王子の外交の為に私は我慢するのに第二王子は我が儘ばかり言って困らせるし
泣きながら話しました。
呆けている第二王子に私は声をかけます。
「第二王子はどうされますか?」
「は?」
「この件をご了承頂けますか?」
どうやら頭が動いていないようです。
いえ、聞いていなかったのでしょうか?
「サフィア様は倒れただけ。私はその騒ぎでデキャンタを倒し、ドレスを汚してしまったということにしますの。第二王子もご了承いただけますか?」
「なぜだ。」
なぜそんな必要があるのか、俺に利がない、と。
暗に賛成しない、と。
「第二王子。ちゃんと考えてください。サフィア嬢とあなたのためなんですよ。」
分からないのではなく聞く耳持たない様子にロルフ様がイライラと声を語調を強めています。
「よろしいんじゃありませんか?ロルフ様。」
「は?リリィ?しかし。」
「私共だけで話を合わせて動きましょう。会場の皆様にバレなければよろしいのですから。第二王子が抜けても問題ありません。」
「外交上の懸念はいいのかな?どう思う?」
ロルフ様ももういいと見切りをつけてるように思います。
「本人が嫌がるのですから構いませんよ!この際ですから、デキャンタを持って暴れたのが第二王子ということにしてしまってよろしいんじゃありません?!」
「なんだと!」
「確かにそういうことにも出来るなぁ。」
「私共は外交問題を軽減させるため、そしてサフィア様と第二王子を醜聞からお守りするために、私の背中の痛みはなかったことにするのですよ!助けてもらう本人が不要というのならサフィア様のことだけでよろしいのです!」
「それなら何の憂いもなく外交問題として扱うでしょうね。こちらとしてはリリィを興味本意で追い回し、サフィア嬢を蔑ろにされて起きたことですから。リリィがデキャンタで殴打されたことを隠して話すと、第二王子がサフィア嬢に乱暴した事実だけ残りますが、構わないんですね。」
「は?いや、どういうことだ?」
「女性への態度に以前から問題がありましたし、リリィと私が証言したら、まあ、間違いなくそちらが不利ですよ。」
青ざめて待ってくれと仰っていますが、もう知りません。
「勝手に困ればよろしいのです。私は第二王子のことも考えての提案でしたのに、ご理解を得られなくて本当に残念です!」
「り、リリィ、そんなことはないぞ?いや、あの女、いや!令嬢!令嬢にはちょっとくらい私にも非があるとは思ってるんだぞ。」
「これだけのことをちょっと?!第二王子はとっっっっても悪かったのですよ!サフィア様をここまで追い詰めて!そして全く責任を感じていらっしゃらない!反省してくださいませ!」
「わ、悪かった。私が全面的に悪い!」
「そうです!とってもとっても悪いのです!私だけに謝って済ませんないでくださいませ!サフィア様とロルフ様と、そこの給仕の方も協力しますのよ!皆さんにちゃんと仰って!お願いして!謝ってください!」
「り、リリィ。悪かった。許してくれ。泣くな。」
「違いますでしょう!皆さんに仰って!」
どうやらいつの間にか涙を流して叱っていました。
気づくとロルフ様に涙を拭われてます。
「言うから。ちゃんとするから泣くな。本当にすまなかった。……怒らないでくれ。」
泣かせたかったわけじゃないと何度も仰って、皆さんにもすまなかったと頭を下げました。
私はずっとメソメソ泣いてます。
だって私、今日は大変だったんです。
朝からずっと。
家族に怒られるし、友達のところに行けなかったし、同い年の令嬢に嫌われてケーキを食べられなくて、無理やり2曲目を踊らされるし。
楽しいこともあって元気になったのに、背中は痛いし庇った時にぶつけた腕も胸も痛くて。
サラ達がせっかく綺麗にしてくれたのにワインがかかってこんな風になってしまいました。
サフィア様が怖くて、お姉様とお母様も怖くて。
でもサフィア様が乱暴にされたのが嫌だったんです。
サフィア様は国の尊い方なのに。
サフィア様と第二王子の外交の為に私は我慢するのに第二王子は我が儘ばかり言って困らせるし
泣きながら話しました。
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