2 / 5
1夜目 −夢?それとも−
しおりを挟む
いつも夢を見ていた
その夢はいつも一緒
夢の中で私は1人海を見ていた
その海はとてもきれいな人がいて
その人は、どこか私に似ていた…
その人がが言うんです
思い出して…と
だから私はいつも考える
どうしてこんな夢を見てしまうのだろう
その人は何を思い出して欲しいのだろう
「美歩起きなさいー」
目覚ましの音とともに母親の私を呼ぶ声が聞こえる
そう学校の時間だ…
早く起きて準備をしなきゃ
重たい体を起こしゆっくりと準備を始める
鏡に向かい、私の顔とにらめっこする
瞳は薄く青がかっている。これは生まれつきらしい
髪は長く艶もあるので普通に自慢ではある
夢の中の人魚と違うのは
髪色と、瞳の青の濃さだろうか?
ほとんど自分と変わらないので自分が夢の中で自分を美化しているのか?と思うくらいだ
ここのところ毎日同じ夢を見る
前までは月に1度、年に1度そのくらいの頻度でしか見ていなかったはず…
それはそうと早く学校の準備をしなければまた母の声が響くだろう
憂鬱になりながら夢の内容思い出す
夢の中ではいつも私は海を見ていた
海の中には私そっくりの人がいて
その人は私に何かを伝えようとして口を動かす……
「考えてもわかんないや」
起き上がり、準備をするためにバタバタとする
春休み明けのせいか、身体がだるい
重い体を引きずり、ふらふらと学校へ向かう
夏が近くなって海が恋しくなる
幼い頃から水が好きだった
夢なんて関係なく、海が好きだ
グーッと身体を伸ばして学校への通学路を走る
学校に近づいたあたりで女の子達の声が聞こえる
「キャー!ホントに綺麗!!」
「ねー!本当に」
「人魚みたいよね!」
その言葉に足が止まり、プールの方に目をやる
ぴちゃん…
ザバっと顔を水面から出したその人は
とても綺麗な薄水色の長い髪を靡かせ、とても美人な顔つきだった
一瞬、夢の中人魚と見まごうくらいの…美しさ
「え………」
私は目を奪われていた
するとその美人さんは私の目線に気づいたのか私と目を合わせる…と
「……××××」
何かをつぶやいていたが周りの声で何もかもがかき消される
パシャパシャとプールの水をかき分け、私と一番近いところまで来たその人はそっと私と目を合わせる
「君、名前は?」
「…えと………海道美歩、です」
「美歩ちゃん、か」
ふわりと笑うその人はとても絵になっていた
「少し待ってて」
その言葉と共にザバっとプールから上がるその人
「え……ひゃ!?」
私は思わず声を上げてしまった
だってその人は
上半身裸だったからだ
「な、な、なっ」
「ん?どうしたの?」
「み、水着っ」
私の言葉に納得したような声を出し、そっと金網越しの私に近づくと
「僕は深堂 涼。男だよ、よろしくね」
「へ…」
一瞬何を言われてるかわからず深堂さんの方を見ると…
程よい筋肉のついた均整のとれた身体……
それを理解した途端、顔を真っ赤にしてとびのいた
「な、な、な……」
「とりあえず待ってて、教室一緒に行こうよ」
パタパタと更衣室に向かう彼に
私はその場に座り込んだ
私は知らなかった…
この出会いが最初から決められた
運命だったことを…
『まだダメよ』
その夢はいつも一緒
夢の中で私は1人海を見ていた
その海はとてもきれいな人がいて
その人は、どこか私に似ていた…
その人がが言うんです
思い出して…と
だから私はいつも考える
どうしてこんな夢を見てしまうのだろう
その人は何を思い出して欲しいのだろう
「美歩起きなさいー」
目覚ましの音とともに母親の私を呼ぶ声が聞こえる
そう学校の時間だ…
早く起きて準備をしなきゃ
重たい体を起こしゆっくりと準備を始める
鏡に向かい、私の顔とにらめっこする
瞳は薄く青がかっている。これは生まれつきらしい
髪は長く艶もあるので普通に自慢ではある
夢の中の人魚と違うのは
髪色と、瞳の青の濃さだろうか?
ほとんど自分と変わらないので自分が夢の中で自分を美化しているのか?と思うくらいだ
ここのところ毎日同じ夢を見る
前までは月に1度、年に1度そのくらいの頻度でしか見ていなかったはず…
それはそうと早く学校の準備をしなければまた母の声が響くだろう
憂鬱になりながら夢の内容思い出す
夢の中ではいつも私は海を見ていた
海の中には私そっくりの人がいて
その人は私に何かを伝えようとして口を動かす……
「考えてもわかんないや」
起き上がり、準備をするためにバタバタとする
春休み明けのせいか、身体がだるい
重い体を引きずり、ふらふらと学校へ向かう
夏が近くなって海が恋しくなる
幼い頃から水が好きだった
夢なんて関係なく、海が好きだ
グーッと身体を伸ばして学校への通学路を走る
学校に近づいたあたりで女の子達の声が聞こえる
「キャー!ホントに綺麗!!」
「ねー!本当に」
「人魚みたいよね!」
その言葉に足が止まり、プールの方に目をやる
ぴちゃん…
ザバっと顔を水面から出したその人は
とても綺麗な薄水色の長い髪を靡かせ、とても美人な顔つきだった
一瞬、夢の中人魚と見まごうくらいの…美しさ
「え………」
私は目を奪われていた
するとその美人さんは私の目線に気づいたのか私と目を合わせる…と
「……××××」
何かをつぶやいていたが周りの声で何もかもがかき消される
パシャパシャとプールの水をかき分け、私と一番近いところまで来たその人はそっと私と目を合わせる
「君、名前は?」
「…えと………海道美歩、です」
「美歩ちゃん、か」
ふわりと笑うその人はとても絵になっていた
「少し待ってて」
その言葉と共にザバっとプールから上がるその人
「え……ひゃ!?」
私は思わず声を上げてしまった
だってその人は
上半身裸だったからだ
「な、な、なっ」
「ん?どうしたの?」
「み、水着っ」
私の言葉に納得したような声を出し、そっと金網越しの私に近づくと
「僕は深堂 涼。男だよ、よろしくね」
「へ…」
一瞬何を言われてるかわからず深堂さんの方を見ると…
程よい筋肉のついた均整のとれた身体……
それを理解した途端、顔を真っ赤にしてとびのいた
「な、な、な……」
「とりあえず待ってて、教室一緒に行こうよ」
パタパタと更衣室に向かう彼に
私はその場に座り込んだ
私は知らなかった…
この出会いが最初から決められた
運命だったことを…
『まだダメよ』
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
わんこ系婚約者の大誤算
甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。
そんなある日…
「婚約破棄して他の男と婚約!?」
そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。
その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。
小型犬から猛犬へ矯正完了!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる