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2章 失敗?成功?
残った人たち
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-side 弥宵-
教室の隅で五月さんと二人で悠と天谷くんの喧嘩を見つめていた
隣の五月さんは私の体操服を着ているが、胸元がパツパツになっており、自分の胸と見比べる
平坦な胸と彼女の豊満な胸…
少し悲しくなる
やまとは…胸がおっきい方が好きなのかな…
五月さん含め、私以外の女子は胸が大きい
宮苑さんはスタイルがいいし…
山本さんも大きめだった
少しモヤモヤしながらも隣で怯えたように私にすがりつく五月さんへ視線を戻す
五月さんに問題があると教師達は思っていたらしい
幼い行動をするのは彼女の心の問題だと
けれど、同じサークルに集まって話をしている私達は気づいていた
五月さんより天谷くんに問題が多いことを
だけど、まさかこんな所で事件が起きるなんて…
目の前で私や五月さんの為に天谷くんに食って掛かる悠を見つめていると隣の五月さんが私の服の裾を引っ張った
「やよちゃん……私の、せいかな?」
流石の五月さんも自分のことを名前で呼ぶ余裕なんてないらしい
「大丈夫」
「えへへ、やさしいね…やよちゃんが私の姉妹だったら良かったのに…」
その言葉にふと思い出す。
確か五月さんには双子の姉の梨奈さんがいるとか
同じ学校に通ってないみたいだし、やっぱり寂しいのかな
「ありがとう、でもそんなこと言ったら本当のお姉さんに失礼でしょ?」
笑いながら返すと、五月さんはどこか悲しげに笑った
何か不味いことを言ったのだろうか…
不安に思っていると、私の言葉が聞こえていたのか天谷くんは私に近づいてニッコリと微笑んだ
ゾクリと身震いをしそうになるくらいの完璧な笑みで
「佐賀宮さん、あまりに僕の瑠梨をいじめないでくれるかな?」
「私はいじめてなんか」
「梨奈はね、昔死んでしまったんだ。自業自得の事故でね」
天谷くんの言葉に五月さんの体がビクリと跳ねる
それにカチンときて、五月さんの手を握りしめ、天谷くんに食ってかかってしまう
こんなこと、してる場合じゃないのに
「あら、私より貴方のほうが五月さんを傷つけてるわよね?」
「……あ?」
「五月さん、貴方の恋人なんでしょ?彼女何でしょ!なのに!なのになんでそんなこと言って彼女を傷つけるのよ!苦しめるのよ!」
「ちょ、弥宵!落ち着けって!」
「悠は黙っててよ!」
「君こそさぁ、好きな人にはキツくあたるの、好きだよね?」
天谷くんの言葉に私の頭は更に沸騰する
「っ!誰のことをっ」
私が天谷くんの胸ぐらを掴むのと同時にアノ音が響いた
“チリン“……“チリンチリン“
鈴の音と共に子どもの足音が近づいてくる
その場の全員が口を閉ざす
恐怖で動けなくなった私をみた天谷くんの口角が僅かに上がった気がした
そして無言で天谷くんは私の腕を掴んだ
「な、何っ」
「佐賀宮さん、君さ………“邪魔“だよ」
「え…」
ぐいっと力いっぱい引っ張られ、扉の方へと連れて行かれそうになり、私は全力で抵抗する
「いや、やめてっ!」
「やめろ!天谷!!」
悠の腕に引かれ、私は悠の腕の中へと迎えられる
騒いだせいか、扉の前で足音が止まる
チリンチリンという音と共に扉がガリガリと引っかかれる
「悠……」
「…ははっ、やべーかもなぁ」
悠が私の腕を掴んで逃げる準備をするので、私も走り出す準備を整える
“キィイ“
背後から聞こえた音に振り返ると掃除道具入れのロッカーへ天谷くんが五月さんの口を抑えながらロッカーへ入る所だった
「五月さんっ!」
「じゃ、バイバァイ、頑張ってね」
ニッコリと微笑みかけた天谷くんはそのままロッカーへと消えていった
「…クソ、行くぞ、弥宵」
「大丈夫なの?悠…」
「さぁな!」
そうして教室の扉がカラカラと音をたてて開いた……
教室の隅で五月さんと二人で悠と天谷くんの喧嘩を見つめていた
隣の五月さんは私の体操服を着ているが、胸元がパツパツになっており、自分の胸と見比べる
平坦な胸と彼女の豊満な胸…
少し悲しくなる
やまとは…胸がおっきい方が好きなのかな…
五月さん含め、私以外の女子は胸が大きい
宮苑さんはスタイルがいいし…
山本さんも大きめだった
少しモヤモヤしながらも隣で怯えたように私にすがりつく五月さんへ視線を戻す
五月さんに問題があると教師達は思っていたらしい
幼い行動をするのは彼女の心の問題だと
けれど、同じサークルに集まって話をしている私達は気づいていた
五月さんより天谷くんに問題が多いことを
だけど、まさかこんな所で事件が起きるなんて…
目の前で私や五月さんの為に天谷くんに食って掛かる悠を見つめていると隣の五月さんが私の服の裾を引っ張った
「やよちゃん……私の、せいかな?」
流石の五月さんも自分のことを名前で呼ぶ余裕なんてないらしい
「大丈夫」
「えへへ、やさしいね…やよちゃんが私の姉妹だったら良かったのに…」
その言葉にふと思い出す。
確か五月さんには双子の姉の梨奈さんがいるとか
同じ学校に通ってないみたいだし、やっぱり寂しいのかな
「ありがとう、でもそんなこと言ったら本当のお姉さんに失礼でしょ?」
笑いながら返すと、五月さんはどこか悲しげに笑った
何か不味いことを言ったのだろうか…
不安に思っていると、私の言葉が聞こえていたのか天谷くんは私に近づいてニッコリと微笑んだ
ゾクリと身震いをしそうになるくらいの完璧な笑みで
「佐賀宮さん、あまりに僕の瑠梨をいじめないでくれるかな?」
「私はいじめてなんか」
「梨奈はね、昔死んでしまったんだ。自業自得の事故でね」
天谷くんの言葉に五月さんの体がビクリと跳ねる
それにカチンときて、五月さんの手を握りしめ、天谷くんに食ってかかってしまう
こんなこと、してる場合じゃないのに
「あら、私より貴方のほうが五月さんを傷つけてるわよね?」
「……あ?」
「五月さん、貴方の恋人なんでしょ?彼女何でしょ!なのに!なのになんでそんなこと言って彼女を傷つけるのよ!苦しめるのよ!」
「ちょ、弥宵!落ち着けって!」
「悠は黙っててよ!」
「君こそさぁ、好きな人にはキツくあたるの、好きだよね?」
天谷くんの言葉に私の頭は更に沸騰する
「っ!誰のことをっ」
私が天谷くんの胸ぐらを掴むのと同時にアノ音が響いた
“チリン“……“チリンチリン“
鈴の音と共に子どもの足音が近づいてくる
その場の全員が口を閉ざす
恐怖で動けなくなった私をみた天谷くんの口角が僅かに上がった気がした
そして無言で天谷くんは私の腕を掴んだ
「な、何っ」
「佐賀宮さん、君さ………“邪魔“だよ」
「え…」
ぐいっと力いっぱい引っ張られ、扉の方へと連れて行かれそうになり、私は全力で抵抗する
「いや、やめてっ!」
「やめろ!天谷!!」
悠の腕に引かれ、私は悠の腕の中へと迎えられる
騒いだせいか、扉の前で足音が止まる
チリンチリンという音と共に扉がガリガリと引っかかれる
「悠……」
「…ははっ、やべーかもなぁ」
悠が私の腕を掴んで逃げる準備をするので、私も走り出す準備を整える
“キィイ“
背後から聞こえた音に振り返ると掃除道具入れのロッカーへ天谷くんが五月さんの口を抑えながらロッカーへ入る所だった
「五月さんっ!」
「じゃ、バイバァイ、頑張ってね」
ニッコリと微笑みかけた天谷くんはそのままロッカーへと消えていった
「…クソ、行くぞ、弥宵」
「大丈夫なの?悠…」
「さぁな!」
そうして教室の扉がカラカラと音をたてて開いた……
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